2018/09/28 のログ
■シュティレ > 彼らの戦は、一進一退……いえ、防衛側……ヒトが有利なのでしょう。
彼らは護られている上に、統制が取れています、各々が手助けしあい、役割を持って動いています、いかに優れた能力のある魔族といえど能力を封じられて個々に襲いかかれば餌食となりましょう。
名前のある……本当の強者の一角がそこに来ればこの均衡は破られてしまうでしょうけれど、雑兵と雑兵の戦は泥仕合のようなものです。
血族として言わせてもらえれば、美しくはありませんが、ヒトはそれでいいのでしょう、弱いならば、弱いなりに戦い方を考え、工夫して立ち向かっているのですから。
そういう意味では、ある種の美しさもあると言えなくもありません。こういうものだから、私はヒト全体を嫌うことはしません。
個人的に嫌いなヒト、好きなヒト、尊敬するヒトというのは出てくるでしょう……が、今のところはこの国にそういった感覚を覚えるほどのヒトはおりません。
思考が逸れた事に気がつき、私はもう一度戦場へ視線を向けます。
私を気にするような余裕は誰にもなさそうです、のんびりと再度ワインを一口含み、チーズなどの摘みを持って来れば良かったと、思いました。私の力で作ることもできますが……ええ。それは慣れすぎた味、食べても美味しいとは思えない上に、それでは酒に合いません。
それなら、お酒だけで楽しんだほうがいいでしょう、そう思い直し、私はワインを嗜むことにします。
ご案内:「タナール砦」にニアさんが現れました。
■ニア > 一族の墓参りの後、マグメールへ帰る道は塞がれていることを知り
遠回りになることを承知で戦場を超え帰ろうとしていた頃。
何の因果か、戦に巻き込まれてしまうとは…
何が悲しくてこんな利益のない戦いに参戦しなくてはならないのか。
一人の盗賊は顔を隠すようにフードを深く被り、次から次へと群がる人間たちを蹴ったり殴ったり
魔法は使わず、背から伸ばした翼に頼った飛行のみ。
これだけで敵の兵力を削り切ることもできたが、大して縁のない魔族達の肩を持つのも嫌になったか、彼女は翼をはためかせながら戦場を離脱。
しかし、敵へ背を向け逃げようとした己を魔族が火薬弾的な物で後方へと吹き飛ばした。
大した痛手ではないものの、空中では受け身も取れず
爆風によって後方の砦へと吹き飛ばされた。
「……ッ、相変わらず乱暴な連中だ…」
少しでも手を貸してやったことに感謝してもらいたいものだが…
体を起こし、王国へと帰還しようと再び羽を広げる
が、後ろに気配を感じ身構えながら即座に振り返る。
そこにはまるでこの戦を肴に楽しんでいるかのように見下ろす女の姿。
人間、魔族…どちらともとれるようなとれないような。
女から何かしらのアクションがなければこのまま飛んで帰ることになるだろうが、いやはや…
■シュティレ > 爆音が近くで聞こえました、そして、明るくも成りました。私を狙った魔術が外れたというわけではなさそうで、視線を向けてみればそこには一人の魔族が見えました。
血の匂いから竜といえる存在でしょうか、その翼からも竜の一族ということが見て取れました。
ただ、先ほどの魔族の攻撃で姿勢を崩したのでしょう、大きく動きが揺らいだのを見ました。
ちょうどその時でしょう、彼女が此方の方に気がついて振り返ったのです。
その瞳に宿るのは警戒の色、そして闘争の為の身構えでした、それは敵意というものですね。
ふむ。と私は自分を警戒している相手を見て考えます。
私達の祖は―Dracul―竜を冠する吸血鬼、竜の伝説を冠します、そういう意味では、相別れた血族の仲間、とも言えましょう。
それに、久しぶりの出会いに私自身高揚したとも言えます。
「もし、よろしければ此方で一休みなど如何でしょう?
