2015/11/10 のログ
ご案内:「タナール砦」にアルバトロスさんが現れました。
アルバトロス > 「………。」

タナール砦。人間と魔族の争いがもっとも表面的に現れている場所。
そこに男はやってきていた。遺跡で入手した武器についての調査も終わり、わかったことは核となる部分が
無くなっているということ。ならば、それを探しだせば復活する可能性もある。

かと言って、いつも通り大して当ても無い男。
剣が人間の国側にあるのなら、もう片方は魔族の国にありそうだという理屈で魔族の国へ向かおうとしていた。
そして、到着した砦が現在進行形で侵略を受けているのである

アルバトロス > 「………。」

慌ただしく伝令や増援の兵士が砦に出入りしていくのを見ては、男は面倒そうに息を吐きだした。
そして、砦をぐるりと回り込み始める。中に入ると、恐らく絶対に味方と勘違いされるからだ。
だが、予想外だったのは、魔族が既に砦の外周に回り込もうとしていたことで。

「退け。」

当然のように襲いかかってくる魔族を鋼の剣で両断する。
一匹、二匹、三匹、四匹と目の前に立ちふさがる魔族を剣で薙ぎ払う。
男が通った後には魔族の骸が転がるのみ。それに人間側も魔族側も戸惑っているようだった

アルバトロス > 「邪魔をするなら斬り捨てる。それが嫌なら、さっさと退け。」

何匹の魔族を斬り捨てたのかも分からないくらいに剣に魔族の血が付着している。
それは盾や鎧も同じことで、返り血を浴びながらも進むことを止めようとしない男は、
やがで戦場右側の最前線に差し掛かった。

「………多いな。だが、悪くない。」

流石に視界の魔族の多さに言葉を漏らす。
おまけに、此方のことが伝わったらしく大勢の魔族が押し寄せてくる。
それを見た男は口元を歪めて、足を出す速度を少しあげる。
何と言うことは無い、真正面からの斬り伏せるだけだった

アルバトロス > 男の鎧の姿を魔族の影が呑み込んでから暫く経った。
戦場の右側…男が居た場所は、魔族の死体だらけだった。
無論、襲ってきた魔族に高位魔族が一人もいなかったというのが大きな理由でもある。

「………しゅー…。」

細く長く息を吐きだす。
もう襲ってくる魔族はいないかと戦場を見渡す。魔族は、予想外の損害を受けたことで
丁度撤退を始めているところだった。
それを見た男は、肩から少し力を抜く。

アルバトロス > ふと、砦の方を見遣る。
立て籠っていた人間の兵士たちが、警戒しながら男を見ているのが分かる。
どう見ても、賞賛するような様子はない。

「………。」

だが、逆に男はそれで良かった。
人間のために戦ったわけではなく、襲いかかってきたから斬り伏せただけのこと。
漸く、邪魔が居なくなったと歩き始める。そのまま、魔族の国へと単身向かっていくのだった

ご案内:「タナール砦」からアルバトロスさんが去りました。
ご案内:「タナール砦」にアルフレイドさんが現れました。
アルフレイド > 王都で受けた仕事の内容はこうだった。
『民間より集められた糧食・飲料をタナール砦まで輸送する。そのため腕の立つ護衛役を求める。』
輸送隊の護衛である以上、単独では困難な仕事であり
複数人の冒険者、傭兵によるチームが編成された。
輸送隊の前衛・中衛・後衛共に戦闘・護衛共に経験豊富な傭兵達中核に数人の冒険者を並べての配置。
男はちょうど後衛にて警戒の網を張りながら輸送隊に付き従っていた。

「――…補給物資の輸送で護衛ってのは解るにしても、どうにもギルドに依頼しての補給支援ってのはなぁ…。」
何となく違和感を感じる。
王国軍でも補給部隊は存在するだろうし、タナールに駐留、防衛してる師団と言えば

「……第七だろ。最前線部隊なら補給部隊なり予算も豊富な気がするんだがな…。もしくは別の師団が護衛に付くとかよ…。」

時々王都に居ても噂話のように、『王国軍の戦力が削られている』だの『王族貴族が魔族に降伏しようとしている』等の話を耳にするようになった。

小高い丘の上へとその坂道を輸送部隊と共に、重い足取りで一歩ずつ歩めば、ようやく分厚い城壁が丘の上広がりを見せ、魔族の国との境目の砦へとたどり着くだろう。

アルフレイド > ここ最近も魔族による襲撃があったせいだろうか。
砦の門を護る衛兵ですら、男どころか他の冒険者でも解る位、殺気と緊張感を放っている。
輸送の責任者でもある依頼主の商人が衛兵と書類を確認している間、後方で砦を男は見上げていた。

「……奪われては奪い返し、攻め込んでは押し返され…か。」
これほど何度も主を変えた砦も珍しい。
幾度もの戦いで痛んだ箇所が幾つか城壁には見えるも、ここがやはり魔族と人間の最前線なのだと再認識し。
ようやく書類の確認も終えて、輸送部隊の馬車は砦の門を潜った。