2018/06/01 のログ
ご案内:「タナール砦」にヴェルムさんが現れました。
ヴェルム > 王国軍に奪還されて久しいタナール砦。
それが遠めに見える小高い丘の上に馬を走らせてきた一人の騎士。
夜となって砦には松明の灯りが煌びやかに輝いているが、砦のさらに向こうを見れば魔族の国との争いによって荒廃した地が広がるのみ。
別に砦の支援に来たわけではない、何か考え事をしたりするときはこういうピリピリとした空気を漂わせる場所に訪れたくなる。
頭も冴えるし、魔族の国の雰囲気も感じられる場所だ。

「まったく…いいように使われた気分だな」

先日の任務が軍の広報により発表されが、事実と大きく異なる内容だった。
今まで十三師団の名前が表に出ることなどありえないことだった。
ミレーだけでなく魔族も表立って引き入れているのだから当然だ。
それがこのような形で世間の目に晒されることになるとは。
王族や貴族連中は、こうした発表をすることでテロの標的を十三師団に挿げ替える狙いがあったのだろう。
安っぽい目論見だが、その効果はあったらしい。
匿名で誹謗中傷、殺害予告といった手紙が送られるようになり、拠点の警備を増やす事態になってしまった。

ヴェルム > 馬を降りれば適当な木の根元に腰掛ける。
馬も慣れた様子で、その場の草をもしゃもしゃと。

「中間管理職って、大変だ…」

本来であれば、ティルヒアの一騎士として働いていたはずの身。
それが今や王国軍で師団のひとつを纏め上げろと引っ張りあげられてしまった。
軍勢を持つにはあまりに若すぎるというのに。
今回の件でひしひしと感じるのは、王族や貴族の巧妙さだ。
彼らは腐敗こそしているが、間抜けではない。
油断すれば足元を掬われあっという間に底へ落ちてしまう世界でしのぎを削っている連中だ。
人を操り、群集を操る能力に長けた者たち…。
そんな連中相手に下手な素振りを見せれば、どうなってしまうか想像に難くない。
まぁ、他の師団と違ってそんな気などさらさらないが。

ヴェルム > しばらくこうしてゆっくり考える時間を過ごし、重い腰を上げて拠点へ戻ることに。
拠点に戻れば警備状況の確認や搬入物資のチェック、部隊の編成のし直しなどに追われることになる。

ご案内:「タナール砦」からヴェルムさんが去りました。