2015/11/08 のログ
ご案内:「タナール砦」にシェリルさんが現れました。
シェリル > 夜闇に規則正しく響く無数の足音。
その足音の主は、虚ろな生で蠢く無数の武装した骸骨の群れ。それらが、砦めがけて突き進み、気づいた砦の兵士たちと先端を開いている。
戦場という命を懸けた戦いの場。
そこでこそ、生死の境界線上での人間ドラマが見られる。

「ま……。規格外の個が絡まないと、展開は予想通りね」

倒される端から継ぎ足される戦力を前に押され気味の兵士たちの死闘を、骸骨の群れ越しに遠目に眺めながら、優勢な展開に口元を緩める。
戦力の逐次投入は戦術としては下策だが、勝ちに行ってるわけではないので問題ない。
無双して、せっかくの戦力を蹂躙してくる突き抜けた個もいないようだしと、見るに値する戦いを、足掻きを見せてくれる者はいないかと、戦場を眺め渡す。

シェリル > 「……ん?」

眺めているうちに、戦場の動きに違和感を感じて首を傾げる。
戦友を助けると奮闘する兵士たち。
それはいいが、全体として動きを見ると何か妙なような――と。
全体としての動きが、妙に連携が取れてないような。
用意した戦力ではちょっと優勢程度の見積もりだったのが、そのせいか明らかに優勢になっている。
顎に手を当て、しばし考えてから小鳥を一羽飛ばして、戦場を上から俯瞰させ。

「…………」

砦から逃げていく一団を確認して、つまらないとばかりに口元を歪める。
整った身なりからして、ただの兵士とかそういう事は無い。状況からして、不利とみた上がさっさと下を囮にさっさと逃げ出したといったところだろう。
頭が不在になったせいで、指揮系統に混乱が生じていると見るべきか。
美しき団結とか、将の誇りとかそういった物は見れないようだ。見れるのは使い捨てにされた兵士の死闘と悲劇くらいか。
一度、戦闘の均衡が崩れると回復は難しい。
最初はゆっくり、そして加速をつけながら戦線は移動し砦は陥落へのカウントダウンを刻み始める。