2018/07/04 のログ
ご案内:「タナール砦」にタマモさんが現れました。
■タマモ > 少女が現れたのは、魔族の国の側だった。
なんちゃらの城から、やっとここまで戻って来れたのだ。
「何とも感慨深いものじゃな…いや、まぁ、理由は分かっておる訳じゃがのぅ?」
遠目に見える砦を前に、少女は歩みを続けながらの独り言。
はふん、と溜息を一つ、近付いてくる砦の光景に来る前に聞いた事への期待に胸を膨らませてはいたが…
「………して、この状況は何じゃろうか?」
聞いた話では、このタナール砦で色々と騒動が起きているそうな。
詳細までは聞いて無いが、この最近の暇っぷりを考えれば十分な刺激となる…はずだった。
が、うん、見事な程に何事もない光景が少女の前に広がる。
期待した、攻める守るの攻防さえ、一切無い。
まぁ、何事もない方が素通りが出来て楽ってのは、あるにはある。
しかし、期待外れの状況に落胆する己も居た。
■タマモ > 『やっと戻ったな、馬鹿狐』
そんな肩を落とす少女の隣、そこに気が付けば一人の男。
黒装束に、鴉の嘴を象った仮面を被っている。
「何じゃ、馬鹿鴉か…ここまで来ても姿を現わさんかったから、何事かと考えておったぞ?ん?」
驚いた風も無く、少女は男へと言葉を掛ける。
『主が離れていた間に、大きな変化があったのだが…その様子では気付いてないか。
キルフリートに向かった第七師団が大敗し撤退、主のお気に入りだった二人の内一人は死んだようだ。
後、不死人となり砦から王都へと攻めては消えてを繰り返している。
尚、第七師団の後任は…主の想像通りだろうと思う。
………あちらから持って来たらしき物は、ナズナ殿が全て始末したらしい。
主に関係し、伝える必要があるのは以上だろう』
「………そうか、分かった」
続く男からの言葉に、少女は短く返す。
その言葉を聞き、男は姿を消した。
■タマモ > 「まさに、夢幻泡影よのぅ。
せめて散り際は、美しくあったじゃろうか…?」
扇ぐ為に手にしていた扇子、ぱしん、とそれを閉じる。
「夢も理想も、現実とするのは本当に難しいもの。
せめて、安らかに………は、眠れんのじゃろうな。
地獄と同じく、永遠と続かん業の渦の中よ。
これもまた、人としての罪と罰か…」
目を細め、星一つ見えぬ夜空を見上げた。
今手にした扇子を懐へと戻し、それとは別の扇子を取り出す。
■タマモ > 「お主の番を渡してやったが、果たして気付くかのぅ?
その心が本当に強い想いを求める時、新たな生を生み出すのを…
一つの未来を見たお主だからこそと、可能性を見たが…さてはて。
まぁ、気付かねば、延々と操り人形じゃろう」
手にした扇子を見る。
番であるこれが、まだそのままと言う事は、気付いていない証拠だ。
すべての種族が手を取り合い、共に暮らす世の中。
己の矛盾に気付き、それに向かう為に動こうとする意思。
それがあれば応えるだろう、この神扇は、己の力と引き換えに。
まぁ…あくまでも、可能性は可能性だ。
その可能性が零となった時、番は再びこの手元に戻って来るだろう。
■タマモ > さて…少し長居をしたか。
そう思えば、少女は再び歩き出す。
