2016/04/29 のログ
ご案内:「タナール砦」にミシェルさんが現れました。
ミシェル > 魔族が占拠してしまったタナール砦を王国軍が囲っているものの、翼のある魔物や降り注ぐ魔法やらで攻略を阻まれてしまう。
遅れてやってきた増援部隊の中の一人としてここへ姿を現すと、その様子を暫し傍観してから剣の柄に手を掛ける。

「こんなのは……短期決戦でぶち破るに限るのよ!」

抜刀と同時に剣についたトリガーを引き絞ると、鍔の周辺から緑色の魔法陣が広がる。
身体強化の魔法が体に掛かれば、ダンッ!と地面を蹴って砦へ向かって急加速し、一気に迫っていく。
近づけさせまいと魔法が降り注げば、軽やかなステップで右に左にと避けていき、急降下攻撃を仕掛けようとする悪魔を視野に捉えた。

「そんなのでっ!!」

剣を横薙ぎに振るいつつ、再びトリガーを引き絞る。
まるで焼けた鉄のように赤い高温を宿せば、それを魔力に乗せて飛刃と成して放つ。
ザンッ!と焼き裂かれる魔物からは断末魔が響くも、そのまま突撃を続ければ、閉ざされた砦の扉に飛び込む。

「てやぁぁっ!!」

増幅弾を使用すれば刃は真っ赤な光の剣となり、1mほど赤き光の刀身が伸びていく。
飛びかかりながらの袈裟斬り、着地しての横薙ぎから斜めへ切り上げれば、三角形に門を裂いてしまい、ゴトンッ!とけたたましい音と共に突破口を切り開いていた。

ミシェル > 「ほら、王国兵さん。突撃よ」

ぽっかりと空いた穴を切っ先で指し示しながら、つまらなさそうに呟き、兵士達に突入を促す。
ミレー族のくせに生意気だと所々で声が聞こえそうだが、そんな罵詈雑言にかまけている余裕はない。
早速迎撃と飛び出してきた魔物を切り捨て、覗き込んだ穴から見える魔族目掛けて腰に装備した装置から魔力のダガーを生成すれば、素早く投げ放つ。
傍にいた魔物を盾に逃げ出す魔族、恐らくあれば首謀者といったところか。
そんなことを考えつつ砦内へと踏み込めば、次から次へと遅いくる魔物を冴え渡る剣捌きで切り払い、どんどん奥へと進んでいった。

ご案内:「タナール砦」にリトさんが現れました。
リト > 「……ほうほう」

偶々、気が向いて顔を覗かせたタナール砦、魔族領。
何やら門を破られた轟音を耳にし、奥からやってきた。
すると此方に向けて進んでくる少女の姿が目に入って――

「…ふーん。なんかおかしいな、って思ってたら、増援が来たのかな?」
「まぁわたしには関係ないことだけどねー」

ベアトップ型のドレスを身に纏った、年の頃は少し下くらいに見えるだろう。
そんな少女がミシェルの前で腕を組み、笑っている。

ミシェル > 魔物を切り捨て、奥へと突撃し続けると更に別の魔族が姿を現す。
幼い少女といった様子の魔族だが、子供だろうと魔族は凶暴だと習っていたが故に油断はせず、余裕に溢れた彼女とは裏腹に程々の緊張を保って対峙する。

「関係ない? ここにいるのに関係ないってのは面白い冗談ね!」

問答無用、先手必勝と魔力の投げナイフを抜刀術の如く3本素早く放って牽制攻撃を仕掛ける。
この程度に手こずってくれるなら簡単に終わるだろうが、魔族であればそうもいかないだろう。

