2017/08/30 のログ
ゼロ > 今、ここにいるのは雑兵のみなのだろう。
 少年を止められるものは居らず、ある者はナイフで首を跳ね飛ばされ、またある者は、殴り飛ばされて窓の外に落ちていく。
 武器を持つ者は、狭い道に引きずり込んで上手く振れないようにして倒し。
 素手や自分の肉体が武器の奴には、手近な魔族を投げつけて接近して処理をしていく。
 魔法が得意なものは……全力で体当たりから顔面を滅多打ちに。
 止まることなく駆け抜け、牢番を見つければ襲い掛かり、鍵を奪う。
 そして、地下の牢屋へと入っていく。
 かつん、かつん、階段を下りながら考える。
 もしかして、仮面つけてたから魔族と勘違いされたとか……ないよなぁと。
 なぜ自分が捕まっていなかったかを考えて、答えがでないのでもういいや、と思考を停めて。
 牢の中を見回す。
 仮面のおかげで明かりがなくても見えるので、こういう時は便利だ。

「――――誰か、いませんか?」

 牢屋の中に、少年のくぐもった声が響く。

ゼロ > ―――居た。
 微かな声で助けを求めるのは、恐らく治療のために随伴してきてくれた、神官や薬師など、非戦闘員。
 それを確認してから、鍵を開けていき、一人では連れていけない旨を。
 鍵がここにあるから、ここに篭城してもらう旨を告げよう。
 人手が多ければ、自分以外の護衛がいるなら、逃げてもらうのも手なのだが、そこは仕方がないだろう。
 鍵を渡し、ここで待っていてもらうように。
 ここから出たらまず食堂を襲撃して食料を手に入れてくるのでと約束。
 上が混乱している状態でわざわざここにかまけるやつもいないだろうし、鍵がこちらにあるならむしろ安全だ。
 なぜなら、魔族を捕まえられる牢屋だ、魔族が逃げ出せないなら、攻め入るのも難しいだろう。
 鍵がなければ入れないし。

 説明した後、少年は彼らに待っていてもらうように告げ。
 合言葉を作ってから、牢屋を後にする。
 最初の目的地は、当然約束したので、食料のある食堂。
 備蓄があるはずだから、先ほどの非戦闘員の数なら大丈夫だ。

 地下から上がり、少年は魔族を蹴散らしつつ廊下を走る。

ゼロ > まもなくして、到着した。
 ざっと見てみたが、食料も、飲み水も大丈夫なようだ。
 それならば、と保存のきく食料を大量に空いている樽に詰めるだけ詰め込んでいき。
 もう片方にはたっぷりと水を。
 それを詰め終えたら、両方とも担いで、少年は戻る事にする。
 来る間にそれなりに魔族を倒していたからか、それとも既に去っているのかはわからないが、数は少なく、走り抜けることができた。
 地下牢に戻り、合言葉を言って食料と水を渡したら再度鍵をかけてもらい、別の合言葉を作ってから出ることにする。

 そして、少年は一人で砦の中を駆け巡ることになる。
 魔族を倒し、部屋を確認して。
 また別の場所へ移動。

「それにしても……可笑しい……。」

 残っているのは雑魚ばかりにも見える。
 将軍とは言わないが、それなりに実力のある魔族がいてもいいはずだ。
 引き上げたのだろうか。
 首をかしげながら少年は奪還を繰り返す。

ゼロ > しばらくの間首をかしげながらも少年は、雑魚の魔族を倒していく。
 どういう事なのだろうか、と考えながら。
 そのまま、しばらくの間、砦の中を駆け巡る。
 奇妙ではあったが、砦の雑魚の魔族は掃討は完了できた。
 しかし、一人しかいない状態、奪還できたとも言いづらい。
 なので、一度下に降りて、捕まっていた人たちと合流。
 彼らとともに、砦を脱出し、報告に戻ることにしよう。

 とはいえ、今は夜も遅い。
 上の部屋から寝具をいくつか下ろして安全な牢で彼らには休んでもらい、自分は牢の前で見張りを。
 朝を待ち、彼らとともに、少年は砦を去ることに――――。

ご案内:「タナール砦」からゼロさんが去りました。