2019/03/05 のログ
ご案内:「タナール砦」にゼロさんが現れました。
ゼロ > 王国と、魔族の国の中間地点にある砦は、タナール砦と呼ばれる場所である。
 魔族の軍と王国軍が、日夜激闘を繰り返し、奪ったり、奪い返したりしているその場所。
 今宵は、王国の軍が制圧をしてその場所を確保しているところであった。
 王国軍第七師団に所属する少年兵……ゼロと呼ばれる少年は、その砦の中にいた。
 少年のいる場所は、兵士たちが休憩するために使われている部屋の中の一つである。
 しかし、いつ攻勢があるのか知らないので、少年は鎧も、ナイフも身につけたままである。
 愛用している鉄のやりも、傍らに置いているのだ。

 そして、部屋にはもうひとり兵士がいた。彼は、伝令兵である

 先日起きたことを報告し、伝令を出していて―――その返答がやってきたのである。
 少年は伝令兵の持ってきた書面を受け取り、開封していいのかどうか確認をした。
 問題ない、との事であるので、少年は開いた。
 書面の中身は、第七師団の将軍であるサロメからの指示書であった。

「―――――。」

 少年は、仮面をつけたままで、その書面の内容を読み込むのだった。

ゼロ > 師団長からの指示は単純明快であり、そして、師団の理念をそのまま反映したものであるといえよう。

「タナールの防衛と奪還、もしくは各地の魔族による被害の軽減。
 先制攻撃含む……と。」

 タナール砦の維持に関しては、ここが橋頭堡であるし、無論のことである。
 しかし、それ外にも魔族はいろいろな手段でこの国の中にいる。
 だから、その魔族が何かする前に排除したり倒したりするのも任務ということだ。
 考えてみれば、今までの任務に戻ったというところであろうか。
 前と違うのは訓練兵という事だけではなく。

 こちらと、国の中と、行き来してその時その時で自分で選択して動かないといけない、というところだ。
 自由度が高くなったぶん、どこをどう動くかを自分で考えなければならない。

「―――伝令、ありがとうございました」

 少年は、将軍からの伝令を伝えてくれた兵士に礼を言う。
 伝令兵は次の伝令のために部屋から出ていくのだ。
 一人、部屋に残った少年は仮面の下瞳を閉じる。

 ――これから、どう動くべき、か、と。

ゼロ > 「――――……。」

 まずは選択として、このタナール砦の防衛に尽力するという選択。
 これは、第七師団としても、重要な場所であるからして、遠征や、攻勢にでない限りは、第一任務としている。
 対魔族の部隊として、ここを確保し続けるのが役割、とも言える。
 逆に言えば、今遠征に出ている将軍を抜けば、一番第七の師団員が駐屯している場所とも言えるのだ。
 それでも、奪われたりするのだから、魔族の軍の攻勢の激しさ、身体能力の差は如何ともしがたいのであろう。

 次に、王国内の魔族のあぶり出し、殲滅、王国民への魔族からの被害軽減。
 これは、偵察任務に似た性質を持つだろう。
 国内に潜む魔族を探し出し、見つけ出して……それを退治するというものだ。
 これも、重要な任務である。
 とはいえ魔族は狡猾で、隠れる手段も上手いという、なかなかに骨が折れるだろう。
 見つけた時には後手に回っている、というのも珍しくはなさそうだ。
 とはいえ、放置していていいものではないだろう。

「―――――………。」

 やはりここは。

 基本は王国内の魔族の捜査&殲滅をメインとし
 状況次第でここの防衛に入る、というところにしておいたほうがいいだろう。
 理由としては、ここには多くの第七師団兵が駐屯するのだ。
 直ちに敗走という事はなかろう。
 それに、王国内の捜査に関しては、人数が少ないだろうという少年の判断。

「よし。」

 とりあえず決めることは決めたし、と少年は食堂に行く事にする。
 食事は、大事だ。

ゼロ > 少年は部屋を出て、通路を歩く。
 通路には第七師団員だけではなく、さまざまな部隊の人間がいるのが分かる。
 どれも,任務などの理由があってきているのだろうな、と進みながら考える。
 ただ、知っている相手でもないので声をかけることなく通り過ぎて。
 少年は、食堂へと到着する。

 食堂は戦闘が終わったもなどが食事を楽しんでいる。
 特に傭兵たちが戦闘後の宴会とか言わんばかりに酒を飲んでいるのが見える。
 少年はその脇を潜るように歩き、カウンターで食事を貰う。

 久方ぶりの豪勢なご馳走である。
 少年は嬉しそうに席へと移動し食事をして。

 任務のために、砦をでるのであろう―――

ご案内:「タナール砦」からゼロさんが去りました。