リト > 素早く放たれた3本の投げナイフ。
魔力の籠ったそれを、羽虫を追い払うように片手で全て叩き落とした。

「本当だよー? 偶々、ここに遊びに来てたらそっちが攻めてきただけ」

そう言いながら彼女をじっと観察する。
気の強そうな風貌、堂々とした様相。中々に好みだ、とこっそり考えつつ。

「だからここにいる魔族に協力する義理もないんだぁ、実は。ふふ」

ミシェル > 魔力で作られたナイフは弾き飛ばされると、地面に落ちるよりも先に崩壊して消えてしまう。
何やら品定めでもするかのように感じる視線に、少しばかり嫌そうな表情を見せて、眉間に皺が寄る。

「そう…じゃあ大人しく捕虜になってくれるのかしら。 それとも、このまま逃げ出してくれてもいいのよ?」

捕虜になるか、逃げるか。
魔族ならどちらも選びそうにない選択肢を突きつけながら、自信満々の笑みで笑ってみせる。
そこらでは魔族と人間が戦いあい、城門破壊という不意打ちの効力もあってか、みるみるうちに人間側の優勢が強まる。
響く断末魔は魔族のほうが多いぐらいだろう。

「どうする? 早く選ばないと…私以外の人が嫌な答えを求めるわ」

幼くとも問題ないと手を伸ばすクズが多い、その下劣さについては今だけは脅し文句になるので少しは役に立ったと苦笑いを浮かべる。

リト > 自信満々の笑みで突きつけられた二択。
その間も魔族と人間同士が戦い合う、そんな光景が辺りで繰り広げられている。
だが――そんなことには興味もなさそうに。

「……うーん。どっちでもないなぁ。でも帰らせては欲しいしー…」

悩ましげに考えていれば、催促の言葉が届いた。
怯えるどころかニヤ、と悪戯っぽい微笑を浮かべて。

「嫌な答えかぁ。……やれるもんならやってみるといーよ」

ミシェル > 「そう…それなら私が選んであげるわ」

何やら考え込んでいるようだが、彼女はこちらに必ず勝てるという自信があるようだ。
それならばと、こちらはそれを砕くまでと剣を横薙ぎに振りぬいた。
同時に真っ赤な光が刃となって放たれ、弧を描くそれが彼女目掛けて直進していく。
それに続くようにして突撃すると、彼女が放った刃をいなしたところを狙って袈裟斬りをを放とうと刃に魔法を重ねた状態を維持していた。

リト > 「……あいにく、自分のことは自分で決めたい派だから」

遠慮しとく、と小さく呟けば、横薙ぎに放たれた真っ赤な弧を真っ二つに切り裂いた。
そのまま突撃してくる彼女の追撃を、躱すではなく。
刃が振り抜かれたならば――それを片手で受け止める。
吸血鬼の膂力は、魔法で強化された剣も容易くいなす。

ミシェル > 「なっ…!?」

いくら魔族とはいえ、煮えたぎるマグマの様な高温を宿した刃ならば大体は回避を選ぶものばかりだと思っていた。
刃が素手で受け止まれてしまうと、驚きに目を見開きつつも、刃が逃げられなくなる前にバックステップしつつ刃を引き抜いてしまう。

「…見かけによらないとは聞いていたけど…ここまでとはね」

ここまであの小さな体が強いのは驚きに満ちる。
これでは自分が狩られかねないと思えば、味方の雑兵が来たところとて、役にも立たないだろう。
改めて魔法を発動させれば、先程まで刀身に宿した真っ赤な色とは異なり、少々白っぽい桜色のような光を刃に纏っていく。
刀身からは変わらずに蜃気楼の様な熱の歪みが見えるだろうが、ただ熱を増やしたのとは異なる。
魔を滅する浄化の炎を圧縮した光が刃にこもると、再び彼女の方へと飛び出す。

「これならどうかしらっ!」

予測通りなら掴んだだけでも大ダメージとなるだろう魔法、それを叩きつけんとまっすぐに振り下ろすだろう。
――その結末はまた後に語られることになるが。

ご案内:「タナール砦」からミシェルさんが去りました。
ご案内:「タナール砦」からリトさんが去りました。