2018/06/15 のログ
ミリーディア > 「さて……戻って寝直そうか」

展開している転移の魔法陣、其の上に立つ。
大きな欠伸をする少女は其の侭姿を消した。

ご案内:「タナール砦」からミリーディアさんが去りました。
ご案内:「タナール砦」にフォーコさんが現れました。
フォーコ > 魔族側が攻勢を強めれば、当然こちらも備えを厚くする。
その結果、現在この砦を守備する部隊は以前よりも数が多くなった。

我が第五師団のみならず他の組織からも隊が送られ、今や混成部隊と化していた。
船頭多くして船山に登るになりかねない所もあるが、皆この砦を重要視していると言うことだろう。

私は今、砦の物見台の一角から砦の周囲と砦の中を見渡していた。

最近はとかく不思議なことが多い。
魔族が隊をまとめたと言うことも驚きだが、今回砦を取り返した十三師団の手際の良さもだ。
めだった被害を受けることもなく、また砦に大きな損害を与えることもなかった。

いつもいつも戦場を火の海にしている私とは対極的と言えるだろう。

「…何か裏技を使ったのだろうか。」

あの隊はとにかく戦力が豊富だ。
私など想像もつかない良い手を考え付いたのだろう。

まあ、頭を使う仕事は相変わらず苦手である。
見ても居ない物をあれこれ考えても仕方あるまい。

部下たちには不審な物があれば報告するようにと伝えてある。
何か見つかればいいのだが。

フォーコ > 部下の一人がやってきて、気づいたことを私に告げる。

「なるほど。 ありがとう。」

砦内にある筈の食糧の類が全てなくなっているとの事であった。
私が制圧した時など、魔族の酒と食糧で宴を開いたほどだ。
彼らが戦利品として持ちだしたのかもしれない。

他にはやはり交戦の後が見受けられないとの事であった。

部下はそれだけを報告すると持ち場に戻って行った。
彼女の背中を見送ってから今度は砦内を見下ろす。

催眠効果のある魔法でも使ったのだろうか。
それならば交戦が起きなかったとしても不思議ではない。

これ以上手がかりになるような物は出てこないだろう。

とにかく、私は今日一日この砦を守備することは務めだ。