私に敵意はありません、一度、その背中の傷も癒したほうが?」
このような戦場、私の言葉に彼女が同意してくれるかどうかはまた別でしょう。
敵意を持って返してくるのか、それとも好意を返してくれるのか。
笑みを持って私は問いかけて彼女の答えを待つことにしました。
■ニア > 女から感じる魔力のようなもの。
人間ではない、はずなのだが……
自分が良く目にする魔族とはまた違った、何か…
とても違和感を感じるものの、危険な香りは一切なく
一先ずは警戒を解くこととする。
と、笑みのまま投げかけられる言葉に彼女は静かに頷いた。
どうせこの戦いが終わらなければ静かに帰してくれる輩もいないだろし、面倒ごとに巻き込まれるくらいなら、と。
「……お誘いありがとう
でも、こんな戦場でどこの誰かもわからない私を口説くなんて、よほど危険好きなのかしら?」
女の隣にチョコンと腰を掛け、フードを取り問いかける。
口元はマフラーで隠れているが、その瞳はしっかりとその姿を映している
■シュティレ > 「いいえ、いいえ。大丈夫です。
危険であれば、私は身を守ることに専念しましょう、そして、ここから立ち去っております。
それに、こういうところでお酒を飲めるぐらい安全だからこそ、私はここにいます。
口説くと言うつもりはありませんでしたが……口説いたほうがよろしいのでしょうか?」
ヒトは、魔族は下で相争う事に専念しすぎて頭上を見ていない、敵意もなくのんびり座っている女一人にかまけている余裕はないのであろう。
現に、彼女を攻撃した魔族も彼女に意識を向けたことで別のヒトに狩られていました、こちらを警戒するものはいなくなっております。
それに、と私は付け加えることにしましょう。
「ご不安があるのであれば、結界を張ってしまいましょうか?他の誰からも、この場が見えないように……。泉のような美しい瞳の御方。」
隣に腰を掛ける仕草は、淑女というよりも少女という年齢に近しい気もするが、見た目通りの年齢なのかどうかは、私には判りません。
私のように見た目と実際に生きている年齢がかけ離れている場合もありますので、此処はそう考えておくことにしましょう。
フードをとる姿、そういえば、そういう時期でしたね、とマフラーを見て思います、空は地上よりも寒いですし。
「それよりも、お怪我は大丈夫ですか?」
私は、まずそこを心配しましょう、女性ですから肌に怪我が残るのは大変残念なことです。
竜は種族的にとても強い存在ではありますが無敵とは言い切れません、なので、首を傾ぎ問いかけてみました。
■ニア > 「…貴方、変わってる。
私も人のこと言えるもんじゃないけれど……
…別にそういうつもりで言ったわけじゃないけど……」
冗談半分のつもりだったがこう帰されてしまえばなんだか悔しい気持ちになり、自然と顔は赤くなっている。
寒さを言い訳にでもすればいいと思い、女から目を逸らした。
下で争う魔族と人間の視線を気にしていたわけじゃないが、お尋ね者である自身がまさか魔族との縁があると知れれば、自分に掛かっていた懸賞金もいよいよ笑い事じゃ済まなくなりそうだ。
「…結界
そんなことができるのならお願いしたいものね、
できれば、人間に見られたくない顔だから」
いつも通り相変わらずマフラーを鼻の高さまで上げ、少々肌寒さを感じてか肩を抱く。
そろそろ冬服でも調達した方がいいかもしれないなと思いながら
質問によって再び顔は女の方へと向けられる。
「…ん、大丈夫。これくらいならすぐ直るから……」
多少痛みは感じるが、それほど深い傷ではないし、放っておけば治るだろう。
心配してくれた相手に対し、感謝の意を込め頭を下げた。
■シュティレ > 「そう、ですね……。永い時を過ごしてしまえば、ヒトの言う〝普通″とかけ離れてしまうものなのでしょう。
それに、私は血族……吸血鬼と呼ばれる存在でもあります、私達には性別の判断は薄いのです。
異性であれ、同性であれ、想い合う事、恋焦がれ合う事、時には愛を交わし合うことありましょう。」
ですから、お気に為さらずにと私は言葉を放ちます……が、不快にさせてしまったのでしょうか、彼女は私から視線を逸らします。
