2021/02/22 のログ
■ヴァレリア >
──階段を登る男の左右の壁
その壁を高速でずるりと赤黒い蛇が這い回り、
男を追い抜くようにして砦の頂上へと向かって消えてゆく
砦が何かが起こっているのは間違いなかった
そして、当たりから魔族、そして魔物の気配は殆ど消え去って──
「…あら?」
砦中から集まった血肉を吸収しながら、近くで香る人間の匂いに気がつく
砦の縁に腰掛けながら、その匂いの元…漂ってくる、階段のほうへその赤い視線を向ける
■オッド > 「蛇?……」
自分を攻撃するでもなく、すり抜けるように登っていく蛇に視線を向け。慌てるでもなくゆっくりと、その道筋を追うように、やがて階段を抜ければ、そこにドレス姿の女が一人。少し暗いが、多少は見える。たぶん女だ。
「……蛇が……来なかったか?」
おそらく、その風貌。こんな場所に見る限りは女一人。おそらくは、魔族であろうとは思うが。蛇はどこ言ったと足元辺りのにも視線をさまよわせながら、世間話でも振るように無造作に、煙草をふかしながら女の方へと歩み。
■ヴァレリア >
僅かな月明かり
その下にくすんだ白髪と──暗いににも関わらず爛と輝きよく見える、赤い瞳
見るからに人間ではなく、魔族であるという雰囲気を漂わせた、女
階段を抜けた男へと視線を向けている女は、視線だけをそちらに向けながら…
「蛇、って。これ…?」
ずるりと一匹の、丸々と太った赤黒い蛇が女の細腕に絡み、巻きつく
それは先程、男の側面の壁を走っていた、まさにそれだろう
「これは私の、ごはん。
……貴方こそ、こんな砦で何をしてるの?
今は魔族が占領しているはずだったのに…」
そう言って、蛇に唇を重ねる
ぱちん、と赤黒いそれは弾け…血の泡となってその女に同化するように吸収された
■オッド > 「飯か……そうか……まぁ……蛇は……旨ェからなぁ……。」
壁を走る蛇を目で追い、それが吸収される様を眺めながら。たぶんそういうことではないという話だが、野営の時など、そのへんの蛇を捕まえて焼いて喰ったこともあるなとか。敵意もなく、警戒もなく、ただただ女の側へとゆったりとした歩みを進め。
「……そう聞いた……聞いたから、俺がそれを占領しにきた……。」
口に咥えたまま煙草を大きく吸い、真上へ向けて大きく吐き出した後に、空中で吸い殻から指を話す。その瞬間。
「――――――ッ!!」
ゴッ――という風切り音が聞こえてきそうな拳が。なんの前触れも躊躇もなく、女の顔面めがけて真っ直ぐ撃ち放たれた。
■ヴァレリア >
「あら、貴方も悪食なのね?」
蛇は旨い、といった言葉ににっこりと笑みを浮かべる
ゆっくり歩み寄る男を気にした様子も見せないまま…
「ふふ。それは残念…ぜぇんぶ、食べちゃった♡
……でも一人で砦を落としに来るなんて、ちょっと無謀──」
"ゴキッ──"
クスクスと嗤いながら言葉を続けていた女の顔を、男の拳が撃ち抜く
跳ね飛ばされるようにして、砦の屋上を華奢な肢体が転がって…
「──ッ!……!!?」
顔を抑え、目を白黒させながら…
文字通り目から火が出たような衝撃に、何が起こったのかを理解できていないようだった
■オッド > 「ふん……見かけより頑丈じゃねぇか……」
ほとんど防御も回避もなく、下手すれば一撃で首の骨か頭蓋骨を粉砕するつもりで殴った。というか並の魔族ならこれでゲームセットになるくらいの威力だったと思う。この男の拳にはすべてを殴る特性こそあるが、そもそも。まるで「当たるタイミングを知っている」ように拳を繰り出すのだ。
「全部喰ったってことは……今……テメェが砦の全戦力ってことで……。」
数歩の歩みから、無造作なステップで転がった女の傍らに。
「いいな?」
当たり前のように、それでも鋭く。転がった女の腹を思い切り蹴り上げんと。
■ヴァレリア >
女の戦力は──実のところ、高いだろう
ただしそれは、種族特性に寄るもの
フィジカルで人間に劣ることもなく、その魔力は魔王を名乗るに相応しい
事実、男の恐ろしいまでの威力の拳で、致命傷までは受けていなかった
