2020/07/09 のログ
ご案内:「タナール砦」にシュティレさんが現れました。
シュティレ > タナール砦は、何時も奪い、奪われしている常時戦場と言われる場所です、今はヒトが勝利をして、此処を闊歩している状態にあります。
私はそんな砦の中―――と言うには語弊があるでしょう、屋上に在る物御台、その隠し部屋の中で、座っています。
別に誰かに捕らわれたという訳ではありません、ただ、偶然見つけてしまったので、其処に入ったというのが正しいのでしょう、この場所は何度も壊され、修復され、奪い、奪われしている場所なので、何時しか誰もが判らなくなる場所と言うのも、出てくるものです。
その証左に座っている私には、哀れなヒトの死体が転がっているのです、それも、肉すらなくなり、骨だけになったヒトの死体。
無念だったのか、それとも勇敢に戦い、満足だったのか、それは、私には把握できませんが、其処に、死体があるという事実は間違いありません。
その白骨死体の脇で腰を下ろして、窓―――なのでしょう、何らかの魔法的な処置がされているこれは、中から外が見えて、外から中は見えないという面白い窓。
これがあるから、私はこの場所に気が付いたのです、入り込むときは体を霧にして滑り込んだのです、中をよく見れば、巧妙に隠された扉があることが判ります。出る時はこの扉を開けばいいでしょう。
静かな場所は好きです、思いを馳せることができるので、この場所は秘密の場所にして、遊びに来るのがいいのかもしれません。
しかし、懸念が一つ。

最初にも言いましたが奪い奪われしている戦場です、この砦。
今も魔族の軍が近づいているのが判ります、ヒトは普段よりは少ないです、理由は―――知りませんが、少ないのです。
どうしたものでしょう、彼らから言えば私は魔族ですし、魔族から言えば、味方となるのでしょうか?
私自身は彼らのこと知りませんし、どうでも良いのです。敵対する理由も、味方する理由もありません。
ヒトに関しても同じことが言えます、とはいえ、このまま放置すると、この静かな場所がなくなってしまいそうで。

―――私は懸念してます、このまま放置すれば戦闘が起こり、煩くなることは、必然なので。

シュティレ > 悩んでいる間にも、魔族の軍はタナールの砦に近づいてきております、此処を落とせば王国に対する前線基地になるのですから、当然でしょう。
王国としても、此処が前線基地であり、魔族の国に進行するための拠点、とは言っても、蝙蝠たちを放ち、砦の中を確認してみましたが、本当に弱兵しかいません。何かの考えがあるのでしょうか、私には、判りません。
守る気がない様子の砦、そして、進攻してくる魔族。
私は静かな方がいいのです、静かな場所で、友人と、楽しくお茶を酌み交わして、静かにお話がしたいです。

私の友人と言える人は。ヒトの国に、魔族の国に。

「―――そうですね。」

決めました、私は、このまま見てることにしましょう。気が向いたときに、気が向いた方に手を差し伸べる。
考えてみれば弱兵しかいなければそれは蹂躙されて終わる―――つまり、直ぐに終わるという事でしょう、なら、少しだけ我慢をすればいいだけ。
知り合いがいれば、知り合いと、此処でお茶をしている間に終わっていた、と言う程度のものです。
万が一、この場所にたどり着き、そして、声を掛けてくださるなら、その時、その人に力を貸す、それも面白いでしょう。
なれば、良いでしょう。
私はこの狭い空間に<領域>を作り上げました、之で、ここに来ることができるのは、<領域>を潜る力のある人のみ、その意志を持つ存在だけ。
そして、領域は、私の世界となるので私は、テーブルとイスを作り上げて、紅茶を入れましょう。そうですね、其処で悲しく寝ているヒト。
彼を蘇らせて、お茶を入れてもらいましょう。そう決めれば、死んでいた白骨死体が立ち上がり、スケルトンとなり、恭しくお茶の準備を始めるのです。

お茶をしながら、この状況を、見守りましょう。