2017/06/04 のログ
リリシア > ・・・そう?
評価してくれる事には素直にお礼を言うわ。・・・けれど、ね貴方の提案には協力できない。私は・・・外に行きたいの。

(今ここが普段の砦。淫気が充満することなく、普通に活動できる場所であるならば喜んで彼女に協力しただろう。けれど、今の状況であれば彼女に協力はできない。・・・まともに活動できる状態ではないのだ。耐魅了も、耐誘惑の装備も・・・何一つ持っていない。手で抑えているマントから手を離して、淫気をまともに吸い込んでしまえばその瞬間に色欲の虜になるのは目に見えている。だから、まずは撤退を。後のことはそれからだ。元凶の排除もまた然り。)

私、頑固者なの。覚えて帰って頂戴ね。

(そして、相手に肉薄し、鞘で薙ぎ払う。剣を抜かなかったのは少女なりの最後の良心か。しかし、彼女が少女の背を転がるように避ける軽業を見せれば、それを不満そうに見つめて)

・・・万全なら斬れてた。

(そんな物騒な言葉を残した。しかし、また彼もまた万全ではないのだろう。実際のところどう転ぶのかはわからないけれど、少女のイメージでは完全な状態であれば、その身体に斬撃を浴びせることに成功していたらしい。)

・・・あなた。

(彼の言葉に反応して思わず身体を屈め、伏せるようにして彼の銃弾を避ける。そして、その銃弾の向かう先を確認すべく振り向けば昏倒する魔物や男の姿。・・・助けて、くれたらしい。そのことを認識すれば、驚いたような顔をして彼を見つめるだろう。そして、その先・・・砦の奥から湧き出る魔物や男達を認識し、彼女が膝を折り、遂に淫気に負けたように自慰を始めてしまえば)

・・・。

(思わず、迷う。ここは彼を助け、連れて帰るのが義理ではなかろうか。助けられたのは事実。外に出るのは目的。それは変わらない。変わらないが・・・ここで彼女を捨て置くのには強い躊躇を感じた。――助けられたのに、見捨てるの? そう囁くのだ。他の何者でもない・・・私、自身が。)

――嫌よ。助けられた義理は・・・返すわ。意思は強く持ちなさい。きっと、貴方を助けてあげる。

(今まで相手が人であったが故に峰打ちで仕留めてきた。けれど、相手が魔物であるならば遠慮はいらない。鞘を投げ捨て、抜身の刀身を露わにする。男達は蹴り倒す。魔物は斬り倒す。・・・単純な話だ。それ以上でも以下でもない。障害は、自らの力で制す。今までと同じように。 ――彼に助けられた義理を、ここで返す為に。少女は彼女の隣を通り、自慰を始めてしまった彼を自身の欲望の捌け口とする為に向かう魔物と、男達。それに向かって、突撃を敢行する。彼の言うことに従う義理はない。けれど、助けられた義理は返す。ただ、それだけだ。

――きっと彼に向かってきた魔物も、男も少女の前では敵ではなかっただろう。然程強力な相手ではなかったが為に。けれど・・・エルフと少女がこの砦を無事脱出できるか、と言われるとそれは難しい話である。それはまた別の機会に話すこととなるだろう・・・。)

ご案内:「タナール砦」からリリシアさんが去りました。
セイン=ディバン > ……はぁ。そこをなんとか、と。こうお願いしてるんだけどね。
その足取りで外に向かうのも。今から引き返して原因解決するのもリスクは変わらないだろうに。

(折れぬ相手に、更に頼み込む少女。結局は話は平行線というものである。
 無論、少女は相手の様子から、色々と推測し、察してもいる。だが、今回ここまで粘っているのは、この元凶がやっかいかつ面倒な者だと判断してのことだ。
 ここで討伐しておかねば、別の場所で似たような被害が出るかもしれない)

……オマケに手が早くておっかない、と覚えておこう。

(初動。見切れたのはほんの運。もしもあと僅かに思考が鈍っていたならば一撃貰っていたかもしれない。しかし、その僅かな運に救われ、少女はその一撃を回避することができた)

そう、かもね。逆にこっちは本来なら避けれなかったかも、だ。

(お互いが万全。かつ、本来あるべき状態であったのならば。少女の肉体は男であり、ここまで素早い回避は出来なかった。
 無論、身体強化の呪文を使えば話は別だが、恐らく唱えていればその間に喰らう。結局は回避できない、が結論だ)

……ははは、こう見えても、女には優しいの、オレ……。

(自身も少女の身でありながら、本来の男としての性質を残した少女。
 無論、本質的には女性に対しても優しい訳でもない少女だが。今回のようなケースで人助けをしない、というのも寝覚めが悪くなるようで。しかして、口ぶりは余裕こそあれど、自慰を行う指の動きは激しくなる一方だ)

お、っと、と……。……くふふ、おまけに義理堅い、か。
面白いね、リリシアさん……。

(言葉と同時に動く女性。視界の端、決して万全ではないだろうに。
 見事に敵を撃退するその姿を見ながら、少女の意識は少しずつ塗りつぶされていった。
 状況が状況だというのに。その姿を、美しいと感じながら……。

 この後、二人の逃亡が成功したのかどうか……。それは、二人だけが知ることであり……)

ご案内:「タナール砦」からセイン=ディバンさんが去りました。