あまり他人と会話していないが故に会話の能力が低いのでしょう、これはいけません。
とは言え、こういう時、どう言えばいいかわからないのも、又あります。
「はい、では。
……ああ、普段私を包んでいる業を広げただけですから、どうぞお気に為さらずに。
私の普段見ている風景でしかありません、しかし、危険はありませんよ?」
彼女の要請に、私はひとつ頷きました、そして私の意識を拡散させます。
全身を流れる血を媒介に、私の世界が私を包むだけの世界から広がり、塔の天辺を包み込みます。
外から見れば、誰もいないただの塔にみえましょう、中からは優しい闇と、それを照らす赫い月、私が見ている世界がそこに顕れます。
周囲の喧騒は最初からなかったように、静まり返りましょう、そしてみようと思えば見えますが、彼らは争っています。
もし、魔法の攻撃が飛んできたとしても、私達を通過し、去っていくでしょう。
少なくとも、私の魔力を超えた上で、私を認識しなければここに気が付くことができないでしょう、害を与えることができないでしょう。しかし、下にいる雑兵には、無理な話ですが。
「いけません、淑女たるもの、怪我を放っておいて良い、などと。痕になったら、折角の美しい体が台無しです。」
深い、深くないは関係ありません、ぴしゃりと私は言い切りましょう。
さあ、傷口を見せてくださいまし?私は紅の瞳で凝っと、彼女のことを見ます。
ここは、有無を言わせてはいけませんね。
―――治します。
■ニア > 「…確かに、それは解る気がする。
人間よりもはるかに長く生きてれば、人間とは違った感覚が芽生えるのも仕方ないかもしれないわね…
そう、だから…
私は龍人。
性別がないわけじゃないけど、一応女だから…」
口説かれれば同姓異性変わらず戸惑うものだ。
まあ、人間の男に口説かれるのだけは勘弁だが…
別に気にしているわけじゃないのだが、なんだか少し恥ずかしくなってきた。
吸血鬼に迫られる龍人なんて聞いたことがないし、そもそも吸血鬼という存在自体、あまり耳にしないもので…
新たな出会いに感謝というべきか。
「…綺麗。
……危険なんて微塵も感じない。ちょっと懐かしいかも……」
辺りを覆いつくす闇と紅い月。
静まり返ったその場所は、かつて両親と渡った世界のことを思い出させるような雰囲気で、彼女はその光景にうっとりと目を輝かせていた。
その表情は戦場で戦っていた時の凛とした彼女ではなく、まるで年齢相応の子供のような表情をしていたことだろう。
「……べ、べつに…平気だよ…?」
盗賊なんてやっている以上傷は覚悟の上だし
この体に女としての価値を見出すことなんて今までなかった。
だから、言い切る相手に対して反論することはできず、その赤い瞳に吸い込まれるように、流されるがまま身を任せることとしよう
■シュティレ > 「ええ、それに、私はヒトと共に棲んではおりませんでしたので……、血族の法なら詳しいのですが、ヒトの事はさっぱりですわ。
龍人、で、女性、ですね。
では、まず私から名乗るのが筋でしょう。
私は、シュティレ・ズィゲルトーア、シュティレとお呼び頂ければ幸いです。」
よろしくお願いいたします、私はもう一度微笑みを浮かべて問いかけます。
龍人と知り合ったとなれば、国に帰ったとき、主への土産話になりましょう、と、そんな考えが浮かび、消えて行きました。
照れている姿は、可愛らしいと思います、こう、妹のように抱きしめてなでたい……そういうたぐいの可愛らしさです。
「ふふ、嬉しいです。私の祖国は常にこの様な闇と静寂と赫い月に見守られた国です。
もし、縁があれば立ち寄ってみると良いかもしれませんね。
ああ、でも見目麗しい方ですと、言い寄られてしまいますね?」
私の世界を褒めてくれた事が嬉しくて、自分の祖国を少しだけアピール。少しだけ冗談を交えてみましたが、彼女はどう反応するのでしょう。少しだけワクワクしてしまいました。
とはいえ、安心してくださって、私としても良かった、と思います。
「いいえ、いいえ。
だ め で す。
乙女は己の肌を徒に傷つけて良しとしてはいけません。
己の肌の手入れは、身嗜み、最低限の礼儀にも通じます。
愛おしい人ができて、痕を誇る野蛮な人でありたいのですか?
