2018/01/08 のログ
■タマモ > 兵士となった少女は、廊下の先へと進んで行く。
人間の気配を探り、一人となっている、手の出し易い獲物を求めて。
手始めに手に掛けた見張りを除き、こうして屋上から何人もの兵士を殺めていた。
時に、気紛れに弄んだりもしていたが。
そうした相手も、人の目の届かぬ砦の片隅で、己が与えた夢現の世界を楽しんでいる事だろう。
「やはり、人間は大した事もない、弄び愉しむ程度の価値しかあるまい。
それにここを支配されたままの魔族も、似たようなものじゃろう。
…せいぜい、妾の遊戯を楽しませる駒となって欲しいものじゃ」
通路の先に向けられた瞳が、すぅっと細められる。
次なる獲物、この先にある部屋のどこかで、何をしているのかは分からないが、その周囲に他の気配はない。
ゆっくり、ゆっくりと、近付いて行くのであった。
■タマモ > 「さて…まだ楽しみ足りぬ、もっと妾を楽しませるが良いじゃろう。
そう、お主等のすべてでのぅ…?」
呟きながら、廊下を曲がり、その気配に続く扉の前。
音も無く開いてゆく扉と共に、今は兵士である少女は部屋の中へ…
その部屋の中から続くのは、何も聞こえぬままの静寂であった。
それから、どれ程の時間が経ったのだろう。
少女の消えた砦内は、しん、と静まり返る空間となっていた。
結局のところ、そこに残るのは物言わぬ屍ばかりとなっていたからだ。
ご案内:「タナール砦」からタマモさんが去りました。