しかし殴られて顔を抑え、思考を混乱させている様子はあまりにも戦士とは程遠く──
"めしゃあッ──"
「ぐぶッッ──!!?」
細い女の腰が"く"の字に曲がる
二度、三度、石畳の上でもんどり打つ女は、すぐには立ち上がらない
立ち上がれないというほうが正しいのだろう
『ただ戦力が異常に高いだけの、戦いに関しては素人』
与える印象は、そんなところだろう
「ごほっ…──な…ッ、あ゛……ッ」
咳き込み、口と鼻孔からぱたぱたと赤い血を零しながら、なんとか身を起こし、視線を男へと向ける
「……待って、待って……私、何もしてない──」
なぜ殴られて、おまけに腹を蹴り上げられたのかまるでわかっていない、困惑した様子で訴えかけていた
■オッド > 「テメェは魔族だろ?……俺は人間だ……それがこの取手に居る……なら殴るだろ?……まだ余裕ありそうだな?……どれくらいまで生きてられるか……試すか?」
男の独自理論はこれだ、敵は殴るか犯す。的でなくとも気が向けばそうする。その行為に欠片もためらいや罪悪感がないからこういうことができるのだと言わんばかりに。
「――――――!!」
真上に手を伸ばし。ギリギリと拳をゆっくり握りしめ、次の1手、というか単に思いつくまま。身体を起こした女の顔に地面すれすれに這いながら跳ね上がるようなアッパーカット。
■ヴァレリア >
「やっ…」
まさかこんな男がこの場にいるなんて、…ちょっとは思ってたけど
会話も交わさずいきなり襲いかかられるとは思っていなかった
こんな野蛮な人間、初めてだと言わんばかりに眉を顰める
振り上げられた拳を必死に避け、石畳の埃に塗れながら、ようやく立ち上がる
「──この…っ、調子に──ッ!!」
女の足元に血溜まりが広がる
そしてそこから、血の色をした無数の触手が這い出した
「今日は大人しくご飯だけ、そう思ってたけど…気が変わったんだから!」
蹴られたお腹を抑えながら、睨めつける
触手は鎌首を擡げ、一斉に男へと襲いかかる
その四肢、その身体を捉え、縛り上げ、あわよくば締め上げて圧し折ろうとする勢いで
並の人間程度の膂力ではまるで水中で大蛸に襲われるが如く、締め上げられる
そんな程度の力は有していた──
■オッド > 「……へぇ……」
拳が空を切る、男はその時、笑っていた。
遅い来る触手を避けようともしない、というより男は基本的に攻撃を避けない。自分の強度と膂力に自身があるというより、そうしていたから今のような強度を得たと言ったほうが正しい。
触手に絡め取られ圧せられ一旦は動きを止めるが。
「ふぅ~………即殺しにこねぇ……所詮は女か……」
締め付けられて絡め取られるも、結局それはあくまで拘束。普段はそのあとゆっくり甚振りでもするのだろうか?そんなことを考えながら、触手に絡められながらゆっくりとではあるがオーガ並の力で、ポケットからくしゃくしゃの煙草の箱を取り出し。マッチを擦り火を付けて。紫煙を吐き出しながら一歩一歩、ギリギリと触手を押しのけるようにただ前に歩き。
「ッ……ガッ!!?」
触手の拘束がまるで無いかのように、初撃と同じ右の拳を真っ直ぐ、女に向けて放つ。ただそれでも、触手がちぎれでもしない限りは、どうしても威力も速度も落ちるのだが。
■ヴァレリア >
触手で捉え、甚振り、凌辱し、死ぬまで弄ぶ
今回の相手はそうはせず、そのまま四肢を引き千切ってやろうとすら思っていた
「──っ…動、けるの…?」
四肢を触手に捉えられたまま、歩み寄る姿に、その赤い瞳を見開き驚愕する
距離が近づくにつれ、人間の匂いが伝わり…眼の前の存在がただの人間であることを──
…と、その匂いの中に何か、混じるものを感じた
「人間離れしてると思ったら、そういうコト、ね……──ッ!」
触手がギリギリと、男の腕を拘束し
少女は一歩、後ろへと下がり…、自身の手首を爪で掻き切った
おびただしい出血、はすぐに止まり、傷も塞がり消える
こぼれ落ちた血液が赤い氷のように固まって、その手に投げ槍のように握られ…
一息にその心臓を貫いてやろうとした、瞬間
「ッ──うあッ!?」
