2019/12/09 のログ
ご案内:「タナール砦」にタマモさんが現れました。
タマモ > すとん、どこから現れたのか、少女が降り立つ。
それはタナール砦の片隅、今は人気もない屋上の一角だ。

ゆらりと九本の尾を揺らがせ、向ける視線は、魔族の国。

「………所詮は、世が上に踊らされておるだけじゃ。
ならば、楽しめた方が良い、そうじゃろう?」

誰に言うでもない、その言葉と共に、すぅっと瞳が細められ。
くすりと笑う、その唇、その端がつり上がる。

ざわり…何かが、この砦を、その周囲を包み込む。
それが何であるのか、何を起こすのか、今は分からない。
もしかしたら、何も起こらないのかもしれない。
ただ、静寂と共に、ゆるりと、この場の刻は流れていた。

タマモ > 「さてはて、妾を、どう楽しませてくれるのか。
じゃがな、安心せい。
無駄に、命を散らさせはせん」

そう言葉を続け、とん、と床を軽く蹴る。
ふわり、と少女の身は宙を舞い、更に高い見張り台の上。
視線を前にままにすれば、魔族の国。
視線を後ろへと向ければ、人間の国。

「その者を殺すと言う事は、何も、命を奪うに限らず。
牙を折る事も、また、その者を殺すと言えよう。
………それならば、お主等との契り、違える事もなかろうて」

そこまで言い終えれば、ふぅ、と深い吐息を吐く。
呟きの言葉は、そこで終わる。
後は静かに、その瞳を閉じ、静かに佇むのだ。

タマモ > そして、少女の瞳は、ゆっくりと開く。
軽く、一つ考えるような仕草をするも、すぐに止めて。

次の瞬間、その姿は、ふっと消えてしまう。

ご案内:「タナール砦」からタマモさんが去りました。