2020/04/03 のログ
■キリエ > 「ああ、くそしまらねぇや」
煙草は一本だけしかなかった。
この戦場の真っ只中で煙草をくれるものと偶然めぐり合うと考えるのは甘いと言わざるをえないであろう。
女は頭を欠くと、ぼんやりと天井を見上げたのだった。
ご案内:「タナール砦」からキリエさんが去りました。
ご案内:「タナール砦」にシロナさんが現れました。
■シロナ > 魔族人族相争う前線基地、タナール砦、今日も絶賛戦闘中の模様、其処に、一人の少女がやって来るのだ、身長は大きく鳴く150センチ弱、しかし、その右手には、身長の1.5倍はあろうかというハルバートを持っている少女。
格好は、レザージャケットにレザーパンツという姿は、冒険者にも見えなくはないが前線基地に来るには軽装すぎるようにも思える。
髪の毛は雪のように白く、短髪でその瞳は紅玉のような緋さをもっている、肌は褐色であり、南国に生まれたイメージが浮かぼうか。
その少女は、背中に大きな大きな鉄の箱を背負っていた。魔法を使っているのかと思われるぐらいの大きさであった。
「こんにちはー!!ドラゴン急便で―す。」
今日は、少女は家の手伝いをしていた、本来はラファル叔母が行くはずだったのだが、気分じゃなかったのかどっかに遊びに行っていた。
捕まえることが不可能な場所に逃げたらしい、そして、偶々手が空いていて近くに居た少女、あまり街から出ないので、どこか遠くに行ける!と全力で志願した。
その結果、見事にお手伝いを勝ち取ったのである。
この、タナール砦は危険な場所だとは聞いているけれど、少女はワクワクした様子でやって来たのだ。
一人二人分の荷物では無いので、もそもそ、とポケットから配達票を眺める、数人分をいっぺんに運んできたので、一人ずつ私に行かねばならないのだ。
「最初の一人は誰かなっ。」
最初の大声で、人族魔族の注目を浴びている少女、その視線や敵意に対して、気にした様子啼く、砦の入口に足を運ぶのであった。
■シロナ > 「ふむふむ、ふむむ。」
一人目は、兵士さんらしい、家族の人がお弁当を届けたいとの事である、兵士の名前とその人相を書いた紙を手に、少女は門をくぐるのだけれども、丁度オークがそこに居た、兵士の一人と切り結んでいるのが見えた。
そして、幸運か不運か、その兵士こそ、少女が今お弁当を届けに来た兵士の様で、劣勢だった模様。こういう時は―――。
確か、おとどけの邪魔になる魔獣とかそういうのは蹴散らしてOKだったはずだ。少女はワクワクした様子で、紅玉の双眸で、オークを見ることにする、流石に此処ではハルバートは振り回せないので、魔法でしゅるんと異空間にハルバートをナイナイする。
ずん、と震脚で地面を踏みしめれば、石畳がびしりと砕けて、その勢いでオークにとびかかる、あ、背中の荷物と思ったけど、踏み込みは急には止まれない。
そのまま弾丸のようにオークの首根っこを掴んで、兵士から引き離すように持って行く。彼に被害があったら元も子もないので。
そして、反対側の壁に向かい勢いよく投げつける。オークの巨体が宙を舞い、他の魔族を巻き込みながらぶつかっていくのだ、其処で終わる少女ではない。
しなやかな足はさらに地面をけり、加速し、壁に激突したオークなどの一団にとびかかる。
少女の体格は大きいとは言えないが、勢いと、背中に背負った鉄の箱+中身の重量、十分な質量兵器となってオークたちを押しつぶす。
「ふふーん!」
凄惨な惨状となった壁、その近くで血塗れて勝ち誇る少女という物凄い絵面、気にした様子もなくクルリと、向き直って。
「トゥルネソルのドラゴン急便でーす。マイクさんですよね?はい、ご家族からの御届け物でっ!サインお願いします!」
受け取りサインお願いしまーす。
血まみれ少女はにこやかに、羽ペンと、サインをするための紙を兵士に差し出した。兵士さん、顔が引きつってますがサインしてくれたので、よしゃつぎー!と、砦の中を進む。