2016/01/22 のログ
■ロレンス > 人間と魔物、個の性能を見ればこちらに分がある。
しかし、向こうには上を取れるという地の利があった。
打ち下ろされる矢と、堅牢に固められた門の破砕に手こずれば、じわりじわりと勢いをそがれていく。
勿論、この程度では負ける要素は無いが…だからといって高みの見物をするのは、魔を率いる長としては怠慢に値する。
マントを揺らすと、それは蝙蝠の羽のように広がっていく。
そして、力強く地面を蹴れば高く夜空へと飛び上がり、翼で空気を叩いて宙に静止した。
「……そちらか、西方の仲間に見張り塔を狙う様に伝達を出せ! そこが潰れれば矢の攻撃が鈍るはずだ」
そこから的確な指示で矢を放っているのを見抜くと、早速部下達は命令に従っていく。
魔法で吹き飛ばされる見張り塔、そして慄く人間の兵士たち。
好機と、全力をつくすように命令を飛ばせば地の利をひっくり返すほどの勢いを手に入れていく。
「そろそろ白兵戦か…いつもどおりだ、降伏したものは魔法をかけて逃がせ。 将兵か女がいれば殺さずに捕まえよ」
将兵は今後の戦いのために言いくるめて置きたいのだが、女を連れてくるように言ったのは、彼女らには天秤を楽しんでもらうためだ。
あっという間に崩れていく防備、砦が陥落し、結果が戻るのもそれほど時間はかからないだろう。
■ロレンス > こうして今夜の戦いは魔族へと傾くのだろう。
天秤にかけられる女がいたかは、今はまだわからないが…。
ご案内:「タナール砦」からロレンスさんが去りました。