2018/03/21 のログ
ご案内:「タナール砦」にゼロさんが現れました。
ゼロ > タナール砦に常駐するのが第七師団。
 その一員であるゼロも基本的にはこの砦に常駐し毎日のように起きる小競り合いに参加している。
 未だ自分の立ち位置というか所属部隊が決まらない……というよりも、所属する部隊を決める将軍が行方不明らしい。
 らしい、というのは噂ではあるが、長いあいだよくそれが消えることなく流れている。
 どうした物なのだろうか、というかどうするべきなのだろうか。
 少年は一人考える。

 今宵も、一人で魔族の国方面の門番として立ち尽くす。
 けが人が多く人出が少ない、体調が万全に近いからこそ、一番危険な場所に配置される。
 所属が決まっていないからというのもあるのだろう、だけど、一人考えるには有用だと思う。

 もし、解体されたら自分はクビとなるのだろうか……。
 もし、クビにならないとしても、そうなるとどうなるのだろうか。
 もし……。

 いろいろな思考が流れ、イフを積み上げていく。
 そこに答えは、見当たらなくて。

ゼロ > 大きく息を吸い込んで吐き出す。仮面の中に不思議と吐息は充満しないで、熱もこもることがない。自分の顔の一部のようだと仮面に触れて思う。
 思考がずれてきていることに苦笑をこぼして、視線を先に向ければ、仮面の力で昼間のように見える周囲に怪しい影はない。
 魔法で隠れようとも、この仮面は看破もする、今のところの安全は保たれているようだ。
 ほかの場所の歩哨や、内部警備からも、異常の声は聞こえないので、もう少し門番としての警戒を引き締めることにする。

 言いようのない不安を、心のどこかで感じている不安を、仕事に従事することで見ないようにしているとも言える。
 それは、自分でも十分に把握できて、だからこそ……何とも言えない。
 ただただ、少年は前を見据えることにする。

ゼロ > 先程の襲撃を思い返す。
 普段の魔族らしく統率の取れていない動きで、散発的なものであった。
 野良の魔族のグループの襲撃とも言える、魔族の軍ではなく、魔族の群といった感じだ。
 それでも、人間から見れば十分驚異であり、そのせいでそれなりのけが人が出ている。
 魔族の軍が何時動いてくるのかはわからない。その予兆に警戒するべきであろう。
 時折、確認するように空を見る。
 魔族は空を飛べるものが多いし、夜に飛ばれると厄介である。
 この仮面の一番の利点はこれではないだろうか、空も昼間のように見えるから飛んでいれば一発で発見できる。
 前はそれで見つけて、木を一本まるまる投げつけて撃墜できた。
 今は、空を飛んでいる様子はなさそうである。
 安心してもう一度前を見る。

 こう、この胸の内を共有できる戦友とか欲しいなあ、と思わなくもない。