2020/09/22 のログ
ご案内:「タナール砦」にグレンダさんが現れました。
■グレンダ > タナール砦
人と魔族の国の境界線上に位置するその砦は両種族において軍事上の重要拠点であり、今日もまた土煙と激しい金属音を巻き上げ、戦いが行われていた。
「いいねぇ……相変わらず激しくやってくれてる。これは来た甲斐があるってものさね」
人類側、騎士団と冒険者による連合軍が砦の奪還に成功し今は防衛戦を行っているという話が王都へ伝えられたのが1週間程前の話。
そこから砦を攻める魔族軍を挟み撃ちにするための強襲部隊が急遽編成され、女もそれに参加しこの戦場へと赴いた。
「じゃあボチボチ…始めるとかするかい」
遠目に見える砦とそれを囲む魔族達の姿を見て走り出す女。
ワイバーン類の翼膜から作られたピッタリとした革鎧のみを纏い、背中には身の程もある大剣、腰にクロスさせるように巻かれたベルトには無数の直剣と短剣が提げられたその姿は重厚な甲冑に身を固めた兵の中では異質であったが本人はそれを気にする様子もない。
それもそのはず、女は国を守る為でも金を得る為でもなく別の目的で戦いに参加していた。
「ーーおっりゃあぁ!」
背負い投げるようにして大剣を前方へと叩き付ければこちらに気付いて盾を構えた魔族の兵士がガード諸共吹き飛び、倒れる
「なんだ、この程度かい?せっかくいっぱい新作を持ってきたんだ。もうちょっとテストさせてくれてもいいじゃないか?」
口元に笑みを浮かべ、今度は腰元から長短二本の剣を引き抜いた女はそう言うと一人魔族達へと突っ込んでいく。
ご案内:「タナール砦」にフォールさんが現れました。
■フォール > 普段は人に紛れて貴族をやってもいるが、やはり本質は魔族である男。
偶には人間相手に暴れるのも良いかと戯れに攻城戦に混じり遊んでいれば、変わる戦場の空気。
どうにも背後から強襲部隊が来ているようで男は前線から下がりそちらへと向かう。
行った先には背後からの郷愁に浮足立ちながらも戦う魔族たち。
その中でも賑やかな一角に目を向ければ軽装の赤が身の女が盾を構えた魔族を軽々と吹き飛ばしている所であった。
兜の下、愉しそうに笑いながら男はやや離れた場所からお返しとばかりに、新たな獲物を見つけ突っかかっていく女に向けこちらに向かっていた騎士を巻き込む様にスパイクメイスを振りぬく。
「ふんっ!!!」
金属鎧と先端のハンマーヘッドがぶつかり生まれる金属音の後に男の膂力でもって騎士を弾き飛ばし女の進む方向に向け騎士が吹き飛んでいく。
吹き飛んでいく兵士は空を舞い、赤毛の女が気づかず一直線に魔族に向かえばぶつかる軌跡を描いていた。
■グレンダ > 「ほらほら、何してるんだい?もっと来てくれないとテストにならんだろうさ」
ゴチャゴチャと密集した敵陣の中、装備の重さ等気にする様子もなく女は駆けていく。無差別に振るわれる剣は容易に鎧を貫き、槍を圧し折り矢を叩き落す。このまま敵陣を付き崩さんとさらなる前進を試みようとした瞬間、ゾワリとその肌が悪寒を感じ逆立った。
「ーーッッ!?」
瞬時に全身に魔力が吹き上がり身体は熱と炎を帯びる。背中の大剣を引き抜いて地面に突き刺した次の瞬間、さっきまで盾を携えた騎士だった金属の塊が轟音と衝撃を伴って剣へと激突して。
手を痺れされる痛みに顔をしかめながら大剣を引き抜けば、先ほどの騎士が飛んできた先には巨躯に見合ったハンマーを振るう男の姿が見えた。
「ッッ……くぅぅ…耐久面は問題無さそうさね、ついでに切れ味のテストも付き合ってくれるかい?」
軽く手首を回しながら再び大剣を構えると女は大男に向け軽い口を叩いて。
■フォール > 赤毛の女に向け騎士を吹き飛ばした後、男の体躯に腰を引きながらも向かってくる冒険者の頭を開いた手で無造作に掴み、頭蓋事握り潰せば鈍い水音が響き、震える体。
そんな事をしながら女が砲弾に気づき足を止めると同時に吹き上がる魔力と生み出される炎と熱。
大剣を大地に突き刺し防ぐ反応を見れば甲冑の舌で男は愉しそうに笑う。
大剣によって防がれた砲弾はまだ生きていたのか悲鳴を上げながら進行方向を変えて喧騒の中へと消えていく。
