2018/05/31 のログ
影時 > 「場所としては重要なれども、最悪奪われることも計算に入れているとしてりゃァ……こんなもんか?」

己を抱えている貴族でも通じて、より情報でも集めればまた違った価値観や視点にも気づけるだろうか?
この場所を徹底的に固めていても、次第によっては奇策で奪われるということはよくある。
であるならば、争奪戦となること弁えておけば、結果的に敵を先に進ませない最低限の防衛線となるのだろう。

「あとで進言でもしておくかねぇ。近くに毒草の類でも転がっていればいいんだが」

酒瓶を傾ければ、ぽたりと一滴だけが零れて落ちる。気づけば飲み干していた。
呑み足りなさに苦笑と共に肩を竦め、纏う外套を揺らして下に降りる階段の方へと歩んで行こう。
魔族領側に進めば、自分の知る毒草の類もあるだろう。
わざと兵糧の類を残して、撤退しておけば同様にひっかかることもある――かもしれない。
処分に手間取る隙を突いて攻めるも、どうするも、あとは攻め手次第だ。

あとは見遣って、あるいは混じって愉しむだけだ。そう思いながら、今宵の己の任を果たそう――。

ご案内:「タナール砦」から影時さんが去りました。