2018/01/03 のログ
ご案内:「タナール砦」にゼロさんが現れました。
■ゼロ > 人間側の手にあるタナール砦に、今日も銀の鎧の兵士は門の前に立つ。
門番の仕事を承り、数時間冬の風に吹かれながらも静かに門の外からの来客を待つ。
魔族の軍も今のところは成りを潜めているのだろう、静かなことである。
ただ、彼らがいつ来るかというのは判るものではないから、警戒が必要であるのだ。
少年は周囲を見回すも、特に誰かがいる様子もない、仮面が真昼のように見せてくれる風景にも、兵士の耳にも異常は今のところ見受けられない。
交代の時間までまだもう少しある、軽く息を吐き出せば仮面の中で少年の吐息が循環して漏れていく。
おそらくいま、砦の中で休憩中の兵士は酒を飲んだり騒いだりしているのだろう。
羨ましいとは思えないというか、どういう神経しているんだろうとは思う。
友人の一人もいない少年では理解の及ばないことであった。
友達さえできれば変わるのだろうかと、思考がずれていくことに気がついたので、息をひとつ吸い直し、気を取り直す。
少年は視線を闇夜に向けて再度の警戒。
■ゼロ > 時折、風が吹き体を冷やしていく。
近くに篝火が有るから、凍えないが寒いことは寒い。
門衛ではなくて、場内のパトロールのほうがいいよなあ、なんてそんな希望を覚えるが、益体のないことでもある。
もうすぐ交代の時間だと思うと時間が遅くも感じられて辛くなってくる。
せめて誰か居てくれれば会話もできて、気が紛れるんだけどなぁと思う。
酒は飲めなくても楽しそうにしていること自体は、すごく羨ましく思えるし。
思考がそぞろになりつつ、視線だけは前に。
やはり今のところ、特に誰かが来るような気配はなさそうだ。