2019/07/07 のログ
ご案内:「タナール砦」にファイネアさんが現れました。
■ファイネア > 通路を歩きながらくぁ、と口を開けて大あくび。一応手は当てて隠してはいるが…。
少し気だるげな印象は抜けないかもしれない。
タナール砦の防衛要員という仕事を受けてやってきたものの、
今の所散発的な魔物の侵入があるくらい。
何度かは外に出て戦闘に参加はするものの、それ以外には刺激があまりないなぁ、という所だった。
激戦区であればかなり刺激的かしら?と思ったが、時期とタイミングが間違いだったかもしれない。
尤も命を落とすまで居座るつもりはないので、そこはそれ、なのだが。
明日にはやってくる別の人員と交代で王都には戻れるだろう。
砦の最後の夜だし、戻れば報酬もかなり高めだからパーッとやるのもいいかしら、と少し考える。
ちょっと高い酒場で奮発するのもいいだろう。あまり美味しくない備蓄食料ばかりではあるのだし。
…そこで、そもそも精気吸ってないのが悪いのよね、と思い直す。
戻る前に誰かに悪戯するのもいいかしら、と少し通路を歩く足取りは軽くなった。
何人も詰めてる場所で誘うのもなんだし、美味しそうな子でも通りがからないかと歩いていくが…。
ご案内:「タナール砦」にセイン=ディバンさんが現れました。
■セイン=ディバン > タナール砦、と言う場所は。荒事で稼ぐ冒険者などにとっては、非常に重要な場所である。
防衛、物資運搬、慰安などなど。
この場にくれば、仕事がもらえる、という確率が非常に高いのだ。
それは、この男にとっても同じようで……。
「……え、っとぉ?」
砦の中を歩きながら、何かを探している男。
すれ違う人物を見ながら、首をかしげていたが。
「……あ、そこのキミ!
もしかして、防衛の仕事を引き受けた、ファイネア、って子か?」
少し気だるそうに歩いていた少女を見かけ、声をかける男。
そのまま、ととと、と近寄りつつ、相手に笑顔を向ける。
とても、胡散臭い笑顔だ。
■ファイネア > ぶらぶらと獲物を探しながら歩いていた所。
ふと名前を呼ばれてそちらに視線を向ける。
…なんだか胡散臭いオジサン(?)が近寄ってきていた。
何が胡散臭いってその笑みが、だけど。
「そうだけど。なぁに?」
ローブの下から見上げる桃色の視線。
もうちょっと可愛い子ならなぁ、と思いつつも一応足を止める。
人当たりが悪いわけではない。単にいざこざは面倒、と思っているわけで…。
視線を向けながらも上から下までじっと見る。
何というか、誰かのお付きですか?という恰好だ。
貴族のおぼっちゃんの腰ぎんちゃくとか…と失礼な想像をしている。
ご案内:「タナール砦」にハーティリアさんが現れました。
ご案内:「タナール砦」からハーティリアさんが去りました。
■セイン=ディバン > 距離にして1メルトルほど離れた場所で立ち止まり、相手を見下ろす。
相手が探していた人物だと分かれば、男は更に笑顔を強くするが。
満面の笑みでも、胡散臭さはバリバリ出ている。
「あぁ、よかった。やっと見つけた。
この砦、無駄に広いんだもんなぁ」
胸をなでおろしながらいう男。
見る人によっては、イヤに芝居がかった振る舞いと思われるかもしれないが。
男はそこで、相手に真剣な表情を見せ。
「ギルドからの通達。明日の交代人員なんだけど、急に来れなくなったから、もう1日防衛任務を頼む、って。
なんか、別の仕事してる時に大怪我したんだってさ」
はい、とギルドからの書面を相手に差し出す男。
その間に、ちらと相手の姿を観察する。
ローブを着ているところから、一見魔術師系か、と思うが。
ローブの膨らみ方から、むしろ近接系の如き装備だな、と判断。
「その分、報酬は弾むから、って。
まぁ……なんだろ。ご愁傷様?」
くくっ、と笑う男。冒険者という仕事をしていれば、予定が急変することなどは珍しくは無いのだが。
あまりにも急だから、大変だね、と同情する。
■ファイネア > 胸をなでおろす、という動作を実際にやる人物とか久しぶりに見たなぁ、という感想。
気持ちはわかるが、それを行う人って案外すくないよね、と思うわけで。
で、聞いた内容はやれやれな内容。
一瞬視線の険が増すが、直後に軽く目を伏せてため息一つ。
「は~……まぁ、それならしょうがないわ。
ゴネたっていい事なんて無いものね。」
それだけ?と話を切り上げようとするが…。
「なぁにオジサン。ヘンな目で見たってなにも出ないわよ?」
相手の装備を伺う視線を受け、また一つため息交じりに。
こういう場所にいるのだ。
そういう視線には慣れているわけで、その類かと勘違いをしてまたちょっと険を増した視線が差し込まれる。
