2020/01/28 のログ
ご案内:「タナール砦」にデッドマンズさんが現れました。
■デッドマンズ > 死は蔓延する。
命の価値が安いのであれば、死者の数も増える。
死者の数が増えるのであれば、蠢く屍鬼の数も同様に。
タナール砦を占拠しているのは今どちらの軍勢なのかは、今現在に限れば大きな問題ではなくなっていた。
人間と魔族、人間が連れてきた奴隷、魔族が率いた魔物、その他大勢の混合軍が砦を包囲しているのだ。
ただし包囲しているのは皆一様に体の何処かが欠けていたり、零れていたり、曲がり、歪んでいたり。目には光はなく、そもそも目が無い者までいる。臓腑が、骨が覗いている者も。
どう見ても死んでいて、実際死んでいる。けれども死が終わりにならず、死んだ後に死んだままに活動を再開してしまった者共が群れ成す死者の軍勢。
がりがりと城壁を爪が剥げ指が折れても引っ搔き、扉を死してタガが外れた事による自壊を問題視しない膂力で叩き突破を試み、死者の上に死者が乗り積み重なって無理矢理窓や屋上から侵入を試みたりする者も様々だ。
幸い動きが緩慢な者が多いために迎撃自体は容易であり、砦に侵入させまいと籠城する人間または魔族の軍が登ろうとする死者、扉を破ろうとする屍鬼を砦の迎撃兵器や長槍や魔術等接近せずに遠距離から追い返すことで何とか侵入を阻止できている。
ただ、数は減らない。寧ろ伝染病の如く、次々と地に転がる死人が起き上がり、長期戦の疲れからか槍を掴まれ死者の群れへと引きずり降ろされて死と共に仲間に加えられる者もいて、増えていく一方。
砦に押入られれば中にいる者の命は雌以外保証されず、雌に至ってはいっそ死の方がましな死者の花嫁として凌辱される羽目になる。
かといってこの包囲の外、援軍として駆けつける場合は砦に篭るよりも危険が伴う。
ご都合主義に、文字通り一騎当千、死者が何百何千と束になろうと一蹴できるだけの猛将でも駆けつけるのでもなければ生者と死者の境界となっている砦が陥落するのは時間の問題であろう。
■デッドマンズ > やがて、扉が、門が殺到する屍者の群れにより押し潰される。
雪崩れ込む屍者達を止める事は最早叶わず、雄は死者の仲間入りを果たし、雌達は欲望の限界の制限が取り外された精の捌け口として穢され、次の軍が砦を取り戻す時には肉体的に死した者か精神的に死してしまった者しかいない死が満ちた空間だけが取り残されることに。
ご案内:「タナール砦」からデッドマンズさんが去りました。
ご案内:「タナール砦」にシュティレさんが現れました。
■シュティレ > タナール砦は、現在人と魔族が相争い、奪い合っている状態です。
通例としての認識ではなく、今、丁度人が支配しているその場所に魔族が現れて襲い掛かっているのが見えるのです。
私は、どちらに与する積りもないので、屋上の一角に腰を下ろし、その様子を眺めるだけの傍観者となっております。
争うのがいけない、とか、そんなことを言うつもりはありません、戦う事は生きるために必要な事でもありましょうから。
ただ、私は部外者―――この国の人間ではないので、彼らの争いに手を貸すつもりはないというだけなのです、もし、誰かが手を貸して欲しいと言って来たとしても。
興が乗らなければ手を出すことはしないでしょう。
魔族の方々は、門に向かい、幾つもの魔法の力を解き放ち、力で開こうとしています、人はそれを防ごうとやはり、魔法の力を持つものが壁を作っているのが見えます。
先ず、国境の所―――で魔力が減衰し、その後に人が作る魔法の壁に魔法の攻撃が当たり、霧散していくのが判ります。
中には物理的な力で押そうとしている魔族も見えます、彼らは野蛮な―――原始的な武器を手にして、門をたたいております。
人の兵士も又、上から魔法とか弓矢とかで攻撃しているのが見えるのです。
これが、彼らの日常というものなのでしょう、私はそう考えながら、砦の屋上から、その様子を見守っているのです。
■シュティレ > 日常とは言え、騒乱状態というものは面白い物です、私のようなものがいても、誰も気にする余裕がないのです。
軽く考えれば、屋上という場所なのです、翼を持つ魔族が居れば上からやって来る事もできるでしょう、その為の守りは確りしているのでしょうか。
私は、周囲を見回すものの特にそんな様子はなさそうです、そういえば……竜を持つ師団が居たような気がします。彼らが居れば対空の為の弓は必要ないものなのでしょうか。
私はそうは思いませんが――――しかし、そうなのでしょう、此処に来る人が居ないのと、魔族が飛んでこないことも合わせてそう考えるべきなのかもしれません。
そう考えながら、私は砦の壁を背に、視線を動かします。視線は、マグメールの方へ。
人の力というのは個は小さく、然し群れると、協力すると強大になると思うのです、援軍とか来ているのでしょうか、と。
屋上を横断し、マグメール方面の入口の方に行ってみます。
―――援軍と呼べるような人たちは見えません。
今回は、魔族の人々が勝利して、確保するのでしょうか。
個体能力的には、魔族の人が圧倒的に強いので、このままであれば、彼らが此処を落とすのでしょう。
それならそれで、と私は思うだけなのですが。
■シュティレ > 再度、私は屋上を歩き、魔族の国の方面の入口の方へと歩いていきます。戦況はどうなったのでしょう。
戦況はと言えば……やはり、というべきなのでしょうか人々が負けています、戦力の増強がない状態での魔族の攻撃。
防衛しようにも、指揮官などの不在が混乱の拍車となり個々にしても、魔族の人にかなうような人が少ない現状。
其れは、当然というべき帰結なのかもしれません、彼らはどんどん押されていき、崩れていくのが見えます。
門が破壊されました、そして、なだれ込み始める魔族の人々、悲鳴と怒号が響き―――始めていませんでした、よく考えれば先程から私が気にして居ないだけで、怒号も悲鳴も響いてはいました。
些末事でした、気を取り直しましょう。
魔族の人々が、なだれ込み、ヒトを蹂躙し始めています、そして、弱い物をなぶり、異性を犯し始めています。
これもまた、よくある光景なのでしょう、私は感情のらぬ瞳でそれを眺めるだけなのです。
それと、魔族が勝ったという事はその内ここにも来るのでしょう。
まあ、来たから、と私は慌てる必要はありません。
今、この場に居る魔族であれば、私は意に介するほどの強者はいません。
其れこそ、魔王や、将軍など、強固な存在であれば―――その時は、心を決めなければいけません。
今はそんな存在もいませんし、私はただ、視ていればいいのです。