2018/01/10 のログ
ご案内:「タナール砦」にゼロさんが現れました。
■ゼロ > タナール砦は、守勢を崩していないお陰か、長期に渡って人類の側にある模様。
それ自体は良い事ではあるが、少年としては不安を禁じえない。
長い平穏は慣れとなり、慣れてしまうと意識が薄れてしまうものである……弛れてくるとも言い換えることができる。
人間ゆえに仕方のないことかもしれないが、ここは意識を引き締め直すべきである。
―――そう考えているのが自分しかいないと言う事でない事を祈るのみでしかない。
今宵も、魔族の国の方面を見守る見張りの役割を与えられて少年は外に立つ。
相方は居らず少年一人で立っている。
元々いないのか。もしくはサボっているのか、どちらにしろ一人という事実に変わりはなくて。
仮面をつけたままの少年は夜の闇を物ともせずに、歩哨を続けている。
今の所は、異常は見られず
■ゼロ > 冬の夜はとても静かでとても澄んでいるように思える。
個人的な感傷でしかないかもしれないのだけれども、寒くて人があまりでなくなるので、ほかの季節に比べて外は静かになるから。
此処は最前線の砦だし、一定人数の兵士はいるから、夏だろうが冬だろうが変化はないといえば無い。
お喋りな人間が多ければ、雑談が聞こえて、口下手が多ければ静かになるぐらいだろう。
ほかに言えば、魔族がやってきて戦いになるぐらいか。
その場合は、煩い静かなんて気にしていられる状態ではないものだが。
静謐な砦の外側を静かに見つめ続ける。
交代の人員が来るか、中へ緊急事態を告げに戻らねばならぬ時か。
何がしかがなければ少年は、このまま外で、魔族の襲来を警戒し続けることになる。
それが、今、少年に課せられた任務であるから当然のことをしているのではあるけれど。
■ゼロ > 少年はふと、上を見上げる。
月が見たいと言うのもあったが、空を飛ぶ魔族もいるし、空も警戒の対象と言える。
どちらかといえば、空は塔の上の見張りの領分ではあるが、警戒しておくに越したことはない……とは言え、特に見えるものはなかった。
夜の闇でも昼間のように見えるが、そこに特に見える存在はいなかった。
そのまま、軽く月を見ていたところ、不意に肩を叩かれる。
そちらの方を向けば、二人組の男が立っていて見張りの交代の時間だと伝えられる。
月の傾きも相まって、ああ、そんな時間かと頷けば少年は同意の言葉と今先程までの状況の引き継ぎを行う。
それから、少年は砦の中に戻っていく。
夜も遅いが腹も減ったので、食堂に行く事にする。
こう言うところでの数少ない娯楽といえば食事である。
街に比べていいものではないとしても、食事は心が安らぐものである。
なので、夜食でも配給してもらおうと、足を向けて石畳の廊下を歩いていく。
■ゼロ > しばらく歩いて、食堂に到着する。
食堂にたどり着けばカウンターの方に移動して、補給兵の人に食事を頼むことにする。
夜番用の食事を注文してからしばらく待てば、トレイに一人分の食事が提供される。
味付けは簡素で、量を多くしただけの食事なのだが、お腹のすいた今の自分には、これも十分ご馳走であった。
トレイを受け取り、食堂の隅っこの方の席へと移動する。
仲の良い兵士とか、友人とかはほとんどいないから基本食事はひとりである。
夜番だというのも大きいだろう。
人の余りいない食堂なら、どこでもいいとは思うが基本的に隅っこの方を選んで腰を掛ける。
この辺は対人コミュニケーションの薄さが起因したものなのかも知れない。
少年は静かに仮面を少しだけずらして器用に食事を開始する。