2016/02/20 のログ
ご案内:「タナール砦」にイニフィさんが現れました。
■イニフィ > 「…………ふーん?」
ここは、今は危ないから近づかないほうがいい。
そう、馬車の業者にいわれていたのだけれどそんなことはあまり関係がない、とでも言うように近くで眺めていた。
つい先日まで、ここには蒼い旗が掲げられていたらしい。
マグメール王国の蒼い国旗が掲げられ、承認の行き来もあり。
ちょっとした露天まで出ていた、という話なのだが―――。
「見事にひっくり返っちゃったのねぇ。ま、私には関係ないかしら。」
今は紅い国旗が掲げられている。
狼のような紋章の入った魔族の国旗が。
ご案内:「タナール砦」にロイナさんが現れました。
■イニフィ > せっかくだし中も見に行ってみよう、ついでに何かご飯でもあればご馳走になっていこう。
最近、そういえば魔族の土地に足を踏み入れていないなぁ、などとも思っていたり。
あっちのご飯、いろいろとゲテモノが多い印象があるけど、意外と美味しいんだよねとか、
その辺も頭の中で回しながら入り口まで向かうと、当然のように門番に止められた。
「………なによ?ちょっと見学するくらいいいでしょ?」
門番は下位の魔族らしい。
上半身が紫色では根が生え、頭には角。完全にインプである。
そんな下位の魔族に臆するようなイニフィではない、静止に聞く耳持たずふんぞり返る。
もっとも、魔族が止めているのは「人間」であるイニフィが中に入ろうとしているからなのだが。
■ロイナ > 「あァら?」
そのインプの背後から声が響く。アルトよりもやや高めの女の声だ。
「また随分と威勢の良い子が来たね。それも可愛いコ」
ひょい、と顔を覗かせたのは、此方も見た目は人間の女子でしかない。
意地悪くニヤ笑いを浮かべながらまじまじとその顔を観察する。
■イニフィ > 門番のインプが言うには、ここは今は魔族の領地。
ゆえに人間であるならばさっさと引き返すか、自分たちに奉仕するか選べとのこと。
勿論奉仕行為なんてそんなもの、するはずもないし興味があるのだから立ち去るつもりもない。
イニフィも引き下がるつもりもないらしく、なおも食い下がり無理矢理入ろうとするわけだが。
「あっ、ちょっと!勝手に人のおっぱい揉まないでくれる!?…って、そこのあんた!」
目ざとく見つけたのはロイナの姿である。
あいにく気が立っていて魔力を感じ取ることがすっかりと頭から抜け落ちているイニフィは、
そこにいるのが完全に人間だと錯覚している。
胸を揉んできた門番インプを払いのけ、少し下がってロイナを呼んだ。
「こいつら退かしてよ、私は只中に入ってちょっと見学したいってだけなの!」
■ロイナ > 「はいはい。そうおっきな声出さなくても聞こえるよ」
言うとインプに軽く声をかけ、下がらせる。
イニフィにゆっくりと近づいた。
「退かしてよってもねー。アンタ、人間でしょ?」
「興味があるのはわかるけどー、諦めた方が無難だよ」
気が立っているらしきイニフィを見つめながら含み笑い。
そうして視線はすぐ下へ、妙に目立つ双丘へと。
「奉仕なんてしたくないでしょ?私はともかくアレとはさぁ」
指差すのは先程のインプ。憮然とした表情で突っ立っている。
■イニフィ > 門番インプが下がっていっても、まだ起源が悪いのか膨れ面。
その目立つ双眸を持ち上げるように腕を組むと、鼻息を荒くした。
近づいてくるロイナへと目を向けると、余計に機嫌を悪くして。
「いやよ、興味があることは知っておかないと気がすまないの。
第一、私を人間だって言うならあんただってそうでしょ?」
見た目だけ見るなら、青い髪をしている、胸の大きな人間。
ずいぶんと見せ付けるような服装であるのは間違いないけれども、その人間が中にいるならば、
自分だって中に入れてくれてもいいんじゃないか、という見解である。
下がっていった門番インプがこっちをずいぶんと鼻の下を伸ばしてみているけれども、その視線がまた腹立たしい。
そんなのに見せる身体は持っていないのよ、とでもいいたげに鼻を鳴らした。
「………。それにはものすごく同意できるわ。ああいうのってクサいし乱暴だし。」
アレに奉仕するのは確実にご免蒙りたい。
そもそも、自分は苛められるよりも苛める側だ。
■ロイナ > 「あっはは……私は人間じゃないよ。悪いけどねー、一応アイツらの仲間なのさ」
「ちらっとほのめかしたら、すぐに入れてくれたね。いやぁ有難い」
だからといってすぐに内を見せる――能力を解き放つといったことはしない。
ついでに目の前のイニフィが、実は同族だということも知らない。
「……でしょ?やっぱりお相手は女の子……それこそアンタみたいな可愛い子が良いねぇ」
冗談めかして言ってしまえば、小さく鼻を鳴らした。
青碧の髪を軽く指で弄りながら――
