2019/04/12 のログ
ご案内:「タナール砦」にゼロさんが現れました。
ゼロ > 今は人族が維持をしているタナール砦。
 今日はその砦に少年兵がいた、最近のシェンヤンの重鎮が城に来ていると言う状況の為、である。
 少年の格好は全身鎧に、仮面で顔を隠し、首にはマフラーという普通に見れば怪しいことこの上ない。
 そして、魔族がいればそこに貴族が居ようとも、魔族を抹殺する戦闘狂。
 そんな兵士、普段ならともかく客人の前に出すわけにもいかないのだろう。
 高度な政治的な某がなされた結果、こちらでの防衛を一時的にだが申し付けられたのだ。
 命令であれば嫌とは言わぬ少年、タナール砦の警備という事でやって来た。
 そして、まず向かうのは、タナールの指揮所、そこに着任の挨拶とこれからの役割を問う。
 少年は、魔族側の入口に配備される。

 仮面の事を、少年の鎧と短剣の事を思えば、妥当であろう。
 少年は、粛々と、槍を手にし、配置に付くのだった。

ゼロ > 夕闇は、夜に堕ちる直前の時間であり、魔族が活性化し始める時間。
 タナールの防衛というのであれば、ここからが正念場というものなのだろう。
 少年の仮面は、夜の闇を見通す。無貌の仮面の内部は、肉眼で見たものと同じような風景が見える。
 夜の闇を無くした、明るい昼間の風景として、だ。
 そして、普通は見ることのできない魔力の流れや大きさを確認することもできるので、魔族が来ればすぐに判る。
 魔法を使おうとも、姿を消そうとも、それは少年の仮面の範囲に入れば、直ぐに発見もできるだろう。
 槍を握り、少年は凝っと魔族の国の方を見据える。
 毎日襲撃があるわけではないが、襲撃が来ないと油断するわけには行かない。

 ――――少年は、無言で立ち尽くす。

ゼロ > 不気味なまでに、静寂に包まれている視界。
 そして、後ろの砦の中では、軍議が行われているのだろうか。
 交代する見張りに、食堂で食事を行うもの、休息の時間を取るもの。
 砦を強固に―――修復をする者。
 様々な兵士たちが、様々な役割を持って活動をしている。
 そんな状態を少年はその耳で聞いている。
 意識は目の前に持ちつつも、視覚以外の感覚で砦の状況を把握する。
 獣の感覚を作り上げられたからできる芸当なのであろう。
 自分のスペックを正確に知るのは、前将軍と――――。
 今の将軍はどうなのだろうか、自分のスペックを把握しているのだろうか。
 辞令はもらったが、直接顔を合わせたのは一度のみ。
 その時は副将軍であり、将軍になってからは見ていない。
 ただ、仕様書は前将軍の時に提出してあるはずだし、問題はないか、と思う事にする。

 考えてもわからないし、確かめようがないと判断したゆえに。

ゼロ > 徐々に、徐々に日は落ちてきて、終には完全に周囲が闇に包まれてしまう。
 ついに、完全に夜の闇に落ちていくのだ。
 砦の様々なところで、篝火や、魔法の明かりが点けられて、周囲の闇を払おうとするも―――。
 やはり、今の人の技術では、完全な昼間のような明るさには程遠い。
 とはいえ、砦の周囲を活動するには十分であろう。
 あとは、夜闇に乗じた襲撃に備えるだけである。

 こういう時こそ、少年の真価が発揮されるのだ。
 鋭敏な五感、仮面の助け。
 夜を、闇をものともせずに、活動ができる少年。

 槍を持ち、襲撃があればすぐさま応戦できるように。
 交代がくるまでは、そのまま警戒し続けていくのであろう――――。

ご案内:「タナール砦」からゼロさんが去りました。