2018/11/15 のログ
ご案内:「タナール砦」にジンライさんが現れました。
ジンライ > 薄曇りだが、風がそよとも吹かない日。砦の周りはしんと静かで、時折空を渡り鳥の一軍が過ぎる以外に生き物の気配はない。

それを見渡す砦の物見櫓。簡素な椅子に、両足を放り出して座っている長身の男。腕組みをして人相の悪い顔の目を半眼にして、外を見てるんだか見ていないんだか。

咥え煙草からぽろり、と灰が落ちると、慌てるでもなく服を払う。

ジンライ > 元々の、正規の担当である兵士はまだ帰ってこない。
昨夜のポーカーで負けた時の取引で「ちょっと交代」ということだったが…

「まさか一日中やらせンじゃねェだろな…」

ぼやけばまた服に灰が落ちる。良い加減短くなったそれを床に押し付けて、後頭部をがりがりと掻く。

ジンライ > 「…あん?」

ずるり、という微かな音が聞こえたような気がして片眉を上げる。
視線だけそちらに向けると、真っ黒な霧のような触手のようなものがちらと外壁の向こうを過ぎる。

「………」

黙ったままゆらりと立ち上がって、足音無くそちらへゆっくりと近付く。そのまま下を覗き込み………
(うへえ…)
外壁にびっしりと、黒いものが這っている。恐らく、敵対してる方からの何等かの攻撃なのであろうが…

ジンライ > 誰も気付いてないのか、取り立てて騒ぎは起こっていない。
放っといてもいいものなのかもしれないが……

(気持ちわりーからなァ…)

取り敢えず、正体くらいは掴まないと胎が収まらない。

ジンライ > 外壁の上から見る限り、何だか地面から生えている様子だ。あの根っこの所へ行けば、何かしら解るだろう。

「よッと」

思った所で躊躇いもなく、外壁を飛び越える。
物見櫓に誰もいなくなることについては、まぁ、自分を交代に指名した兵士が悪いということで。

ジンライ > ―――――数刻後。

兵士が戻ってくる。
依頼した相手が居ないことに悪態をつきながら、いつもの業務に戻る…

ご案内:「タナール砦」からジンライさんが去りました。