2019/12/04 のログ
ご案内:「タナール砦」にゼロさんが現れました。
■ゼロ > タナール砦、其処は魔族との戦いの最前線ともいえる場所。
そこに、第七師団所属の少年が居る事は、おかしい事ではない、珍しい事であっても、だ。
しばらくの月日の間を、国の中の魔族を探すという任務で動いていたが、報告などは艇的には必要な事なので、戻ってきたのである。
王城に戻らないのは―――将軍に勅令されたとはいえ、直接会える様な立場ではない事、第七師団の拠点は此方であるのと、魔族との戦いを考えればこの場所は特に有効と言う事なのである。
今は人間たちが―――王国軍が砦を確保しているようで、少年は軽く手を挙げて砦の中に入る。
砦の廊下を進み、食堂に入るのは、いつもの事である。
食堂の兵士が、少年の仮面を見て、ああ、こいつか、と言う雰囲気を見せるのだ。
―――奇しくもと言うべきなのだろう、前第七師団の団長がアンデッドになり、そして、その顔に、少年と同じ仮面をつけるようになっていた。
それは、少年は、師団の将軍には報告したが、それ以外には口外していない。
だからこそ、仮面をつけたまま、此処に入ると、ぎょっとされるのだ。魔族の将軍が攻めてきたのか、と。
鎧と、武器こそ違うが、彼の腕章と、少年の腕章は同じで、仮面を被っている。
違いは、髪の色と、装備ぐらいか、彼は―――大剣を持っていたから。
そういうのもあり、少年は、慣れた人間以外は、観られてぎょっとされるのだ。
最近は、アンデッドの将軍の襲撃はないみたいで、忘れられているのではないだろうか、ともおもう。
誰が忘れても、少年は、忘れられない。
第七師団に入れてくれた恩を、そして、それが、死亡し、アンデッドとなり敵になったときの衝撃を。
此処に来ると、感傷が零れるな、と小さく息を吐きながらトレイに、食事を盛ってもらい。
何時ものように、隅に移動する。他の人の会話を邪魔しないように。
■ゼロ > 傭兵に、第七師団―――他の師団の人間でも、食事の時は分け隔てがない。
其れもそうだと思うのだ、何故ならば、団長同士がいがみ合い、牽制し合うことになったとしても、部下たちは違う事が多い。
それに、此処は死と隣り合わせの場所であり、団長同士のいさかいを持ち込む様な程度の低い兵士は―――早く『居なくなる』ものなのだ。
誰もかれもが力を合わせ、息抜き、防衛しなければならない場所、それが最前線であるこの場所なのである。
しかし、少年は―――誰とも仲を深めず、誰の敵ともならない。そんな、一番不思議な立場と言えるだろう。
其れに文句もなく、感情もなく、只々、少年は食事をするのみである、誰も声を掛けないのだ。
いつもの事だ、と黙々と、邪魔されないことをいいことに、腹を満たすことを目的とした、量だけはたっぷり味は――な、食事を胃の中に収めていく。
酒は飲まず、食事だけを、もぐもぐと、食べるのだ。
この場所は何時も別の人間が居るから、実はそれを眺めていれば飽きることはないと言えば、無いのだった。