2021/02/21 のログ
ご案内:「タナール砦」にヴァレリアさんが現れました。
ヴァレリア >  
暗闇に包まれた砦
灯りがあがっていない…ということは
十分に夜眼の通る…魔族が今は支配しているということ

「ぷー。期待はずれ」

砦の城塞に腰掛け、魔の眷属が彷徨く様子を眼下に眺め見る
吸血鬼の紅い瞳は闇に閉ざされていようと、実によく見えるのだが……

「ちょっと前まで人間が奪ってると思ったんだけどなー」

溜息一つ
最近、嗜虐的な欲求は十分に満たせたので
たまにはちゃんとした食事でも…と
魔族の力が十分に使える上に人がよくいるこの場所にやってきた
が……

「…魔族の血でもいっかなぁ……ウーン、でも人間のほうが美味しいし……」

ヴァレリア >  
「…あ、でもコッチ側が奪ってるってことは地下牢に人間いるかな…?」

はた、と気づいたように…
しかし、すぐに思い直る

地下に人間が捕まっていたとして
魔族に砦が奪われている現状、ただ捕まっているだけのわけはない
牢では魔族達のお楽しみにパーティー中、といったところかもしれない

「…残りモノから血をもらうのもなんだかなー」

普段だったら混ざって一緒に人間を虐めるのも嫌いではないが、
それは最近色々やってきたのでやや食傷気味
何かちょっとした、刺激が欲しかった

「──…今ここにいる魔族全部、血溜まりに変えちゃおうっかなー…そしたら飲み放題」

退屈を嫌うヴァンパイアの思考は、次第に暗く堕ちてゆく

ヴァレリア >  
今、砦にいる魔族すべてを飲み干せば…当分お腹は減らないだろう
味も大事だけど、量も大事──
眼下を見下ろす吸血鬼の赤い舌がぺろりと唇を舐める

──思い立ったならば、行動は早かった
城塞じみた砦の外郭、少女が腰を下ろすそこから、いくつもの血の線が砦の壁を這うようにして走った──
それはやがて地につけば、ねっとりと淀んだ赤黒い蛇となり…
鎌首を擡げ、その赤い牙で以て魔族達の首へと、次々に喰いついてゆく

悲鳴があがり、場は騒然となる
食い破り、咀嚼し、赤黒い蛇は喰らった魔族の血肉によって肥大化し、次の獲物を狙う
砦のあちこちで、そんな凄惨な光景が繰り広げられた

ヴァレリア >  
一匹のまるまると太った血液の蛇が城塞を這い登り、
ヴァレリアの脚へ、そして胴を経て、白く細い腕へと巻き付いた

「──おかえり」

柔らかな笑みを浮かべ…その蛇を一撫でして…
ずるり、と自らの身体へと取り込んだ
わざわざ牙を突き立てて飲むならば、美味な血に限る

「んー…雑味も強いし。美味しくない」

今宵はとりあえずお腹が膨れればいいか…といった、適当な食事である
砦の中では未だ、放った赤黒い蛇達が魔族を襲いまわり、血を集めていた

ヴァレリア >  
「…スゴい親玉でもいるかと思ったけど。砦が落ちたあとじゃこんなモノかな……」

順調に"食事"が進む
人間と魔族の争いで砦のあちこちに残った血痕や血溜まりすら、
その赤黒い蛇は吸収し、肥え太ってゆく

「…砦のお掃除にもなるし、たまに来てあげよっかなあ…?」

眼下で繰り広げられる惨劇を眺め、嗤う
否、惨劇なんてとんでもない
普段から此処で繰り広げられている奪りあいのほうがよほどの惨劇
その上、無駄な血まで流すなんて、実に勿体ない

少しずつ、少しずつ砦は静かになってゆく
魔族や魔物…数名は逃げただろうか
比較的出入り口に近いものは、魔族の国側へと逃げられたかもしれない

「……うん。次は最初に出入り口を塞ごう」

砦内の壁と血痕が、赤黒い蛇が這いながら少女の元へと吸い寄せられるように
当分、これで食事はしなくても良さそうだ
…自身の欲求を満たす行動は、別として

ご案内:「タナール砦」にオッドさんが現れました。
オッド > 砦の頂上に登ってくる階段。その方向から足音が響く。男は咥えていた煙草にマッチで火を付け。その後片手は煙草、片手はポケットに突っ込んだまま。階段を上がってくる。

「フ~……んだ?……魔族の奴ら、急に減ってきてねぇか?」

砦が魔族に占領された。フリーの傭兵としてその情報を受けた男は、日を改めての奪還ではなく、その日のうちに単独で砦に居るであろう魔族と存分に争うために此処を訪れていた。砦についてから数人の魔族を殴り飛ばした後にどんどんと彼らが撤退していく。自分に恐れを成して、と考えるのは簡単だが、どうも違う雰囲気だ。なので結局、いくらかの返り血を浴びた程度で、さほど障害もなくそこへと登ってくることになったのだが。