2017/04/18 のログ
ご案内:「タナール砦」にクルエルさんが現れました。
■クルエル >
「───今は魔族が占領しているようだな」
木陰からこっそり、魔族の国側の門を伺うクルエル
何処の魔王の配下だかわからないが、魔族らしき門番がいる
「よし、ちょっと中に入らせてもらおう。
武器や防具を調達できるといいな」
うん、と小さく頷いてひたひた門のほうへと歩いていくクルエル
門番は気にかけたものの、どう見ても魔族の風貌をしている少女、そこまで警戒はしていない
「見張りごくろう、ごくろう」
ぽんぽん、と気軽に肩を叩いて砦の中へ
門番はといえば、声かけの内容がよく意味がわからなかったのか首を捻っているものの、
まぁ魔族ならいいかという感じでするりとクルエルは砦の内部へ侵入を果たす
■クルエル >
砦の内部は多少片付いてはいるものの、未だ戦闘の痕跡がちらほらと見られる
人間達が使った剣が転がっていたり、死体の着ている鎧だったりと、クルエルが軍勢を増やすための素材はいくらでも転がっている
「いいぞいいぞ、武器屋や防具屋に行かなくても十分じゃないか」
ふんふん、と無表情で鼻歌を歌いながら、死霊を呼び寄せ武器や防具へと憑依させてゆく
死霊の宿った武器や防具はまるで意思をもつように独りでに動き出し、クルエルの後をついてまわる
■クルエル >
しばらくしてタナールの門からぞろぞろと動き武器防具達を引き連れたクルエルが出て来る
門番も驚いた顔をしていたが……
「人間達の落とし物だろうし、もらっていっても問題ないな?ないだろ?そうだろ、そうだ、うん」
有無を言わさぬ勢いで詰め寄られた門番は まぁいいんじゃないっすかね みたいな塩対応に留まるのだった
「よし、お前たちは先に我が城に帰っていろ。
砦の周りにもまだたくさん落ちていそうだから我はぐるっと見てまわってからかえるぞ」
言われた通りに、魂の宿った武器防具はひゅんひゅんと飛んでゆく
城という名のほったて小屋に向かって
「さて、散歩だ」
砦のまわりにも弓や盾、槍、剣などの装備が結構落ちている
最初からこっちを先にしていればわざわざ砦の中に入る機会を伺わなくて良かったのでは?
クルエルは訝しんだ
■クルエル >
そんなわけで周囲を歩いていると、
「ふぎッ?!」
妙な声を上げて顔面から地面に倒れ込んだ
何か右足首に鋭い気持ちよさ…じゃない、痛みが走ったと思えば
「……誰だ、こんなところに」
右足首にはトラバサミの刃ががっちりと食い込んでいた
こんな場所にトラップとは、一体誰の仕業だ
「まったく、魔王がこんな罠にかかるなど…」
ぶつぶつ言いながら外そうとするがビクともしない
魔王としての特殊能力以外が一般人以下のクルエルにはちょっと難しい問題だった
■クルエル >
「(さてどうしよう)」
砦の壁に背中を預けて三角座り
近くに落ちている武器に壊させようにも弓とかしかちょうどない場所だった
時間がかかるとはいえどうせ再生するし、いっそ右脚を切り落として逃れるのもありだろうか
■クルエル >
そうこうしているうちにいつも通り眠りに落ちるクルエル
その後砦の裏手でトラバサミに捕らわれた魔族を見た、的な噂が広まったとか広まっていないとか
ご案内:「タナール砦」からクルエルさんが去りました。