2018/12/01 のログ
ご案内:「タナール砦」にナルさんが現れました。
ナル > その日、珍しくその砦は静かだった。
激戦の末に互いの戦略級魔術が炸裂し両軍全滅。
所々火の手が残るその砦に今は一人の少女が訪れていた。

「結局戦場、私はここに居たいの?」

答える者の居ない問いは無人の砦に溶け再び静寂が舞い戻る。
兵器として産み出された彼女が自由を手にして尚戦地に訪れるのは本能故かそれとも...。


戦いたい訳じゃない、殺したい訳でもない。
私は此処に何を求めてるのか、それとも求めたいのか。
でもどちらにしても今はこの場所に誰も居ない。
求めることがなんにせよそれをぶつける事も出来ないし。

「結局、こんな形に産まれた私に戦以外の【意味】は無いのかな。」

素足で地を踏むぺたぺたという音だけが繰り返される砦で少女は一人何を思うのか。

ナル > 無人の砦を徘徊する白き異形。
そんな彼女は人とも魔族とも見分けの付かなくなった黒焦げの骸を見付けては傍らに腰を下ろし呟く。

「貴方は生きたかった?それともこの死は満足?その生涯に何か意味を見出だせたの?」

無論返事が返ることは無い。

それでも彼女はその行動を止めない。
まるで意志の残光を拾い集めるように徘徊し、出逢い、返ることの無い会話を一人続けていた。

ご案内:「タナール砦」にナルさんが現れました。
ご案内:「タナール砦」にナルさんが現れました。