2017/08/15 のログ
ご案内:「タナール砦」にゼロさんが現れました。
ゼロ > 砦の中は慌ただしい。それは、魔族の襲撃があれば、尚更である。
 何時ものことだが、唐突に現れ、手当たり次第を破壊しようとする彼ら。
 砦の兵士も無能ではない、襲撃に対して普段から行っている訓練のままに魔族と相対していく。
 一人で相対するもの、数で押しつぶすもの、チームプレイを行うもの。
 武器と武器、武器と魔法、魔法と魔法がぶつかり合う戦場。
 その中に当然のごとく少年はいる。
 銀色の鎧を身に纏い、風のように走り、そのナイフの柄で魔族を殴り飛ばし、刃で叩き切る。
 最前線に出ては、仮面の少年は暴れまわる。
 怪我をものともせず、まるでゾンビかなにかかと言わんばかりに、打ち倒されても立ち上がり魔族を滅する。

 

 そんな日常茶飯事の襲撃が終わったのが、つい先程。
 本腰を入れていたわけではなかったのか、こちらの被害はそこまで多くなく。
 向こうもまた、やけにアッサリと引いていったような気がする。
 とりあえずは、一応の勝利、という状態か。
 少年は、回復魔法を受けている仲間の兵士の脇を通り抜け、物見塔へと向かおう。
 当然、周囲を警戒するために。

ゼロ > 嫌な予感がする、という程の物ではなく、こういう時こその警戒が必要だ、という少年の経験即からの行動。
 何事もなければそれはそれでいいのだ、むしろ何事もなく終わって欲しいと言うのもある。
 警戒とかは早いほうがいいし、と少年は徐に砦の壁に向き直る。
 たたた、と軽く助走してから、砦の壁の前で跳躍。
 砦の石の出っ張りをつかみ、足をかけてさらに跳躍。
 中を走らないのは、砦の中は侵入者防止のため迷路になっているからかなり時間がかかる。
 その点、外の壁伝いに物見塔まで登ってしまうなら、直線距離で行けるから早い。
 空を自由に飛ぶような魔法とかあればもっと早いが、魔法使えないので残念ながら物理的にパルクールするしかない。
 とはいえ、強化されている肉体なら問題なく鎧ごと自分の体を引っ張り上げて物見塔まで登りきる。

「ふぅ。」

 到着したことへの安堵の吐息をひとつ吐き出してから、ぐるりと見回すことにする。
 夜闇の中でも、仮面は鮮明な風景を見せてくれる。
 北、問題なし。東、問題なし、西、問題なし、南……と、言う順番で、くるり、くるりと周囲を見回し始める。

 救援が必要な場所、とか怪我し、生きてる仲間が居るかどうかもあわせて探そう。

ゼロ > 「………大丈夫、か。」

 しばらくの間、周囲を見守っていたが再襲撃の気配はなさそうだ。
 下の方も回復などの作業も終わりつつある模様。
 数人交代する必要もあるだろうけれど、警備は再開される模様だし。
 それなら大丈夫だろう、少年は息を吐き出して塔の入口の方を見る。
 そろそろ見張り番が来るだろうし、来たら自分も戻ることにしよう。
 ちょっとお腹がすいてきたし、食堂に行ってご飯が食べたい
 それを考えると同時にぐぅ、と腹が鳴るから現金なものだ。

 早く、見張り番の人が来ないかな、少年は周囲を警戒しつつ、いつものように夜空に視線を這わせる。

ゼロ > そして、もうしばらく待っていたところ。
 交代要員がやってくるので、状況を引き継いで少年は去ることにする。
 階段を下りて、まずは向かうのは食堂……戦の後のご飯は超美味し。
 お腹が減ってたまらないので、足取りも軽くなろうもので。
 襲撃がもう少し少なければなあ、とつぶやいて見せつつも、詮無いことなので肩をすくめ。
 さてさて、今日の晩飯はなんじゃろな。
 そんなふうに考えながら少年は砦の中を歩いていくのだった。

ご案内:「タナール砦」からゼロさんが去りました。