2020/10/11 のログ
ご案内:「タナール砦」にゼロさんが現れました。
■ゼロ > 魔族が蔓延るタナール砦、人間が、魔族がこの場所を奪い合う場所にあり、第七師団の居るべき土地。
魔族に奪われたという情報が流れてきて、それを取り返すために第七師団は動く。そして、その先鋒として、強襲部隊というのは有るのだ。
他の部隊が隊を整えて、攻め込む前に、先に入り、一体でも、魔族を刈り取る。それが、第一強襲部隊だと、少年は認識する。
誰よりも早く、魔族が支配するタナールへと駆け込み、両のナイフを駆使して、魔族を屠る。
鉄の槍は、今は置いてきている、理由は簡単で、砦の外であれば有効だが、狭い砦の中では取り回しに難がある、それならば、少年の両手のナイフに、体術での殲滅の方がずっと早い。
一体の首を切り落とし、その首を蹴り飛ばして別の個体にぶつけ、そのまま、全身の鎧の重量を、加速度と共に体当たりして吹き飛ばす。
暴風の様な暴れよう、逃げようにも砦の細い通路では後ろに逃げるしかなく、其れであれば、少年の、人外の速度は、真っすぐ動くだけで暴力と化す。
入り口を制圧、通路を制圧、部屋を制圧―――。
少年一人ではなく、部隊の仲間もいるとは言え、砦の中はものすごい勢いで、取り返されていく。
それも、今はこの砦に、この場所に、指揮官クラスの強者は居ないから。
魔族の雑兵では、対魔師団の第七を止めることは出来ない。
ナイフを振るい、更に一体、刈り倒し、少年は、周囲をうかがう。
白い仮面は、少年に魔力の流れを、魔族の存在を、教えてくれるから。
■ゼロ > (……一体、二体……三体……。一体減った。)
仮面は、古代遺跡で手に入れた謎の仮面、自分が判るのは、装備している間、己の生命力を賦活させてくれて、鎧の生命力回復と同時に使えば、普通では直ぐに崩壊する体の崩壊を抑え、生き延びて戦える。
それは恐らく―――自分を作り上げた国の望んでいた成果に近づいたと言えるのだろう、今となれば、どうでも良い事と思える。
それともう一つ、仮面は周囲の魔力を感知し、それを視覚化してくれる。仮面の内側は、自分の目で見ていると同じような風景が見えるのだ。
同じような、ではない、もっと詳細に、闇の中でも普通に見えるし、魔力の流れなども見えるようになっている。
だから、少年は魔族などの発見が早いし、幻術などに惑わされなくなっている。
便利だから、身に着けているそれ。
他の仲間も、百戦錬磨の戦士であり、立ちどころに、魔族を屠っていっているのだ、見落としがないかどうかを確認するため。
少年は砦の中を進みはじめる、石畳を踏みしめ、進めば周囲の状況は確認できている。
之ならば、本隊が来る前に掃討が終わるだろう、本隊は次の部隊が来るまでの間の防衛に注力できるはずだ。
「――――。」
軽く息を吐き出しつつ、少年は、魔族の国の方面の出入り口の方に進む。
相当できたと油断するときが一番危ないのだ、此処を狙うのは、狡い魔族であれば考える事だ。
だから、部隊の仲間に軽く声を掛けて、少年は、魔族の国方面の門へと、移動する。
■ゼロ > 少年は、静かに進み、そして、魔族の国方面の門へと立つ。本来はここには魔族が来れないようにと、門が閉じられている筈だがそれは砕かれている。
だからこそ攻め落とされているのだろう、本隊が来れば、本国からの救援が来れば、此処の門を再度直すのだろう。
何故ならば、まずはここが一番最初の守りになるから。
今はそれを気にしても仕方がない事だ、今気にするべきことは、この後何かが来るかどうか。
仮面の力を使っても捉えられないという事もある、ならば、此処に立つのは、基本的に言えば、少年の感でしかない。
守りが必要なのは確かだから、少年はここにいることにする。
「―――。」
何処か、何か、違和感を覚える。
その違和感が、何か、というのが出てこない、それは、死だ。
此処は戦場だ、余計は、死を招く。
思考を止めて、少年は息を吐き、平静に、沈着していく。
本隊が来るまでの間、少年は、静かに、この場を守るのだった―――
ご案内:「タナール砦」からゼロさんが去りました。