2018/12/17 のログ
ご案内:「タナール砦」にミリーディアさんが現れました。
ミリーディア > 今は人間側が占領するタナール砦。
其の屋上で佇むのは少女只一人だ。
本来ならば見張りの兵士が立つものだろうが、今夜は私用で此処を使うから不要と追い払った。
その内容を聞かれ様と少女ははぐらかすばかり。
当然だ、此の付近で起こった事を視るのだと伝えた処で理解はされまい。

「……人間は力を持つと碌な事をせんな。
其の行き着く先が、自分達が忌み嫌う存在と同じだと気付いておらん」

呟く言葉、其れを呆れた様な溜息と共に吐き出す。
大義名分を掲げるのは御立派だが、余りにも拙過ぎる。
視たいものを視終わった後、少女は屋上のど真ん中に佇んでいた。

ミリーディア > 「もし君だったら如何見る?」

今居るのは少女一人だ、其れなのに誰かが居るかの様に言葉を紡ぐ。
其れに応えるのは夜風のみかと思われるものだが…

『……私一人、5分在れば十分でしょう』

応えるのは男性の声。
其の声が何処から聞こえているのかは分からない。

「まあ、そんなものだろうね。
まだまだ手が届くのは力の無い者達程度だろう。
そして更なる力に手を伸ばす……同情に値するよ」

一瞬だけ視線を床に向け、少女は肩を竦めてみせる。
其の視線を今度は夜空に。

「……明日は晴れるな、一段と冷え込みそうだ」

続けて呟く声は、何処と無く面倒そうな含みを持ったものだった。

ミリーディア > 「そう云えば、あちらでも何か動きは在った様だが?」

ふと思い出した様に、少女は其の声に向かい問い掛ける。
少女の視線は魔族の国の方へと向けられた。
其の問い掛けに僅かな間を置いて。

『例の一団の将と人間が遭遇した様です。
が、言葉を交わしただけで何事も無く終わりました。
其の後は砦を抜け戻って行ったのを確認しております』
「そうか、君達も暫しのんびり出来る事だろう。
彼は君達も探している様だったからね。
……次に入り込む事が在れば、今度は君達が追い払っては如何かね?」

男性の言葉への返答と共に少女は小さく笑う。
其の笑みは何処か楽しんでいる様にも見えるか。

『其れは……御命令と在れば』
「なら、ドゥエルにやらせてみると良いだろう。
どうせ暇そうにしているんだろうしね」
『承知致しました』

其れに対し変わりなく男性の声は答え、気配は消える。

「……儂も偶には羽を伸ばすか。
次に在る地下の宴と云うのも悪くはないだろう」

一人となったのだろう、少女は小さく呟いた。
地下の宴、偶に少女へも招待状が届く口外出来ぬものの一つだ。

ミリーディア > 「新たな玩具を試す為の被験者を募集するか。
久々に地下の宴での淫らな遊戯で愉しむのか。
どちらとしてもストレス発散には成るからね。
戻る迄に決めるのも悪くはない」

誰も居ないのを分かっているからの呟きか。
普通に誰かに聞かれて良いとは云えない内容のもの。
そんな呟きを漏らした少女は、くるりと振り返る。

小さく何やら詠唱を行う。
其れを終えれば、其の場を後にするのだった。

ご案内:「タナール砦」からミリーディアさんが去りました。