■イニフィ > 「…………あら?」
さっきまでの怒りを静めれば、徐々にわかってくる内面。
確かにロイナからは人間じゃない雰囲気というよりも、どこか魔力めいたものを感じる。
しかもしれは淫気―――淫魔の力と瓜二つ。
という事はつまり、ロイナはサキュバスという事になるのだろう。
そういうことならば、このとりでにあっさりとは入れているのも理解できる。
「あー、何だそういうことだったの。じゃちょうどいいわ、この砦を見学したいのよね。
あの下等生物じゃどうしようもないのよ、あんたが許してくれれば万事OKよね?」
まだ見学することを諦めていない様子。
ここの砦を総括しているのかなどと確認もせずに、再度見学の了承を申し出た。
あいにく自分も魔族、淫魔ではあるもののそれをひけらかすなんていう事はめったにしない。
人間界で過ごしている時間が長いので、そうそう明かすなんてことはしないのだ。
「うっわ、それもものすごく同意できるわ。…男ってねぇ、勝手なのよねぇ。」
腕を組んだまま、うんうんと力強く頷く。
女の子が相手となると、どうしてもこう、苛めたくなっちゃうのよねと。
意外と、気が合うのがビックリだがこれも淫魔同士だからだろう。
ただ、下等生物と呼ばれたインプはずいぶんにらみを利かせてきてくれているが。
■ロイナ > 「――――うーん。まぁ私が仕切ってるわけじゃないんだけど……まぁいいか。ついてきて」
申し出られれば、少し考えてから了承した。
インプの意思などそっちのけである。
そうして自分も彼女の淫気に気づく。なんだ、お仲間か―――
「勝手だよねー、男なんてのはさ。気が合うね、アンタも」
さぁ行きましょ、なんて声かけ、イニフィと手を繋いで歩き出す。
門番インプは見るからに不満げだったが、渋々と二人を通した。
「……あぁそうだ。私はロイナ。アンタの名前は?」
■イニフィ > (…気づかれちゃったみたいね、あとでお母様には黙っててっていっとこ。)
ロイナに手を繋がれると、おとなしく砦の奥へと案内された。
自由がほしいからと勝手に家出したのだから、魔族の領域に足を踏み入れればおのずと自分の家にも話が行くだろう。
そうなったら連れ戻される可能性が出てくる、そうなれば猛旅行なんてできるものでもなく
なる。
それもご免蒙りたい。だから後で、ロイナやここの砦には、自分のことは伏せておいてもらうことにしよう。
まあ、代わりにフルネームを名乗ることになるんだけども。
「そうなのよね、下手くそに当たると目も当てられなくなっちゃうのよね。
時々痛いのにも当たるから、そういうやつらは遠慮なく吸い上げてやってるわ…っと。」
横を通り過ぎる際、門番インプには舌を出して挑発のポーズ。
さっさと横を通り抜けると、次に出てくるのは広場のような場所だろうか。
「あ、ごめんごめん。私はイニフィ。
フルネームはインフィニティア・レガーシ・ルフィルレートよ。」
よろしくね、と軽くウィンクして見せた。
■ロイナ > 挑発のポーズにインプは鼻白む。それを面白おかしく横目で見ながら、広場へと足を運んだ。
「王都とか、結構そこらでやってる奴らいるじゃない?」そういうのは吸い上げやすくて助かるよね」
砦内には、其処彼処にインプやら下級の魔物がうろついている。
時折視線を受けるも、一切気に留めることはなく。
「あぁ、ルフィルレートの子だったんだ。アンタ」
「私のフルネームは、ロイナ・アイゼンヴァール」
よろしく、とウィンクして返そう。
アイゼンヴァールも、相手程ではないものの純血の淫魔族としてそこそこ知られている。
それをイニフィが知っているかはまた別の話だが―――
■イニフィ > 「あー、確かにね。でもさ、自分で苛めた女の子のほうが美味しくない?」
だから自分で苛めた相手以外からは極力吸い上げないようにしているわけだが。
それでも、男のそれほど拙いと思ったことはないけれども。
ルフィルレートの名前を知っているのは、さして気にならない。
かなり有名な貴族の淫魔だし、知っていても不思議はないだろうから。
「ええ、でもお母様には秘密にしててくれる?・・・いろいろと口うるさいのよね。」
淫魔であろうとも貴族のしつけと言うものはあるのは、ロイナにもわかっているだろう。
跡取りがどうとかいわれるのがいやで、そういうのはあと何年かしてから考えると言い残し、こうして人間界で自由を満喫しているわけだ。
お金はいくらでも入るし、旅行を愉しむならばほとんど不自由はしていない。
広場には、訓練中を思わしき下級魔族がたむろしている。
その奥では指揮官のミノタウロスだろうか。その姿も見える。
さらにその奥には、おそらく逃げ遅れてしまった人間の捕虜の姿も。
「アイゼンヴァールって、確か純血種の家の貴族よね?
へぇ、ロイナも結構いいところの出なんだ?」