2020/02/27 のログ
■タマモ > 「………うん?」
何人目の相手だろう?足を払い、投げ飛ばしたところで、ぴくん、と耳が揺れる。
次の瞬間、少女が居た場所に、魔法の雨が降り注いだ。
それを放つ魔術師の瞳には、確かに、少女への魔法の的中を確認出来た。
しかし…
「ふふ…惜しかったのぅ?」
その声は、背後から聞こえた。
そして、その魔術師の意識は暗転する。
もしそれを見た者が居るならば、魔法が当たった少女の姿が掻き消え、魔術師の背後に姿を現わし、その頭を鷲掴みにし、地面に叩き付けた光景が見えるだろう。
「百八が二つ、陽炎に、追の神楽落とし…まぁ、聞こえておらんじゃろうがな。
まったく、危険極まりないものじゃ。
か弱き女子に、使う力ではないぞ?ん?
まぁ、お陰で距離は稼げた、礼は言おう」
ぱんぱんっ、と立ち上がり、手を叩く少女。
付近に居た、他の魔術師達のざわめきを聞き流しながら、くすくすと笑う。
「さて、他の者達は、魔法とやらを使うか?
良いぞ?この者と、同じ運命を辿りたければのぅ」
そう言い放てば、周囲の戸惑いを気にした風もなく、歩き出す。
魔術師達が居るのは後衛、戦場内でも砦の近く、抜けるのはもうすぐだ。
■タマモ > 近接戦闘も駄目、遠距離攻撃も駄目、魔法も駄目。
つまらなさそうに、ゆらゆらと尻尾を揺らし、のんびりと歩む少女。
この少女を注視している者が居たならば、その攻略法に悩むところだろう。
「この程度で、勇む足を止めるようでは、な。
………理解したか?したならば、道を開けよ。
邪魔をしなければ、見逃してやろう」
歩みながら、言葉を紡ぐ。
その声は、周囲に聞こえる程度のものだが、それで十分だ。
砦の到達まで、後少し。
そこまで行ければ、後はそう掛かる事もない。
背後では、まだ戦は終わっていないが、このまま行ければ、己の邪魔を出来る事もそうないだろう。
戸惑う者達をよそに、たんっ、と地面を蹴った。
網の目を潜るように、残る者達の隙間を縫って駆け抜ける。
その動きに対応出来る様子は、見受けられない。
何の対応も出来ぬまま、少女は砦へと到達して。
更に地面を蹴り、扉を越えて舞い上がる。
そのまま、少女の姿は砦の中へと消えて行った。
その後、この砦での結末は…さて、どうなったのやら。
ご案内:「タナール砦」からタマモさんが去りました。