2015/12/20 のログ
ご案内:「タナール砦」にオーギュストさんが現れました。
オーギュスト > オリアーブ島から逃げ帰ったオーギュストは王都にも寄らず、すぐさま軍団を再編。
対魔族・魔物用の陣容へと師団の装備を変更すると、すぐさまタナール近辺の王国北方へ攻め込んだ。
ティルヒア動乱の間荒れるに任せていた北方の周辺に展開していた魔族を蹴散らすと、そのままの勢いでタナールを制圧する。
上位魔族のほとんどがティルヒア見物に出かけていた魔族の軍を蹴散らすと、あっという間に防衛体制を立て直す。

「――正解か」

オリアーブ方面からの報告書を読み呟く。
どうやら彼の勘は当たったらしく、ティルヒアはなかなかの地獄になっているようだ。

オーギュスト > あちらに比べればこちらは楽なものだ。
早々に攻城戦を終えると中枢を制圧。
オーギュストはタナール砦司令室に入る。

「ま、これで戦果は十分だろう」

ナール大橋会戦の勝利と北方の奪還。
この戦果で第七師団は動乱を終える。
ついでに小遣いも十分稼いだ。上々と言うべきだろう。

オーギュスト > 王国北方を制圧したオーギュストは王都へ帰還する。
後の事は、まぁ知った事ではない。

ご案内:「タナール砦」からオーギュストさんが去りました。
ご案内:「タナール砦」にリーゼロッテさんが現れました。
リーゼロッテ > 鳥を見つけることは出来たものの、暫くはこちらの様子を見ると言われてしまい、協力を完全に得ることは叶わなかった。
けれども、多少なり少女の純真さに信じられるものは感じられたようで、観察役代わりとして契約を結ばされた小鳥と共に山を去って何日か経った今。

「ザムくん、この辺で~…うん、ゆっくりだよ」

彼等にとっての小鳥は、こちらにとっては巨大な鳥に他ならない。
翼を広げれば10mはある隼によく似た鳥は、少女を背中に乗せても余裕で弾丸の如く飛び回れる。
背中にしがみつく為の座面を革で拵えてもらい、少女はそこにピトッとくっ付くようにしがみついている。
今日はその速度と飛行能力を借りて、砦に必要な物資を運び込んでいた。
ホバリングするように羽ばたく鳥、砦の広い場所へと足に掴んだ箱をゆっくりと下ろせば、傍に着地する。

「お疲れ様、助かっちゃった」

すとんと地面に降り立つと、御礼の言葉とともに微笑む。
鳥もふいっとそっぽを向いたが、思念として聞こえた声はまんざらでもなかったらしく、クスクスと笑っていた。

リーゼロッテ > 荷物が運び込まれれば、そこで仕事をこなしていた同じ組織の男達が群がっていき、手際よく中身を分けて必要な場所へと運びだしていく。
そんな様子を見やりながら、一息ついていると何やら上が騒がしいのに気づく。
なんだろうかと思えば塔の中に入り、螺旋階段を登って見張り台まで登っていく

「どうしたんですか?」

男二人がああでもないこうでもないと言っているところへ、呑気な甘い声が響く。
二人は遠くの地平線を指さし、事情を語る。
何やらあっちに軍勢が見えたような気がしたのだが、一瞬で見えなくなってしまったのだとか。
見間違えか? それとも新手の敵か? そんなのを言い合う姿を困ったように笑いながら見つめていると、ふと、妙案が浮かび上がる。

「じゃあ私が見てきます、ザムくんならひとっ飛びですし」

彼の速度があれがあっという間に見てこれるはず。
満面の笑みで告げれば、答えを聞くよりも早く、窓から身を乗り出して、大きな鳥へ手を降った。

「ザムくーん、あっちに何かあるか見に行きたいの。乗せて?」

言葉よりも先に、鳥は城壁へと飛び移ると身を低くする。
少女もそれへと駆け寄れば、ひょいひょいとその上へ。
しがみつく様に背中に乗れば、いいよと背中をぺちぺちと叩いて合図し、鳥は一気に空へと舞い上がる。

