2018/06/09 のログ
ご案内:「タナール砦」に紅月さんが現れました。
■紅月 > ーーーからころ、からころ。
久方ぶりに人間が砦を奪い返した、と、聞いたときに。
せっかくの長期休暇が終わっちゃったな、とか、また私(治癒術師)の戦が始まるな、とか、思う所は色々あれど。
…敵将と死合ってみたかった、なんて、まさか口が裂けても言えるはずもなかった。
ほぼほぼ訳もわからない状況で、周囲の兵士が城門に駆けていく中…怪我人や撤退する人々を誘導し援護し、最後尾で帰路の護衛をして。
…道中、幾人かの魔族を切り伏せた。
たぶんそれがいけなかった。
この身に流れる鬼神の血が疼く…闘争への渇望に体が、血が滾る。
最早本能に刻まれたそれは、簡単にどうにか出来るものではなく。
結局、いつもは他者から血を分けてもらい飲ませて貰う形で体内に取り入れて、気を鎮めるのだが。
…今回はどうも、気が荒ぶる。
しかし、しかしだ…冷静にならねばなるまい。
今は迎えてくれる人間も居るのだし、年甲斐もなく戦場で遊んでいる場合じゃない。
きちんと帰らねばならなくなったのだ、絶対に。
…故に、だからこそ。
「はい、次の方…あちゃ、こりゃあ手酷いねぇ。
ちょっと時間かかるけど大丈夫、安心してなね?」
だからこそ、己の自制の修練の為にも、あえてタナールに舞い戻った。
お馴染み、臨時治癒術師の紅月である。
■紅月 > 正直、私を本当に知っている幾人かに頼み込んで手合わせをしてもらうか…なんて、本気で考えもした。
けれどもひょっこり、己の中の御人好しが顔を出して囁くのだ…友を襲う気か、と。
さすがにもう、そうそう簡単に血に躍らされて前後不覚にはならない、はず…だけれども。
…やりかねない、己は快楽に弱い傾向があるから。
「はい次ー…うん、応急措置が甘かったら死んでたわね。
この人を看病したの誰かしら、いっそ治癒師に欲しいんだけど」
思わずぼやく、この忙しさよ。
心臓や脳に近いところから優先して、徐々に治癒させていく。
…新たに現れたら将とやら、それとの戦いは回を増す毎に、致命傷に近い患者がどんどん増えてる気がする。
着々と、人間が圧されているのが…治癒術師だからこそよくわかる。
「お上は何をしてんのかねぇ…
……うん?いや何でもないよ。
はいはい、休憩頂いてきますー」
無我夢中で目の前の怪我人を治し、他の治癒術師からストップをかけられる…このやり取りも久々だ、懐かしいな。
■紅月 > 「いやぁ、疲れた疲れた…
んぅ、くぅー…やっぱり此所が一番落ち着く」
砦の出入り口付近、見張りの兵士の邪魔にならない程度に端っこ…というより、木に凭れ掛かって。
木の根に腰を下ろしての休息。
よく『ベッドで寝ろ』と言われるのだが…大地の精の血の影響で、土や植物の近くの方が回復が早いのだ。
「ふわ、ぁ…ホント、何かやたら疲れた。
空気が淀んでるからかねぇ?」
■紅月 > 「もうヤケだ…砦の向こう、戦場跡の地縛霊とか逝けずの魂とか全部送ってやろうかね。
そしたら…紅のこの煩悩も、少しは鎮まるかもしれんし」
やろう、そのうち、絶対に。
ふゎわゎゎ…欠伸ひとつ。
今はただただ、のほほんと…
ご案内:「タナール砦」から紅月さんが去りました。