■セイン=ディバン > 相手にギルドからの伝言をしっかりと伝えれば、男の仕事は完了になる。
相手のうんざりしたような言葉には、声上げて笑い。
「いや、同情するぜ、マジで。
つっても、1日だけだから。ま、ガマンしときなって」
肩を揺らしながらそう言う男であったが。
次の相手の言葉を聞けば……。
「おじっ……! ……い、いや。
キミみたいな若い子から見たらオッサンかぁ……。
あぁ、いや。しっかりとした装備してるのに、ローブも着るなんて。
随分……面白い格好だな、と思って」
まぁ、格好の話をするなら男も大概である。
なにせ、執事服なのだから。とはいえ、このバトラーコートは特別製。
冒険者として男が追求したが故の装備なので、男としては変だ、と思うこともない。
「最近話題だぜ? 冒険者ギルドの新星。
ニューカマーの中でも、目立った実力者だ、って。ファイネアちゃんの名前がさ」
懐から取り出した細巻を咥えつつ、そう言いながら、相手を値踏みする男。
男も一流の冒険者、とは言えないが、経験は豊富だ。
相手の実力の高さは、察知することが出来た。
■ファイネア > おじさんの同情なんてされても嬉しくないのだけどなぁ、と考える。
あれだ、同情するなら若い子ちょうだい、みたいな。
「どうせ今に始まった事じゃないでしょ、こんな所。」
自分の仕事を受けた場所を『こんな所』呼ばわりしつつ、
相手の言葉にふんと小さく鼻を鳴らした。
「なぁに? お・じ・さ・ま なんて呼ばれ方されたい人?
これはマント代わりにもなるもの。
それに、殿方からのいやらし~ぃ視線を防げるものね?」
と口元をにやりという形に歪めて面白そうに。
相手の恰好もお付きの人ならばしょうがないわね、と思っている。
完全に職業を勘違いしている節はあるのだが口には出さなかった。
「ふぅん。情報通なのね。
別にそんなに目立ったレコードは出してないと思うのだけど。」
人当たりだけはよくしているが。
やるべきことを素直に遂行しているだけにすぎない。
まぁ、完全なニュービーと比較されては困るのだが…。
■セイン=ディバン > 「カカッ。違いない」
相手のハッキリとした言葉にさらに大笑する男。
実際、男もこの場所は、思い出こそあれど、いい場所とは思っていない。
「いや、そうじゃないが。オッサン扱いされると、歳取ったなぁ、って実感して哀しくなるのさ。
ふ、む。なるほどね。ははは、色々苦労してるみたいだな?」
強気に笑う相手に、男は納得したように頷くが。
しかして、と思わなくも無い。
そのアンバランスな格好から、相手がどんなスタイルの冒険者なのかが読めないのだ。
「まぁ、そりゃそうじゃなきゃやっていけないからな。
記録に残ってなくとも、優れた実力持つヤツってのは、自然と注目されるもんさ。
あぁ、名乗り遅れたな。俺はセイン=ディバン。
冒険者ギルド、エデン所属の冒険者だ」
相手のことを持ち上げつつ、自己紹介をする男。
男もそれなりに有名だが、実績よりは悪名が轟いているタイプ。
実力だけでいうならいいところ中堅冒険者だ。
名を知らない同業者の方が多いかもしれない。
■ファイネア > 覚悟してきたわけではないが、理解はしている。
そんな雰囲気を醸しつつ、楽しそうな男をじっと見つめている。
「ふぅん、そんなもの。でも老いて朽ちるのは誰だって嫌なものよね。
苦労?…んー、そうね。苦労と思った事はないけれど。
女がこういう世界に身を置いているなら仕方のない事よね。」
租税みたいなものよね、と気にした風もなく。
それに別にいやらしい視線を避けているのは無駄を拒否しているだけ。
男の視線を受ける事自体は然して嫌いという事もないのだ。
「エデン所属のセイン…ねぇ。」
聞き覚えがあるような、無いような。
良い噂であれば多分、覚えてない。
悪い噂ならば注意すべきという所で覚えていた、かもしれない。
「……あぁ、ギルドの美人受付嬢を口説いた事とかないかしら。」
うろ覚えだったので出てきたのはそんな話であった。
■セイン=ディバン > 「まぁ、そりゃあそうだ。
そこは誰も例外は無いよな。誰しも、若くありたい、って思ってるだろうし。
……そっか。すまんな。無意識に、侮辱するようなことを言った」
相手のからっとした一言に、男は素直に頭を下げる。
やはり、冒険者という職業は、どこか女性を軽視する風潮があり。
男自身、そういう部分があったようである。
「……ははははは。美人を口説くのは男の義務みたいなもんだから。
もちろん、そういう意味では、キミのことも口説き落としたいねぇ」