扇子をしまい直し、ぽんっ、と唐傘を出せば肩に添えて。
「………あぁ、頭が痛い…」
うん、らしくなく真面目な事を考えてしまった。
たまには終わりまで続けたかったが、耐え切れなかった。
悲しきかな、この性質、である。
■タマモ > 「まぁ、当初の問題は…矛盾を持たしたまま、戻そうとする連中じゃな。
安直に、それを行わなければ良いが…」
もう一度だけ溜息を吐けば、そのまま、少女は砦を抜けて行った。
ご案内:「タナール砦」からタマモさんが去りました。
ご案内:「タナール砦」に仮面の魔将さんが現れました。
■仮面の魔将 >
タナール砦にはかなりの数の傭兵団が駐留していた。
酒場に張り出された謎の依頼。その依頼の報酬は、破格の百万ゴルド。
つられた傭兵達は自慢の装備を持ち寄り、タナールに詰めている。
なに、所詮はアンデッド、それも下級のスケルトンやらグールばかりだと言うではないか。
そして。
仮面の魔将があらわれる。
率いるのは相変わらずアンデッド。それも、大半は下級の。
傭兵達はニヤリと笑い、どう仲間達を出し抜くかを考えはじめる。
■仮面の魔将 >
『――戦争の時間だッ!』
仮面の魔将の号令一下。アンデッド達が雄たけびを上げる。
歴戦の傭兵達は慌てて出撃などしない。死んだら元も子も無いではないか。
飛び道具を構えながら、アンデッド達が城壁へ近寄ってくるのを待つ。
砦の四方はそれぞれ傭兵達が防衛を担当し、兵力も充分。
あとは魔将がノコノコ近づいてきた所を狙撃して――
そのような傭兵達のプランを嘲笑うかのように。
轟音と衝撃が砦を襲った。
「な、なんだ、何の音だ!?」
「大砲だ! アンデッドの連中、大砲なんて持ち出してきやがった!」
アンデッドの陣から濛々と登る煙。
そして、城壁や城門、ひどい時には城壁の上に着弾する――肉と血。
アンデッド達が撃った大砲から撃ち出されているのは、ただの砲弾ではなかった。
「死体だ! あいつら、大砲に死体詰め込んで撃ち出してきやがる!!!」
歴戦の傭兵達が悲鳴をあげる
■仮面の魔将 >
もちろん、通常の弾に比べて破壊力は比較にならないほど落ちる。
だが、傭兵達とて散乱する肉片や血を浴びて正気を保っていられるわけがない。
たまらず傭兵達が城壁の上から引いた所で――仮面の魔将の声が響き渡る。
『おきろ餓鬼ども、食事の時間だ――サモン・アンデッド!』
降り注いだ肉片を触媒として。
タナールの城壁上、そして城壁の真下に、ゾンビ達が出現する。
いきなり砦内部に侵入を許す事になった傭兵達は、一気にパニックへと陥る。
「な、なんだよこれ、なんなんだよ!?」
「くそっ、他の城壁の連中を呼んで来い!」
砲撃を受けた城壁は大混乱に陥るが。
それを見逃す程、魔将は優しい相手ではなかった。
『――全軍、突っ込め! 城門をブチ破るぞ!』
■仮面の魔将 >
一度傾いた流れを戻す事は不可能。
第七軍はあっという間に城門を破り、タナール内部へとなだれ込む。
傭兵達はすぐさま逃げを打った。
当然だ。こんな戦場で死ぬなど馬鹿げてる。
あの依頼主め、見つけたらただじゃおかない――
この地獄のような戦場で、百万ゴルドは安すぎる!!!
