2019/01/24 のログ
アマーリエ > 程なくすれば、キィンと。硝子の器を鳴らすような音色と共に気づくだろうか。
地に染み付いた重々しい気配が少しばかり薄れ、晴れたことを。
だが、あくまで一時的なものだ。
水が高きから低きに向かって流れるように、あるいは砂地に水が吸い込まれるように時間経過などですぐに元通りとなる。
それでも意味がある。自分以外の魔術師等が周囲の索敵を行う場合、看破できる可能性は此れで増す。
何より、この地に不慣れな兵士でも余分な緊張を少しでも抜き、和らげることが出来る。

「……ふぅ。此れで良し、と」

抜き身の剣を右手に提げつつ、額に浮いた汗を拭うように手を遣っては息を抜く。
この地をあと何時間安全に保持しうるか。
まるでコインの裏表の如く、地の情勢はあっさりと目まぐるしく変わる。つくづく移り気にもほどがある位だ。
この地が人格を持った一個人の如くあると仮定すれば、きっと悪女に違いない。物語の悲劇のヒロインとするには、血を流し過ぎている。

「あとは――、例の第七師団の長か戻ってくるか、長時間この場を維持できる位の他の師団でも来れば良いんだけど」

どっちも無理かしらねー、と。足元に描いた魔法円が維持できていることを確かめつつ零し、肩を竦めよう。

アマーリエ > 「……周辺警戒は宜しく。ちょっとばかり、身体を動かしてくるわ」

さて、気晴らしついでに適当なスペースを使って鍛錬に勤しむとしようか。
見据えていた風景に背を向け、場所を移す。
あのまま同じ場所に居れば、見張りに入る兵士や騎士の邪魔になってしまう。
寸暇を惜しんで身体に培った動き、呼吸、功を練り上げ直したい処だが、時間と場合が差し迫ることがあるのが考え物だ。

引継ぎの部隊が到着するのが先か。
それとも、敵兵が到来するのが先か。いずれかは知れない。

しかし、少しでも長くこの地を王国の側に納めておくためにこの場に詰める――。

ご案内:「タナール砦」からアマーリエさんが去りました。
ご案内:「タナール砦」にタマモさんが現れました。
タマモ > 今は人間の側が占領しているのか、そんなタナール砦の屋上にある見張り台。
その屋根の上に、とん、と着地するのは一人の少女。
見張りが居ても、場所が場所だけに気付き難いか。
居なければ居ないで、気付かれるとかなさそうで安心だ。

「ふむ…暇潰しに来てみたが、今は面白味も無さそうじゃのぅ」

開いた唐傘を肩に掛け、のんびりと、屋上から、人間の国や魔族の国を眺めていた。

タマモ > 少女は気紛れだ、人間の味方をすれば、魔族の味方もする。
その両方の肩を持つ時もあれば、貶める事もするのだ。
今日の気分は…状況次第?そんな感じであった。

誰かがここに現れれば、相手次第で対応を変えよう。
言葉を交わすも良し、戦うも良し、弄ぶも良し。
何も無ければ、それはそれで、この景色を眺め楽しむだけだ。
もっとも、最近は暇な時間が多い。
溜まった鬱憤を晴らす、その可能性が高いかもしれない。

「しかし、最近は色々とあったらしいが…どうなのじゃろうか?
こうして見た感じ、いつも通りなのじゃ」

はふん、それはそれでつまらんと、軽く溜息。

タマモ > 変わらぬ、見張り台の屋根の上。
少女は視線を、遥か地平線へと向ける。

「日はまだ昇らぬな、こんな時間では誰もが眠っておるものじゃろう。
仕方あるまい…と言うか、何故に妾はこの時間に目が覚めてしまったのやら、じゃろうか?」

かくん?と首を傾げながら、こう、今更なような台詞。
確かに、人が活動するには早過ぎる時間だ。
広げていた唐傘を閉じれば、ぽんっ、と消し去る。

さて、この足元の砦内を巡ってみるか。
それとも、人間の国か、魔族の国か、適当に行こうか…
軽く思案を巡らせる。

タマモ > 何かを思い付いたのだろう、少女の姿は気が付けば消えていた。
ご案内:「タナール砦」からタマモさんが去りました。