相手の問いには、視線を逸らしながらそんなことをいう。
実際の所、この男は美人を見かければまず口説くというほどの女好きだ。
それが、敵であれ味方であれ。男には関係ないのである。
そうして。じゃあ、口説こうかな、と思ったところで。
男は、相手から何かの気配を感じ、おや? と首を傾げる。
■ファイネア > 「律儀ね。別にいいわ。
ずっと軽視するような男は実力も知れているもの。」
そういう男は相手を見ない。
女であること、という所しか見ずに相手そのものを見ていないと知っている。
相手を測る事ができない者の力など知れている、と女は小さく笑った。
「私? ふーん………。」
どうやら犯人だったようである。
やはり悪い事の方が記憶には残りやすいという事か。
ファイネアは男の言葉に少々悪戯っぽいニヤニヤした笑みを浮かべる。
「犯罪者。変態。ロリコン。 どれがいいかしら?」
と、その表情のままで口にした。
同時にうっすらとローブが煌めく。
男の後ろを明りを持った傭兵が通過したようである。
その煌めきはやけに視線を惹きつけるような、不思議な輝きだった。
■セイン=ディバン > 「そう言ってくれると気が楽だよ。
知らず知らずに相手を怒らせた場合、後が怖いからな」
どこまでも気持ちいい。真っ直ぐな言葉に、男が苦笑する。
どうにか、相手が心が広かったからよかった。
ヘタな相手だったら、命のやり取りに発展しかねない所であった。
「いや、だってさ。美人を見て口説かないのは、逆に失礼だろ」
空気が変わったのを感じ、男が言い訳を始める。
まったくもって自分本位な意見ではあるが。
男は、割と本気でそう思っている節がある。
「ちょぉっ、それは勘弁してくれ。
いや、まぁ。キミより若い女を食ったこともあるが!」
どれもゴメンだ、と言いつつも。相手のローブが、視線を惹きつける。
近くを通った傭兵は、ただ通過しただけだから気付かなかったようだが。
男は、そのローブの輝きに、目を細めたまま、鼻を鳴らす。
男が、幾度と無く嗅いできた匂い。それに気付き。
「……なぁファイネアちゃん。
キミ、何者?」
男は、率直にそう尋ねた。
■ファイネア > 「ふふ。そうね、女の復讐は怖いわ。
明日にはギルドの受付嬢全員からお仕事なら他所を当たってくださいって言われそう。」
後が怖い。その通りなのである。
本心は言ったが、それとこれとは別よね、と悪戯っぽく笑う。
命のやりとりとは別に怖い事だってあるのだ。
「相手がどう思うか次第じゃないかしらロリコンさん。」
それを誇りに思う女もいれば怖がる子もいる。
なのでそれは相手次第だと思うのだ。
まぁ、この冒険者だ傭兵だの界隈であれば、上手くいかなくても笑って流されるか殴られるかだろうが。
「私? ふふ。『冒険者のファイネア』よ。
今はそれ以上でもそれ以下でもないし、何者だからと言って『何か』しようなんて思ってない。
あなたが『誰の夫』だろうと私は興味はないし、それを吹聴するような事もない。」
それでよくないかしら?と女は笑う。
僅かな明りに照らされた桃色の瞳は、瞳孔が細まった蛇のような目をしていた。
誰かと『遊ぶ』事はあっても、実際にファイネアの手による殺人などは起きていないのだ。
■セイン=ディバン > 「お、おいおい。
おっかないこと言わないでくれよ……」
相手の言葉に、僅かに怯えたような様子を見せる男。
しかし、過去を省みるに。
なるほど、そうなってもおかしくは無いのかもしれない。
「ぐくっ……反論できねぇ」
男がどう言おうと、相手次第で男の立場は変わる。
まさに、相手の言葉は現状や男の状況を的確に表していた。
言葉を失い、呻く男。
「……っ。ふぅっ……。
キミは噂以上に凄い子みたいだな? いや、別段詮索するつもりも無いんだ。
気分を害したなら、謝るよ」
ずぐっ、と。心の奥に一気に言葉の刃を突き刺され、男は両手を上げて降参だ、と言う。
見た目こそ若いが、下手な超越者級の扱いにくさを、男は感じ取っていた。
■ファイネア > 「ふふ。冗談冗談。
私より経験長い人が怖がってどうするの?」
くすくすと笑う。
まぁ、この界隈、仕事が受けれないのは相当怖い。
ギルドの斡旋が無くなれば細々とした仕事しかなくなってくるだろう。
他に伝手でもあれば別だろうが…普通は恐れるものだ。
「…ま、私は別に。そういう目で見られるのは嫌いじゃないから大丈夫だけど。」
と、今は助かっているわ、と暗に示すように。
話していればこの男、そう悪い男でもなさそうだ。
話す分には知恵もあれば相手の事もきちんと見ている。歳は若くないかもしれないが。
「ふふ。安心して?