『一匹も逃すんじゃねぇぞ!』
王国方面へ逃げようとする傭兵達に向かい、城壁上から容赦なく銃弾が浴びせられる。
魔将に付き従うレギオングールたちは、手に持つ銃で正確に傭兵達を仕留め続ける。
――結局、タナールは陥落、傭兵達は多くの犠牲を払い撤退。
魔将率いる第七軍は再び王国内へ侵攻しようとして崩れさり――
魔将自身は、魔族の国の方角へと去った
ご案内:「タナール砦」から仮面の魔将さんが去りました。
ご案内:「タナール砦」にロザリアさんが現れました。
■ロザリア >
『あれ』が砦と何度も攻めていると聞き、様子を見に訪れた
もう砦に手出しはしないと口にしたものの、こういった状況であれば已む無しである
砦は随分な光景ではあるものの、当人の姿はなく───
「いくら砦を攻めようと、旧神の加護の残る人間の地には踏み出せぬというのにな」
月明かりの下、ドレスが夜風に揺れる
砦を見下ろすように中空に佇むロザリアはやれやれと溜息をつく
ご案内:「タナール砦」にヴェルムさんが現れました。
■ヴェルム > タナール砦の防衛部隊が壊滅、またしてもだ。
名うての傭兵を寄り集めた程度では、あの男は止められないということだ。
案の定生き残りの話が広まったことで、新たな傭兵団を集おうにも人が集まらない状況。
当然そんな時は捨て易いところから人を送るだけだ。
「…誰もいないって話じゃなかったかな」
部隊を引き連れタナール砦へ向かっている途中、先に現在の砦の状況確認をするためにヴェルム率いる元ティルヒア上級騎士の少数精鋭部隊が、早馬で砦へ訪れたところだった。
砦を見下ろすように上空に佇む一人の少女の姿…まず人ではないそれに精鋭隊は戦闘態勢を取り始める…が、ヴェルムがそれを制した。
「余計なことをするな、まずは様子を見る…」
部隊をその場にとどめ、ヴェルムはひとり砦へ向かい馬を歩かせていく。
当然視線は上空の少女に向けてはいるが、いまいち警戒はしていない様子。
■ロザリア >
「…吾が関するようなことでもない、か。
──何か言ってくる輩がいたら適当に説明すれば良かろう」
基本的には面倒を嫌う基質
長い髪とドレスの裾を風に棚引かせる少女は、馬の接近にまるで気がついていないように、ただ砦を見下ろし佇んでいた
■ヴェルム > とくに動きがない、というよりはこちらのことなど気にしていないということだろうか。
少なくともすぐに手出しをしてくるような人物ではないらしい、報告書の内容とは食い違うな。
「…こちらは王国軍第十三師団師団長、ヴェルム・アーキネクト。
貴君は…吸血鬼のキルフリート殿でよろしいか?」
こちらの与えられた任務はタナール砦の確保と新たな部隊が来るまでの防衛。
ただ、真上に吸血の姫があってはままならない。
戦う意思が無いのならそれでかまわないのだが、果たしてどうだろうか。
まずは一応の自己紹介、そして相手の正体について訪ねてみよう。
それに一つ、彼女に伺ってみたいこともあったことだし。
■ロザリア >
「……?」
かけられた言葉に、ゆっくりとロザリアは振り向く
地上にヴェルム率いる数名の兵士が見えれば、僅かに目を細めて
「…キルフリートは城の名だ。吾の名はロザリア…、間違えるな、人間」
大声でない筈のその声はなぜかはっきりと聞こえる
名を名乗ったにも関わらず"人間"と呼称する少女は、異質な存在であるという雰囲気を増してゆく
言葉を投げかけると、少女はゆっくりと舞い降りるようにして地上へと降り立つ
■ヴェルム > 気にしていないというより、気づいてなかったという反応を見せた。
ということはここにいる目的は、恐らくアンデッドの襲撃の様子見…なんとなく見に来たと言うような感じが正しいか。
「これは失礼を、ロザリア殿。
…自分の傀儡の働きでも見に来られた…と言ったところでしょうか」
相手と距離があっても、声はすぐ近くにいるかのように聞こえる。
彼女ほどの魔族であればなんのことはない。
ヴェルムはゆるりと地に降り立つ少女を前にして馬を降りたが、携えた剣には手を掛けなかった。
十三師団にとって魔族は身近な存在のはずだが、目の前の彼女はそれとは一線を画する存在感。
ヴェルムの後方に待機する部下たちは臨戦態勢といったところだが、ヴェルム本人はいかにも普段どおりといった感じで話しかけた。
■ロザリア >
