2017/10/16 のログ
ご案内:「タナール砦」にツールさんが現れました。
ツール > 馬車の手綱を操り夜の街道をタナール砦に向かう男。
馬車を操りながら、男は一度寒さに体を震わせる。
「懐炉代わりに犬を連れて来ればよかったか…」
店に置いてきた犬を思い出しながら男は小さくため息を零す。
ため息は白くなり、後ろへと流れていく。

ガタゴトガタゴト。
退屈な音が尻を伝わりあがってくる。

「やれやれ この年になると、この揺れも応えるもんだ…」
そんなボヤキを漏らしながら、男はスキットルを懐から取り出し口につけ傾ける。
口に広がってから喉、胃と落ちていくウィスキーにふぅと落ち着いた一息を漏らした。

ツール > ガタゴトガタゴト
木で作られた車輪が回り、地面の凸凹や轍等を小さく乗り越えるたびに振動がダイレクトに腰へと伝わってくる。

こんな商売をする前であれば、馬を操り、時に戦場へ出ていた。
殺されかけたり、逆に殺したり。
傭兵として満足の限りではあったが、
戦場で死ぬことも出来ずに、今は武器屋を経営している。
内に燻りを感じながらも、今では以前の様にも得ることも出来ない。

「ちっ 寒くなるといつもこれだ…」
男の壊れた右足首。
気圧が低くなったり寒さが来ると体の内側からの鈍い痛み。
男は足を組み、その足をさすり始める。

「全く。次からは取りに来させるか…。」

ツール > 「あぁ ようやく砦がみえてきた。」

街からいったいどれほどかかったろうか。男はため息を漏らしながら目的の場所へと向かっていくのであった。

ご案内:「タナール砦」からツールさんが去りました。