2020/04/19 のログ
ご案内:「タナール砦」にアルヴィンさんが現れました。
ご案内:「タナール砦」からアルヴィンさんが去りました。
ご案内:「タナール砦」にアルヴィンさんが現れました。
アルヴィン > 長い列が、砦へと向かいゆく。
それは、糧食や物資を積んだ荷馬車と、その護衛による軍列だった。
王都から砦へと至る街道を、夜を徹して軍列は征く。
魔族との闘いの最前線。
そこは、夥しく物資が消費される地だった。

武器、弾薬、糧食、医薬品、そして…命。

今宵もまた、消費され、浪費されるやもしれぬ地へと、軍列は数多の物資を運び征く。

騎士の姿は、その隊列の中ほどにあった。
黒鹿毛の軍馬をゆるりと歩ませ、荷駄の護衛にあたる騎士。

夜の闇のその向こうに、砦の篝火が燃えていた…。

アルヴィン > 軍馬の鬣を撫して宥め、そして労う。
黒鹿毛の悍馬は、深夜にまでわたった行軍をもものともせず、騎士を背にして逸ってみせる。
騎士はそんな愛馬に苦笑を零し、行き足の遅くなりがちな軍列に足並みを揃えさせるに苦労するほどであった。

隊列の先頭からは、そろそろ目的地だと、気を緩めるなとの叱咤が届く。

「…もうすぐだな」

騎士はそう、愛馬へと囁いた。
意気軒昂、とばかりに悍馬は首を振り鼻を鳴らす。

まだまだ、こんなものではない。もっと走らせろとばかりの、そんな様子にまた騎士は微笑んだ。
そっと鬣を撫でてやる。
砦の松明は、先刻よりもずっと大きく迫っていた。

アルヴィン > 魔族との緊張、常に張り詰める砦へと、軍列はいよいよ辿り着いた。
跳ね橋が降ろされ、軍列は砦へと。
陸続として荷馬車は砦に飲み込まれてゆく。

隊列の半ばに位置していた騎士もまた、やがて砦の中へと飲み込まれることになる。

明日には、王都まで戻っていねばならぬ。
深夜の到着であろうと、明朝の出立は否応もなく早いということになろう。
せめて今宵は、襲撃のないことを祈らねばならぬ。
そう、騎士は己の胸に独り言ち、聳える砦の外壁を見上げてゆく…。

ご案内:「タナール砦」からアルヴィンさんが去りました。