「さて、どうであったか。
…その様な殺気を向けられたままでは真実も話しにくいな」
細待った視線をヴェルムの背後…
後方でいつでも戦闘ができるといった風情の者達へと向けられる
「それとも、この砦を落とした者が吾の傀儡であったならば、この場で主である吾を討とうという算段であろうか」
■ヴェルム > 「どうかご容赦を、それが彼らの仕事ですので。
少なくともこの会話は聞き取れますまい」
いつでも切り込んでいける姿勢を崩さない後方の部下たち。
さすがにそれを下がらせるような真似はしない。
距離はあるため、二人の会話は聞こえてこそいないが、何かあれば突貫してくるだろう。
「…いえ、オーギュストが勝てなかった貴女に挑もうなど思っておりません。
それに舜胤にとっても大事なお方でしょうから、彼女は元気にしておりますか?」
オーギュストがどういった戦術でロザリアと戦ったのかは不明。
勝てるかどうかもわからないのに、挑もうなどこれっぽっちも思っていない。
それに彼が負けたのに、自分が勝ってしまったら…いろいろ大変なことになるから。
戦わない理由のもう一つは、かつて十三師団にいた元魔王、舜胤の存在。
彼女と再会した際にロザリアのことも聞いていたため、彼女がその後上手くやっていけてるか、心配していたから。
■ロザリア >
「ふむ、嫌味で言ったのだが。
……む?…ああ、そういえば、十三師団などと言っていたな…」
忘れていた、という様子で言葉を返す
その少女は馬の接近する気配にも気づかず、今も丸腰で隙だらけだ
なぜこんな少女にあの猛将が不覚を取ったのかと不思議に思う程に──
「敵の国に寝返った者を心配するとは。人間の考えることはどうにも理解が及ばぬ。
気にしたところで、どうにかなるものでもあるまい?
…そんなことよりも、自分達が無事に王都に帰れるかどうかの心配をしたほうが良いのではないか…?」
■ヴェルム > こちらの存在に気づかず、さらに隙だらけの少女。
確かに今ならやれる…なんて考えが及んだりするかもしれない。
だが結局オーギュストはああなった。
大物ゆえの余裕なのだろうということで、一切手を出すそぶりを見せない。
「例え寝返った仲間だろうと、気になるという考えに至るのは人も魔族も変わらないと思いますよ。
…そういうご友人とか、いらっしゃらないんですか?
砦を確保していろという指示なので、しばらく王都へは戻りませんし、それに王都には住んでませんので帰れるかどうかと言われても…」
かつての仲間だろうと気に掛けるのはどの種だろうと関係ないだろうと。
そういった気に掛ける友人が彼女にはいないのだろうか。
やや交戦の意思を見せ始める彼女に対して、素なのか皮肉なのかわかりづらい返しをし始めた。
■ロザリア >
「ならば理解できぬし、人間に尻尾を振るような真似をする者を友とば呼ばぬ」
その眼を伏せ、淡々とした受け答え
やがて皮肉とも取れる言葉が降り掛かれば、ゆっくりとそのエメラルド色の瞳を開いてゆく
「砦を取り返せば、またあの男が現れるかもしれぬのだぞ」
■ヴェルム > 「そうですか…人より長く生き、知識も経験も遥かに多い魔族と言っても、石頭なのは人と変わらないね」
少々、期待はずれだと言いたげな視線を向けて微笑んだ。
オーギュストを打ち破り、舜胤に信頼されるロザリアという人物がどれほどのものか楽しみにしていたが。
彼女のエメラルド色の瞳を見ても、その表情は崩れない。
「なら、好きなだけ攻めさせてやればいい。
無益な戦いを繰り返させるなんて、あの男の死後の人生にはお似合いだ」
いつの間にか砕けた言い回しになりつつ、砦にあの男が現れても構わないとのたまう。
現れた場合の対処法でも頭に浮かんでいるのかどうか。
■ロザリア >
「ふむ。無理に理解せよとも、そういった期待も持ってはおらぬ。
警告のつもりであったが、では好きにするがよい。吾もあの男の好きにさせておくとしよう」
そう言い残し、無防備なその背を向けて
「同じ人間が死後の永遠の争いに囚われる様を似合いだという。
──やはり吾は貴様ら人間を好きになれそうにはないな。
せいぜい、争い好き同士で殺し合っていると良い」
ケープを羽織るように漆黒の翼が現れ、月夜の先へと、飛び立っていった──
ご案内:「タナール砦」からロザリアさんが去りました。