2016/05/22 のログ
ご案内:「タナール砦」にアルバトロスさんが現れました。
アルバトロス > 「………。」

タナール砦から少し離れた丘の上。
夜の闇に融け込むような黒い鎧を全身に纏った男が立っていた。
その男が見据える先には、少し前に魔族によって占領された砦。
伝令を受けた上のものが、先兵として所属する隊へと命令を下したのだ。

「………いつもと変わらんな。」

遊撃、などというもので終わらせるつもりはない。
全て斬り伏せてしまうつもりの男は、懐から鐘を取り出して音色を響かせた。

アルバトロス > 「………ついてこなくて良い。」

傍に現れたのは、白い巨躯を誇る一頭のキマイラ。
男はその背の上に跨ると、ついて来ていた同じ分隊の兵に振り向くことなく言い放つ。
逆についてこられても面倒だというのが本音だった。

その次の瞬間、キマイラが大地を駆ける。
計略などあるはずもなく、砦まで真っ直ぐに突っ込んでいく。
やがて、砦の見張りの魔族が此方に気付き警鐘を鳴らす瞬間には
男はキマイラと共に砦の門をぶち破っていた。

アルバトロス > 「………全員殺す。それだけだ。」

臨戦態勢の魔族達が次々に姿を現してくる中、男はキマイラから降りると命令を下す。
単純明快な砦内の魔族の殲滅。そして、次の瞬間には男を取り囲むように立っていた魔族の群れに
男とキマイラは躊躇することなく突っ込んだ。

「…俺を満たしてみろ。そうすれば見逃してやる。」

向かってくる魔族に一言発し、男は魔族達へと刃を突き立てて行く。
キマイラも、その力を存分に振るって魔族を蹴散らしていた。

アルバトロス > 一体一体に確実に殺す意志を持って剣を振るう男。
その盾と鎧が魔族の攻撃が破損し、身体を刃が切り裂いて血を流そうとも動きを止めることはない。
瞬く間に出来上がっていくのは、男が屠った魔族の死体の山。

「………膝を突かせることすらもできないか。」

ならば、予定通りに全員斬り殺すとしよう。
血を流しているにも関わらず、男の動きに更に力強さが増す。
首を、頭を、心臓を手に握りしめた剣で切り裂いていく。

アルバトロス > 暫くして、砦から物音と声が一切しなくなった。
立っているのは、男とキマイラのみ。地面には折り重なるように無数の魔族の死体が転がっている。
殲滅は完了した。男は満たされはしなかったけれど。

鎧はあちらこちらが砕け散り、盾も破損が激しく使い物にならなくなってしまっている。
身体の方も傷だらけだが、これは少しすれば回復するだろう。

「………終わったか。」

後は適当に後詰の部隊が来るのを待てば良い。
男は渡されていた道具で狼煙を上げる。

アルバトロス > やがて、砦へ到着する後詰を確認すれば男はそのまま歩いて立ち去っていく。
仕事は終えたのだと男は何も口にすることなく、砦を後にするのだった。

ご案内:「タナール砦」からアルバトロスさんが去りました。