私の見たところ、剣をとって戦う騎士のような仕事ではありませんね。
それならば、一層怪我や痕には、注意するべきです。」
平気というのに、私は言いました、女性なのですから、めっ。とばかりに。
自分を低く見るのは勝手ですが、人に低く見られるのはいけないことです。
なので、私は彼女に背中を向けさせます。
そして、傷薬を作り出します。この結界は私の世界、私の思うものが確実に作り出せます。
彼女の背中に傷薬を塗り、傷を隠すために湿布を作り貼りましょう……これでしばらくすれば、後も残らずに治ります。
それが終わってから、よし、と頷きました。
■ニア > 「私も…小さい頃は両親と一族の者としか触れ合ってこなかったから…
人間ていう種族がどういうものなのかなんて、最近まで知る由もなかったしね…
吸血鬼のシュティレ、ね。
私はニア・ドラグーン。ニアでいい…よろしく」
最近というのは王国に来てからの10年間のことを指す。
この10年間、人間に対する感情は憎しみや嫌悪も含め、それぞれに個性のある生き物なのだと知った。
もちろん悪い人ばかりじゃないが、やっぱり人間に対する感情は未だ負のものから変わってはいないようで。
微笑みを浮かべる相手に対し、こちらもマフラーを下ろして微笑んでみせる。
人間に自分の姿が見られないのであれば、今の時に顔を隠す必要性はない。
どうやら、シュティレに対し不信感や不安は一切なくなったようだ。
「…そうなんだ。いつか、行ってみたい…
……も、もう…からかわないで……吸血鬼に言い寄られるなら貴方だけで十分」
頬を赤く染めながらまるで乙女のように恥じらう。
もちろん相手が冗談のつもりで言ったのは解っていたが、からかわれるのはいつだって恥ずかしさを引き出し、普段は見せない照れ屋な一面も露にするのだ。
「わ、わかった…」
シュティレの力説に渋々と背を向け、傷の手当てを受ける。
多少のくすぐったさから体を捩り、時折変な声をあげるが、相手は気にしているだろうか。
なんだか気まずい雰囲気に彼女はうつむいたままじっとしていた。
「……ありがと。
…なんだが、シュティレってお姉ちゃんみたい……
って、私には姉なんていなかったけどさ……」
手当が終わり、再び顔を見合わせるように座る。
そして少しばかり恥ずかしがりながらも告げた。
どこか暖かさの残るシュティレの言動に、両親の面影を重ねていたようだ。
■シュティレ > 「この世の殆どは、ヒトの世ですから、ヒト以外の種族は生きづらいのはありましょう。それに、私自身ヒトがどう言ったものか掴みきれてはおりません。
ただ、判るのは個体差が多く、呆れるほどに、貪欲という事ぐらいですね。正に、何事に関しても。
ニア・ドラグーン、龍人の女性、ふふ、覚えました。
よろしくお願いします、ニア。
あと、これはお願いなのですが……吸血鬼という呼び方、できれば、でいいのですが血族と呼んでいただけると嬉しく思います。
吸血鬼と聞くとヒトは、直ぐに襲いかかってきますので。」
私は、最後に一つのお願い、吸血鬼という呼び方も嫌いではないが、ヒトがそれを聞くとすぐに討伐だと叫びだす、なので、血族という言い方をしているのです。
ただ、人に見られたくないとか、言っていましたしヒトに良い感情はないのでしょう、なので、判ってもらえると思いお願いします。
ダメならダメで、それは仕方のないことです、諦めましょう。
不安の種は減らしたいだけ、で、雑兵程度が襲いかかってきても私には痛痒に感じることはありませんし。
「素敵な笑顔です。
そうですね、もし、興味が本当にお有りなら、声をかけて頂ければ、ご案内してあげますわ。
ふふ、二アの唇を吸って差しあげましょうか?
女同士で、このような事、ヒトであれば、目を背けるような背徳の行為ですけれど。」
頬を赤くするところ、初心であり、可愛らしくもあります、食べてしまいたいという心も浮かんでしまいましょう。
相手も本気にしておりませんし、冗談の延長としての。他愛のない会話の一つです。
そんな会話をしながら、私は彼女の背中に傷薬と、湿布の状態を確認します。
この会話が終わる頃には、もう完全に治っているでしょう、一安心と、息を吐き出しましょう。
小さな声は、擽ったいものとわかりますし、治療中です、今は気にしませんでした。
あまりからかってしまっても、怒ってしまいそうですし。
「あら、あら。可愛らしい妹、出来てしまいましたか?