ブチブチと触手が引き千切られ、感覚を共有する自分自身に
まるで手足が引き千切られるような激痛が走る
否応なく、その動きは止まり、そして──
"ぐしゃっ"
男の拳はヴァレリアの顔面を捉え
殴り倒されるようにして、石畳へと這い蹲る
同時──触手の群れも赤い血の塊となって床に染みとなり、消えた
■オッド > 「ぁ゛?……なんか言ったか?」
そういうコトと言われても。本人はそのことを自覚はしていない。なので、殴った後にそれを問うのだが。
「……強ぇが……強ぇだけだな……まぁ、女だしな……選ばせてやる……」
最初と全く変わらない歩み、それも煙草を吸うことまで同じ。そのまま倒れた相手に馬乗りになるような姿勢を取れれば。
「敵として殴られ続けるか……餌として食われるかだ……」
そう言って、軽めにだが。もう一発顔に拳を入れようとするだろう、返事がなければ何発も返事が遅くてもだ。
そのまま殴られ続けるか、女として犯されるか選べ。そういうことを無理強いではなく、選ばせる。屈辱を与えようとかそういうことを考えているでもなく。自然にだ。
■ヴァレリア >
「げほっ…、あ……ッ」
涙で潤んだ真紅の瞳が男を見上げる
女は生粋の不死者である
無に帰すことはあっても、死ぬことはない
前者を選べば、本当に永遠に殴り続けられることにもなりかねなかった
「っひ…ぁ。な、殴らないで…!
えっちしたいなら、させてあげるからっ…ね…?」
拳を振りかぶる男にやや怯えたような表情を見せる
痛いことをされるのは嫌いではない変態女ではあった…が、男の迫力に気圧されたのだろう
■オッド > 実際のところ、単純な強さの数値のようなものがあれば、男が魔王クラスの吸血鬼に勝っているわけではない。おそらく精神的なものだ、攻撃を避けもせず、ダメージを与えても表情一つ変えずに攻撃してくる。全くダメージがないわけではないが相手は自分の攻撃がまるで通じていないと錯覚する。それ故の恐怖心が、戦意を鈍らせる。故に押し勝つ。そんな戦いだけを続けている獣がこの男だ。
「……させてあげる?」
返事が気に食わなかったのか、ゆっくり間を開けて数発拳を振り下ろす。本当に、痛みは有るみたいだが、何度全力で殴っても喋っているこの生き物に、笑みを浮かべながら、強めに。何度か、ゆっくりと、拳を振り下ろすのだ。
■ヴァレリア >
「やぁッ…もう殴らないで…っ」
必死に顔を守ろうとする女をキにするでもなく、拳が振り下ろされる
数度の殴打で、白い鋭く尖った牙がころりと転がった
「あ、貴方の、好きにして、いいから…ッ
なんでも、言うことだって、聞く…っ、か、ら……」
やがて嗚咽混じりに、涙声でそう訴えはじめる
もともと薄かった戦意は吸血鬼の牙と共に完全に折られたようだった
■オッド > 「…………はっ……」
涙声の訴えに拳が止まる。どこかつまらなさそうな顔をした数秒後、最後にもう一発というように拳を振り下ろせば。馬乗りから立ち上がり。
「飽きた……確か……拷問部屋……みてぇなとこがなかったか?……どうだ?」
暴力に飽きたならその後は性欲だとでも言わんばかりに、女を拘束できる場所、いくら叫んでも届かないような場所。それをその女本人に問いかけながら、その髪を乱暴につかみ、引きずるように有るき出そうとする。
■ヴァレリア >
「ひがッ…───っ、ウ…」
最後の一撃を受け、半分形の変わった顔のままに、髪を掴み上げられる
拷問部屋──
タナールの攻防戦において鹵獲された人間、魔族に対しての尋問や拷問に使われる部屋
確かにそれは在り、自分もそれを利用したことがあった
「…地下、ッ…地下、に…」
捕虜を捉えておく地下牢、その近くにそれはあるだろう
そして、男に無抵抗のまま引きずられてゆき──
■オッド > 「地下か……おい……歩け……」
自分で引きずっておきながらちゃんと有るけと命令する。そのまま、地下の部屋まで、髪を掴んで、問答無用で連行するのだろう。
■オッド > 【移動】
ご案内:「タナール砦」からオッドさんが去りました。
ご案内:「タナール砦」からヴァレリアさんが去りました。