リーゼロッテ > 風を巻き起こし、空高く舞い上がった鳥は大気を翼で叩いて加速していく。
程よく速度が乗ると、その大きな翼を綺麗に広げながら滑空状態に入る。
最高速度400kmに到達する、人間では体感し得ない世界。
契約によって得た風の力で自分には風が当たらないようにしているものの、それがなかったら簡単に振り落とされている。
あっという間に過ぎていく荒野の光景を目を輝かせながら眺めて、問題の場所へと向かっていく。

「ここかな? ザムくん、ゆっくりお願いね」

速度を落とし、辿り着いた場所を緩やかに旋回していく。
とは言え、高い空からでは明かりもない荒野の様子なんて詳しくは見えない。
逆に言えば、下からなら巨大な鳥がウロウロ飛んでいるので、簡単に分かることだろうけれど。
目を凝らしてじぃっと眺めるも…やっぱりよく分からない。
緩やかな動きのうちにとポケットから小さな羊皮紙を取り出すと、指先に魔力を溜めて焼き付ける様にして文字を書き込む。
それを鞍に挟みこむと、ちょんちょんと鳥を小突いた。

「ちょっと降りて探してみるね。ザムくんは周りを照らす照明弾を貰ってきてくれるかな?」

声はないが、思念で肯定の答えが帰る。
ありがとうと微笑めば、鳥は急降下していき…大分地面が近くなったところで少女は飛び降りた。

「えぃっ!」

風の力で減速しながら地面にふわりと着地すると、大丈夫と手を鳥へ降った。
すると、あっという間に鳥は砦に戻っていく。多分戻ってくるまで数分もかからないはず。
腰に下げたカンテラに明かりを灯すと、背負っていたライフルを握りしめて辺りを見渡していく。

ご案内:「タナール砦」にシドさんが現れました。
シド > 数にしてほぼ数百の騎馬。荒れ地に響く馬蹄は静か。駆けずに馬を歩ませている為。
行軍は厚い叢雲の隙間を縫って飛翔する何かを捉えて止まった。その先頭に佇む青年がは大きく手を掲げて槍を構えさせる。

掲げたカンテラや魔導の照明の類ではおぼろに浮かぶ陰影の正体は掴めぬ。薄濁もした喉に張り付く魔国の大気に緊張が奔る最中。
先頭の一人――綺羅びやかな黒曜の鎧を纏う青年は懐から取り出した紙巻に火を灯して横柄に場の様子を伺っていた。
やがては前方に浮かび上がる照明に、悲鳴に近しき動揺が怒る背後を睨み乍ら再び腕を掲げて静止を促す。

冷静に正体を見極めようとしていた。手綱を引きて再びその影にと歩みゆく。
やがて先客たる彼女の正面に朧と一騎の鎧兵の姿が見えるだろう。凶悪なる外観は以前見せたものやもしれぬが、この薄暗さで識別できるか。
魔族と見間違えられるか分からず。 ――ただ、兜の隙間から覗く唇から紫煙を吹かせながら青年は馬上で大仰に動かず馬の足を進めていく。

リーゼロッテ > (「やっぱザムくんがいないと心許ないなぁ」)

あの巨体と獲物を狙う猛禽類の瞳は、悪党を追い払う効果もあるのか、身の危険を感じる事も少なかった。
だから遠ざかっていく鳥を見送るのは、不安になってしまう。
小さく溜息をこぼし、辺りを見渡していくと…ふと、何かを見つけた。
馬にまたがった鎧兵の姿、何処と無く見覚えがあるような…とは思うも、確かではない記憶と視野に気を引き締めて、ライフルを構える。

「だ、誰ですか…っ!」

近づいてくれば不安を胸に抱えつつも、今だに人を撃ち殺す事に躊躇いが残る。
銃口は完全に彼に向けないものの、何時でも狙えるような位置で保持すれば、攻撃できるという意志で足止めを願うところ。
銃口に魔力弾の魔法陣を広げ、相変わらずの子供っぽい顔が不安をいっぱいに浮かべている。