2020/04/04 のログ
シロナ > 「次は~。」

 何だったっけな、と少女は配達票を眺める、荷物は此処行きの物を集められているので、この場所で間違いは無いだろう。問題は誰かと言う所になるのだ。
 兵士の人なのか、それとも此処に傭兵に来ている人なのかそれとも、また別の人なのか―――。
 配達票を見て、今度はこの人か、と少女は砦の中を進むのだ。
 配達票を片手に右にフラフラ、左にフラフラ、目的の人が見つからない、邪魔な妖魔とか魔族に対しては、ドラゴンぱーんちや、ドラゴンきーっくとか、が炸裂する。
 どこにいるんだろう、少女はきょろきょろ見まわして、首を傾ぐ。

「あ、もしかして。」

 城の中に居ないのならば、城の外―――今襲撃している真っ最中の北の方の門。
 魔族の国の方角の入口そっちに居るのではないだろうか、もしくはその周囲。
 そう考えたから。窓は小さいので、取りあえず屋上まで出てみると、人間魔族が入り乱れて戦って居るのが見える。
 土煙とかが多くて、此処からじゃよく見えないなぁ、と少女は考えて。

「やっっぱり、近くに行くしかないかー。」

 言葉に反して、少女は嬉しそうに笑って。
 とやー、と気軽に屋上から飛び降りるのだった。

シロナ > どずん。

 少女が飛び降りて、地面に着地した音が物凄いことになった、鋼鉄のでっかい箱を背負って居るのだから、仕方のない事だろう。
 そして、その音が戦場を一瞬静かにさせてしまった、此方を見る兵士に魔族、何事が起きたのか、とまじまじ見ているのが見える。
 目的の人物は―――いた。

「あー!ジョイネットさん、見っけた!クストースさんからの荷物ですよー。と、トゥルネソル商会のドラゴン急便でーす。」

 なんでこのタイミングとか、そんな風に言いたそうなジョイネットさん、戸惑っている魔族。
 あ、ちょっとだけ待ってくださいねー、と和やかに言いながら、ジョイネットさんの荷物を鉄の箱から取り出して、渡すのだ。
 中身は何かは解らない、まあ、それは届ける少女の管轄外ですから。
 僥倖なのは今、どちらにも指揮官とか隊長と仮想いうのが居ない事、居たら、今頃戦えとか叫んでるに違いない。
 荷物の受け渡しとサインをもらって、じゃあ、続きをどうぞ―と、少女は手を振って戦場から砦の中へと。

「えっと次はー。」

 三枚目の配達票を取り出し、少女は、誰だろな、と眺める。

シロナ > 「次は、この人かー。」

 少女は、軽く呟いて、その場所を眺める。多分あそこに居るのだろうと思うので、其処に行けばいいや、という気軽な感じ。
 そして、そのままずんずん少女は進んでいき、去っていくのである。
 運がいいのか、悪いのか、少女が全力を持って相対するような敵は今回はいなかったらしい。
 逆に言えば、少女が興味を引くような人物もまた、居なかったという事になるのだ。

 本人的には、ちょっと残念無念、とそんな風に呟きながら、お手伝いを終わらせて、戻っていくのであった―――

ご案内:「タナール砦」からシロナさんが去りました。