2019/01/10 のログ
ご案内:「タナール砦」にアマーリエさんが現れました。
■アマーリエ > ――全く、毎度ながらこの辺りは散々たるものだ。
特に命という価値が暴落している。塵芥のように消費するために消費するための場でしかない。
常時かの地に詰める任を持つ師団ではなくとも、国防の要所として気をかけざるを得ないが故にその話を聞くたびに内心で思う。
新任の兵士が配属されたとなると、いよいよ以て七日程度生き延びる事が出来れば幸運ではないのだろうか?
真面目に統計を取るとなれば、そう断じ得る結果が出そうで笑えない。
「……ほんっ、とに。嗤えないわね――何よこの暗さ」
それでも、兵力その他の補充、補給の護衛の任を受けるとなれば其れを果たす責が己にはある。
麾下の竜騎士隊と騎兵団より選抜し、足の遅い荷馬車の集団を護衛して夜の砦の入り口に立てば盛大に溜息を零す。
夜となれば暗いのは道理である。されとも、最早生きて帰れぬという定めを悟ったような兵の様子を眺めれば呆れすらも通り越す。
乗騎たる白い竜も一緒になって、「喰いでもないのう」と嘯く様であった。
「取り敢えず、順次運んじゃって頂戴。
竜騎士隊は降りる暇もなくて悪いけどそのまま上空を巡回。魔族領側には踏み込み過ぎないように気を付けて」
片手を挙げ、伝令も兼ねて付き従う魔術師の一人に言葉を飛ばす。
それを受けて、人の流れが動き出す様を眺めつつ昨今で伝え聞く限りの情勢を思う。
■アマーリエ > 「……駄目ねぇ、ちっとも駄目だわ。
読めたもんじゃないし、そもそも生き残りの骸の有様から察せられたら運がいい程度だったかしら確か。」
だが、直ぐに止める。
真面目に読む意味がないことを思い返せば、さっきのように笑いどころも何もないことに気づくだけだ。
世の中、面白おかしく過ごす事があれば日々の慰みになるが、殊この辺りだと特に不慣れな新兵は怖気付くばかりだ。
そういう新兵には娼婦を宛がって、一発童貞を捨てさせれば発奮もしようが景気づけてもすぐ死ぬとなると、どうだろうか。
金もそうだが人は有限だ。良い兵士程得難いものはなく、亡くなればその補充は何時の時代も儘ならない。
戦史を紐解くまでもなく、単なる損得勘定で考えても唯々継ぎ足すというのは意味があるのだろうか。
「無い、と言うと……――禿親父達の顔が面白いように赤くなるのよねぇ。あんまり面白く無いけど」
彼我の戦力を同一、同等のものと仮定して、同じ条件の戦場に相対すれば兵力が多い方が勝つだろう。
しかし、均一にならない、均一にしようがないこの場で徒に兵を継ぎ足すというのは、その内何時か何処かで破綻をきたすのではないか?
そう危惧せずにはいられないのだ。
ぶつぶつと腰に手を当てて独り零したり、思いっきり空を仰ぐ女の姿に奇異の視線を向けられながら思考は巡る。
■アマーリエ > 「……と、言っても。
この場にうちの師団を常駐させるのは勘定に合わない以上、ああいうツラもするのかしらねぇ」
一兵あたりの価値、コストの問題だ。
命という価値は乱高下する。造作もなく使い潰すこともあれば、惜しまざるをえないこともある。
装備、乗騎、何よりも培った練度等々は金銭で購うことは出来ないものばかりだ。
物怖じすることなく率直に述べた意見に対し、返る反応というのはその点を少なからず弁えているからだろうか?
そう願いたい。算盤勘定と既得権益だけで物事を考えるなりの考え方として、価値があると判断できたのだ、と。
「ここは任せるわ。こっちと向こうで何か湧いたら、知らせて」
取り敢えず、新たに配属された砦の指揮者に挨拶でもしておくとしよう。
彼も含めてどれだけ長生きできるかどうか、思わず考え込みたくなる事しきりだが、礼儀は押さえておくことに越したことは無い。
開かれたままの砦の門を眠たげに欠伸をする白い竜に声をかけ、引き連れて潜る。
補給物資搬入完了の報告と引き渡しの書類のサイン、帰還までの情報共有とその間の砦防衛の支援――為すべきことは多い。
ご案内:「タナール砦」からアマーリエさんが去りました。
ご案内:「タナール砦」にスミデーさんが現れました。
■スミデー > 「養蜂の蜂たちが蜜を溜めこんだなら、その蜜を
回収しないと勿体ないことこの上なし、と……ここも3回目か。
いい稼ぎになって、人間さまさまだな」
(人間達の手によってタナール砦が占拠されたと聞いて
物資等を横取りすべく、今回はゴブリン、コボルト、オーク、
オーガ、トロールを使い、城の外からはゴブリンロード、コボ
ルトロードの指揮する一群を。そして城の中にオークキング率
いる一群およびオーガ、トロールを使っての進軍により砦を
陥落して。勝手知ったるなんとやら、で物資が満ちているであ
ろう倉庫へと向かい歩いている)
■スミデー > 「今回も中々ため込んでくれてたみたいだな。
これでまたフトコロが潤うってなもんだ……旅費が溜まったら
珍しい魔物を捕まえに少し遠出するのもいいかも知れないな」
(倉庫に溜めこめられた様々な物資、魔物達へ異界へと運ばせ
てから倉庫を出る。そして天馬を呼び出し、それに跨りまた
物資で倉庫が満たされた頃にまた来ようとその場を飛んで去っ
ていく)
ご案内:「タナール砦」からスミデーさんが去りました。