誰でもそうよ。得体の知れない部分があれば興味が湧く。知りたいと思うものね。
だから気にしてないわ。……まぁ、その内にベッドの上で寝物語に話す事くらいはあるかしら?」
くすっと笑う姿は茶目っ気も見せる。
悪巧みやそういう事への縁はなく、ただ自然体でそこにいる。
ヒネた貴族や商人のような悪意のない、冒険者らしい冒険者だったかもしれない。
■セイン=ディバン > 「女の怖さは、よぉく知ってるんでな……」
今後は、ギルドの受付は口説かないようにしよう。
そう心に誓いつつ、額の汗を拭う男。
……この誓いが、いつまでもつのかは不明だが。
「……はぁ。なんていうのかな。
したたか、と言うべきか。恐ろしい、と言うべきか……」
ここまで会話で主導権を握られるのは、久しぶりのことであった。
男は、やれやれ、とため息を吐きつつ、細巻を足で踏み消す。
「まぁ、そうだな……。
……それはそれは。嬉しいお言葉だ。
そうなった時は、お互い深い話ができるといいな?」
これまでとは一転し、随分と軽やかな言葉を口にする相手に、男は苦笑する。
相手の言葉どおり。男は、相手に対して興味を持っているし、知りたいと思っている。
だからこそ、もし縁を深められるのなら、それは大きな喜びだと言えた。
■ファイネア > 「ふふ。私も怖い女の一人になっちゃったかなぁ。」
確かにじっとりとした気候ではあるが…。
相手の脂汗、それだけでもあるまい。
桃色の目は面白そうな視線を持って男を見つめている。
「あなたは思ったよりは面白い人だったわ。
執事服っぽいしいっちばん最初は貴族の腰巾着かって思ったけど。」
したたかなのはそうあるべきと思っているわけで。
何せ中身が蛇だ。
狡猾でねちっこいのは性分でしかない。
「ふふ。まぁ、その内にね。
ギルドから頼まれるくらいには人脈もありそうだし、そうなったらせいぜい利用させていただくわ。」
ふわり。
白いローブを整えるようにして靡かせる。
話し込んでしまった。今夜楽しむ相手を探す事にしよう。
そう考えて男の横を抜けようと歩き始める。
「それじゃあね色男さん。またがあれば会いましょ。」
■セイン=ディバン > 「別の意味で、な」
目の前の相手は、今までであった女性の中でも、一風変わった感じがした。
強さやしたたかさ。そこが、なんとも魅力的で……。
そして、なんともおそろしかった。
「あ、そう? まぁ、それならよかった、かな。
……冗談。貴族は大嫌いなんだ」
相手の言葉に、肩を竦める男。
嘘の無い言葉だ。貴族はどうにも好かない。
なのになぜ執事服なんだ、と問われれば。趣味です、としか言えないけど。
「あぁ、いいぜ?
こっちも、何かあったら協力を要請させてもらおう」
冒険者間の交友は大事である。マルチなタレントでもなければ。
職業、というか。スキルを補い合うのは生き残る為の有効な作戦なのだから。
そうしている間に、相手がローブを翻し、歩き始めれば。
「こちらこそ、美少女さん。
次に会う時は、もうちっと手加減してくれると助かるなぁ」
などと男も言い、反対側へと歩き始めるだろう。
ご案内:「タナール砦」からファイネアさんが去りました。
ご案内:「タナール砦」からセイン=ディバンさんが去りました。