2020/09/07 のログ
タマモ > 覗いて良し、弄って嬲って良し、更に湧き上がる陰気を吸収出来る。
悦楽に、力の吸収、一石二鳥の呪法だ。
しかも、これだけの数が居れば、飽きる事も早々なかろう。

普段の少女であれば、こんな目立ち過ぎる事はしない。
かと言って、時折現れる、内に眠る存在でもない。
その二者を知る者が見れば、そこに違和感を覚えるだろう。
片方しか知らぬ者でも、それは同様であろうが。

「………?…おや、何人か、精尽きたか。
情けないのぅ…まぁ、数はまだ十分じゃ、良かろう」

不意に、ぽつりと、そんな言葉を漏らす少女。
その言葉の意味は、勘の鋭い者ならば、察しれるだろうか。

タナール砦で起こしている、この異変。
それが効かないのは、そもそも睡眠が不要な者か、この呪法が発動した後に、この砦に入って来た者。
睡魔の香と、夢現の刻、さすがにこの広範囲、二つ同時に使うのは面倒だったのだ。

とは言え、偶然に砦から離れていた者、今更やって来る者、そんな者達が居るかどうか。
そうした者達が居れば、少女は面倒な対処を迫られるだろう。

タマモ > ここに居るのが誰であろうと、少女にとっては標的となる。
男であれ女であれ、線が細かろうと、筋肉隆々だろうと。
更に言えば、攻め手であれ、受け手であれでもだ。
性の対象となるべきものがあれば、相手を選ばない。
あれが駄目、これが駄目、そんなもったいない事を、少女は考えないし、考えるつもりはない。
そんなもの、人生の半分以上を損しているではないか、と。
…いや、己は人ではないが。

まぁ、そあるからこそ、であろう。
こんな手法なのだ、この少女でなければ、ここまでの効果は出せない呪法だ。

「ふむ…いやはや、思った以上の収獲じゃ。
この調子で、もっともっと、妾に力を寄越すが良かろうて」

上機嫌の少女は、うむ、と頷き、力を解放し続けている。
初動の消費は大きい力だが、吸収量がそれを上回れば、後は精尽きるまで吸い続ければ良い。
すでに消費した分を取り戻し、後は増えてゆくだけの状況。
ゆっくりと、楽しみつつ、力を得させて貰うとしよう。

タマモ > こうして、少女は満足するまで楽しみ、力を得、去って行くのだ。
その後に残るのは、精根尽き果てた者達。
しかし、その表情は、どこから晴々としていたとかどうとか。
まぁ、心深くある欲求の一つを、夢の中とは言え果たしたのだ、そんなものだろう。
………一部、改変させたのは秘密だが。

そして、その後、この砦はあっさりと奪われる。
当然だ、力のほとんどを持っていかれ、そこを突かれる形となるのだから。

ただ、誰もがその理由を、原因を、理解出来ていなかった。
探ろうとも、それを探り当てる事も出来なかった。
その事実を知る者は、少女ただ一人。

ご案内:「タナール砦」からタマモさんが去りました。
ご案内:「タナール砦」に燈篭さんが現れました。