今頃は踏まれて死んでいるか数人の人や魔族を巻き込んでいる頃であろうが、興味はなく。
「刃こぼれしたり折れても、泣かないと約束するなら、元気のいいお嬢ちゃんに付き合ってやろう。」
甲冑の男はくぐもった声を響かせながらそんな軽口を返し、掴んでいた冒険者の死体をこちらに向かって駆けだそうとした騎士に無造作に放り投げ機先を制してから、
巨大なスパイクメイスの柄の中央を片手で手繰りぐるん、ぐるんっと回し始める。
一回転毎に速度を増し、重いハンマーヘッドが空気を潰し引き裂きながら重い音を響かせる。
ご案内:「タナール砦」にグレンダさんが現れました。
■グレンダ > 「ハッ、こちとら鍛冶屋だよ。折れるのと刃こぼれも上等さ、やってみなよ」
そう吐き捨てるとジリジリとこちらからも距離を縮めていく。
(まるで大型の魔獣さね…)
死体を投げ回し、一撃必殺のハンマーを構える男はもはや人というより獣と対峙するようなプレッシャーであり、本能的な危機感や恐怖を感じ取ったのかいつの間にか敵味方共に二人の合間から距離を取って戦場には奇妙な空間が発生していた。
「らあああっっッ!」
緊迫感が戦場内に飽和した次の瞬間、女はもは強く地面を蹴ると大剣を腰に構えて男へと肉薄する。そのまま力強く踏み出せば胴を払う横凪を放って見せて。
■フォール > 「ふふ。 そうか。 では掛かってくるといい。 楽しませてくれよ?」
じりじりと距離を詰めてくる相手に男はスパイクハンマーを片手で操り円弧を描きながら先端の速度を増しながら巨躯に見合った大きな一歩で女と距離を詰める男は威風堂々としたもので、
体躯以上の威圧感を周囲に与える。
まるでコロシアムの円形リングの様にできた空間の中長身が女を見下ろすと、力強く踏み出し道を払う横凪を繰り出す相手。
ただひたすらに壊れない丈夫さだけを追求した男の武器。
片手で手繰っていた手を添えその横凪を邪魔する様に柄を滑らせ、先端のハンマーを振り下ろしていく。
「むぅぅん!!」
鎧をミチリ─と男の分厚い筋肉が膨らみ生み出す単純な力。
大剣を柄で受ければぎゃりぎゃりと、けたたましい金属音と火花を生みながら柄は刃の上を滑り、
女の膂力でもって僅かに押し込まれながらも、男の武器のハンマーヘッドが女の肩口に向けゴウッと音をたて振り下ろされていく。
■グレンダ > 全身を撚る様に繰り出された一撃はうち下ろされた柄とぶつかり、聞くに耐えない音を立てながら火花を散らす。
男の膂力と女の膂力がぶつかり合い、お互いの攻撃の軌道は僅かに逸れる。しかし鎖の先についたスパイクハンマー、男が持つ武器の本体はこの程度では止まらない。
逸らされた柄を巧みに動かし、大質量を持つ棘の塊は女の身体目掛けて落下していく。
「クソッ、嫌な武器だねぇ……!」
悪態を吐きながら女が左手で取り出したのは片手剣程のサイズの槍、それは魔力を込めると3倍ほどの長さへと伸びる伸縮性の仕込み槍であって、その槍を犠牲に鎖部を絡めとって攻撃の無力化を試みる。
■フォール > 手に大剣と柄のぶつかり滑る振動。
互いの膂力で軌道が僅かにそれていくが、
柄の先についた鎖は慣性の力を得たまま弧を描き落下していく。
「面白い武器と言ってくれ!」
等と軽口を交わしながら女を見ていれば左手を使から離し片手剣サイズの槍。
其れが女の手の中で伸び鎖に絡みつけば棘の塊はぐるんっと槍を絡め取りながら軌道が変わり赤毛の女の顔の横を通り過ぎ、男の胸へと向かってくる。
「良い反応だぁぁぁ!!」
至近でのやり取り、男は躊躇なく片手を離し大剣を握る右手、左手で槍を絡め取った結果開かれた胸めがけて、突き出される拳。
それを繰り出す男は膝を軽く沈め、体を前に倒しながら女の頭程もある大きな握り拳に体重を乗せ突き出されたが、男の胸に当たるハンマーの衝撃で僅かに弱くなるものの、受ければ女の体を壊す勢いをもっている。
ご案内:「タナール砦」からグレンダさんが去りました。
■フォール > 「中断いたします」
ご案内:「タナール砦」からフォールさんが去りました。