そうであれば、いらっしゃいまし。
今だけでも姉として抱きしめて、頭を撫でてあげますわ?
――ニア。」
姉みたいだ、という言葉と、彼女が恥ずかしそうにしている仕草に私はなんだか嬉しくなりました。
きょとんとしてしまいましたが、両手を広げて笑ってあげましょう。
寄り添ってくれるなら、言ったとおりに抱きしめて、頭を撫でてあげましょう、と。
■ニア > 「そうね……私達の一族も昔から人に煙たがられたし…
人間達の興味心と好奇心が私達の一族を滅ぼしたし、人間のそういうあさましいところはほんとに嫌い…
吸血鬼じゃなく、血族ね…
覚えておくわ」
確かに、吸血鬼は人に恐れられている。
迂闊にその名を口にすれば自分よりも危険な目に遭うかもしれない。
吸血鬼という種がどんな種族なのかはわからないが、少なくとも目の前にいるのはこんな自分に優しく接してくれるお姉さんのような存在だ。
相手に迷惑を掛けるようなことはしないと約束しよう。
「…っ、笑顔……か…
…じゃあ、今度、お願いしようかな…
っ、うぅ……す、すればいい…じゃない」
笑顔を褒められたことはこの人生において一度でもあっただろうか。
両親以外からこんな風に気兼ねなく接してくれる人は今までいなかった。
皆、自身を腫れもの扱いしたり、まるで家畜同然のように嘲笑う者もいた。
そんな時代の中でも、シュティレのように心を開ける種族もいるのだと、
まだまだ捨てたものじゃないと改めて思った。
相手の冗談に見事釣られ、ムキになったかのように唇を尖らせる。
これでシュティレが本気にしたらそれこそ自分の負けなのだが、こうなると自分でも止められないものがあり、
恥ずかしさを押さえながら、彼女は告げた。
それならそれで身を任せるのがニアの生き方なのだと…
「ん……今だけ?
…できることなら、ずっとなんて……高望みかしら…」
両手を広げながら告げられた言葉に俯きながらも相手の胸へと飛び込む。
初めて同族以外の者に、彼女は甘えを見せた。
暖かい抱擁によって、普段は心の奥底に閉じ込めていた感情が見え隠れし始め、珍しく自ら何かを求めたのだ。
■シュティレ > 「残念ながら、この世はヒトの物。ですから……今は息を潜めて生きていきましょう。
幸い、この国はほかの国よりは寛容ですし、隣の国ならば私達のような存在が主流、其処にいればいいと思います。
ありがとうございます。」
理解と、同意を持って告げられてくれました、それには只々感謝の念を忘れません。
黙っていてくれるというその行為に、何がしかのお礼を、と。
「ええ、とても素敵な笑顔でした。ニアはそういうふうに笑っている方が良いと思いますよ。
ふふ、お任せあれ、その内、戻って観光案内の練習をしないといけませんね、誰か教えてくれる適任いたかしら。
口吸いも、自棄になってするものではありませんわ。
ですから。」
何か、自棄になって唇を突き出してしまう彼女に私はその額にちゅ、とキスを落とします。
彼女が、本気ではないその場に流されただけのことはわかりますから。
それに、彼女はまだまだ、若くも感じますから、本気の時にはお付き合いを考えましょう。
「ええ、今だけ。
ずっと、と言う言葉には幾つか意味があります。
本当の意味で妹になるというのであれば、貴女は自分を捨てなければなりませんわ。
ですから、〝今″だけ。
若しくは、そうですね……今後お会いする度に姉でいてあげましょう。
可愛いニア。」
彼女は抱きついてきて、私は彼女の頭を抱きしめ、撫でます。
妹という意味に関して思考し、言葉を選びました。
本当の意味で妹になるというなら、彼女は龍人をやめて血族に迎える必要があるでしょう。
彼女の言う意味はそういう意味ではないとおもいましたので。先ほどの感謝の意味を込めて。
彼女の前では、姉と振舞うことを約束しましょう。
貴女の心、安らぐ場所になればいいのですね?ニア。
ご案内:「タナール砦」からニアさんが去りました。
ご案内:「タナール砦」からシュティレさんが去りました。