2016/10/01 のログ
ご案内:「タナール砦」にオーギュストさんが現れました。
オーギュスト > タナール砦。
第七師団の兵が、手馴れたように包囲し、大砲を撃ち込む。
王国大工廠の改良の結果、ようやく発射の安定度は上がった。
だが、命中度はまだまだ。

「突入準備、完了しました!」
「手早く終わらせるぞ」

オーギュストは配下の直衛に準備を命じる。

まったく、最近はドラゴンフィートとやらの経済活動が活発になったせいか、どいつもこいつも戦争に乗り気ではない。
おかげでタナールへの進軍機会も減ってしまった。

オーギュストとしては、ここらで戦争遂行のパフォーマンスをしておく必要がある。
その為の遠征であった。

オーギュスト > 「おら、全軍抜刀! 後に続けぇ!」

オーギュストは陣頭で大剣を振りかざしながら命じる。
第七師団の兵たちは、こぞって砦へと殺到する。

「いつも通りだ。
男は殺せ! 若い女は捕えておけよ!」

勝利の宴の為の女以外は皆殺し。
第七師団の鉄則である。
魔族はどんな隠し玉を持っているか分かったものではない。きちんと殺さなければ安心などできないからだ。

オーギュスト > 砦内の抵抗は激しい。
おそらく、殺される事が分かっているからだろうか。
まぁ、捨て駒にされたのは憐れだが、同情する余裕はこちらにもない。

「――ちっ」

魔族の少年が三人、部屋の前で武器を構え、震えながらこちらを見つめている。
おそらくは新兵だろう。まったく――

「――胸糞わりぃな」

不機嫌そうに言いながらも、オーギュストは容赦しない。
少年たちの体を袈裟掛けに一刀。

傍らの兵士達が何か言いたそうだったが、あえて無視した。
魔族は根絶する。それがオーギュストの変わらぬ行動原理だ。

ご案内:「タナール砦」にロザリアさんが現れました。
ロザリア > 上空、月を背負った少女が戦場となっている砦を見下ろしている

「薄汚い…人間共がいつまでも調子に乗る」

真紅の魔法陣がいくつも展開され、黒い影が砦へと降下してゆく
次々に降り立つのは魔性の獣達

ウェアウルフにウェアタイガー、更には砦の周辺からスケルトン達が地を掘り返し現れ、砦の中へと向かっていく

「殺してしまえ、全て」

冷たい、宝玉のような翠眼は砦を見降ろしたまま

オーギュスト > 司令室を制圧。
これでいつも通り、凱旋のはず、だが。

「――どうした!?」

外が騒がしい。あれは戦闘の音だ。
オーギュストはすぐさま城壁へと飛び出し、辺りの様子を伺う。

「閣下、おびただしい数の魔獣やスケルトンが周囲に出現!
我々を、逆包囲しています!!」

情報将校が慌てて報告する。
既に砲兵隊は大砲を放棄して脱出したらしい。大損も良い所だ。

「――ちぃ、落ち着け!
まずは残存兵力を結集しろ!」

落としたばかりの城で篭城などできない。
オーギュストはすぐさま集合の合図を出す。
どこかでこの包囲を突破しなくてはならない。