2015/10/23 のログ
ご案内:「タナール砦」にルシエラさんが現れました。
ルシエラ > 今まさに戦の真っ最中か、怒声や断末魔の声と様々な叫び声が木霊する砦の見晴台。
そんな場所で先に見える魔族の国といわれている場所を眺めている少女が居た。
その手には肉と酒、とても戦場とは思えないのんびりとした雰囲気である。

別に魔族側について戦っている訳でも、人間側について戦っている訳でもない。
この砦の先に魔族の国があるのだと聞いて、それを見たくてきただけという気紛れぶりである。
で、ちょうどその時に戦いが起こっていたのだが…少女は面倒事を避けるようにしてこの場までやってきていた。

「ぷあーっ…いやー、あれが魔族の国ってやつ?まったく、眠っている間もこんな小競り合いを続けてるなんて、暇人ばっかりなんだねー」

ごくん、と頬張っていた肉を呑み込み、ごくごくと酒を喉に流し込む。
視線を砦の中に向ければ終わらない戦いはまだまだ続きそうだ、今のところは…人間側が有利か?

…あ、誰かこっちに気が付いたのか指を指した。

ルシエラ > ひゅんっ、と風を切る音と共にすぐ横を矢が抜けていった、気付いたうちの誰かがこっちに矢を放ったらしいか?
正確にはわずかに少女の位置はずれている、相手さんの狙いは確かだったようだ。

「おーおー怖い怖い、別に私はあっちを眺めてるだけだってのに必死になっちゃってまあ…」

はふ、小さく溜息をついて酒の入った袋をしまい込む。
こきこきっと首を左右に揺らし、改めてそちらを見る。
…うん、相手さんは俄然やる気だ、数が増えてる上にこっちに向かってきている。
仕方ないな、と思いながら、とんっとその場から身を躍らせた。

ルシエラ > すたっ、と身軽に床へと着地をすれば、やってくる相手を確かめるように見遣る。
ひー、ふー、みー…たくさん。それは冗談として、人数は今のところは10人程度、どうやら全員が人間のようだ…当然といえば当然な気がする。
剣を持った人間が7・8人、後ろに弓を構えた人間が2人…あと一人は、何か呟いているところを見ると魔法使い?

うわー…魔法だよ魔法、いやだなー…心の中で呟きながらも、小さく身構えた。

牽制するように放たれる矢を紙一重で避けながら、魔法使いの動向を注意する。
そろそろ前衛様方がすぐ側までやってくるが、まあ、あの人数が一気に斬りかかって来る事はないだろうと放置。
…と、やっと魔法使いが動いた。
頭上に浮かぶ数個の火球、それがこちらへと向かって放たれる。

ルシエラ > ああ、うん、あれなら避けるのは容易いやよかったー。放たれた火球を眺めながらそう思った。

…次の瞬間、少女はその場から消えた。
正しくは相手が視界に捉えられない速度で突進していった。
狙いは…魔法使い。
でも邪魔だから、こちらに向かってきていた前衛様方を通り抜け様に3人程、横から拳を叩き付けふっ飛ばしておく。
…ふっ飛ばしただけ、多分、ダメージはあんまりない。

後方で火球の炸裂音が響く中、姿を消した少女に戸惑う後衛陣、弓兵2人と魔法使いの前に、その探していた少女が立っている。
にへらーっと笑顔を浮かべた。

ルシエラ > 「ごめんねー?ちょっと痛いよー?」

笑顔のまま言葉をかける少女。
言葉に続き、まず魔法使いの体が後方へとふっ飛んでいき…壁に激突、ずるずると崩れ落ちた。
同じ調子で2人の弓兵もふっ飛ぶ、転がったまま起き上がってこない。

「あーあ、私なんて無視してあっちで遊んでれば無駄にやられずに済んだのに………で、やるのー?」

ぱんぱんっと手を叩きながら、こちらに身構える4人と起き上がってきた3人に変わらぬ口調で声をかけた。
…あ、7・8人じゃなくて7人だね。今更ながらに自分の見立てた人数に無駄な訂正を心の中で加えた。

ルシエラ > 7人に戻った前衛様方は、互い互いに何か小言で話し合っている様子だ…これは、もう終われるか?そんな期待をしてみた。

が、3・3の態勢になり、1人が奥へと消えていった。
…あ、これは駄目だ。
やる気満々だろう6人となった相手にがっくりと肩を落とす。

また増えるのかなー?ちょっとこれは面倒になってきたかもなー?
気が付けば周りの声が小さくなっている、どうやらそろそろ決着がつきそうな様子だ…しかも、人間側の勝利で。

ご案内:「タナール砦」にヨゾラさんが現れました。
ヨゾラ > 取り分け何という事もない。
要は先客のその少女と同じく魔族側に肩入れするんでも人間側に肩入れするんでもなく。
ただただ暇潰しとして適当に観戦だ悦楽だしに来ただけだった。
合法的に、といったら語弊はあれ、当然のように殺し合いが行われて血生臭いここいら、
噂には聞いていたが一遍行ってみようと訪れればこの様で。
性欲旺盛な人間には例え見ているだけであっても襲われるのである。
そういうわけで、当然の如く武器を取りまわして反撃に臨んだのがついさっき。
人間の方に負けてるなんて何か情けないではないか。まぁそっちはどうでもいいが。

で、この化け物もまた所謂「暇人」の一員だった。

近場から断末魔と機械音が響く。馬鹿力を持つエンジンの音。回転して走り回る刃の音。
この世には大凡あり得なさそうな轟音。地響きの様な音波と、
明確に何かを切り分ける嫌な音。水飛沫が飛散する音。

「…あーあー、そんなに殺してほしいのかしら、こいつら。…あら、まだ居たの。
いーち、にーい、さぁーん…まぁ、いっぱいいるって事でいいわね。」

その一人が消えて行ったのと入れ違いに現れる、人の皮を被った化け物。
大凡この世界にはあり得ない武器を担いで、人間六人、魔族一人のその群れの方へと向いた。
3人ほど指差して数えたが、飽きたのでやめた。
消えて行った一人がどうなったかは、恐らくご覧の通りなのだろうか。
ただ、女の見た目の魔族が二人いるなんて聞いたら、人間の男はもっと寄ってくる事など想像に難くないのだけれど。

ルシエラ > 1人が消えて行った方から聞こえる叫び声と音、当然、残っていた者達もそちらを向くか。
はて?と首を傾げた少女が後ろを見ようとするも…うん、身長のせいで後ろの様子が見えない。
とりあえず分かるのは、後ろから代わりに現れたのは声からいって女性っぽいのと、なんか激しい音を立てる物を持っているくらいか。

「あらら、せっかくやらずにおいてやってたのに台無しだねー…」

ぽりぽりと頬を指で掻いて困り顔でぽつりと呟く。
さて、そうなるとこれはどうしたものかと考えるも、自分が手を下さずとも面倒事は片付くのかもしれない、とかも思える。
後ろの3人はあちら側に、前の3人はこちら側に注意を向けているようだが…
ともあれ変に動いて刺激するのも面倒だ、となれば、誰か動かないかと自分は待ちの構えでいく方向に。

ヨゾラ > 全員の視線を引き、すぐさままた全員が臨戦態勢に戻った。
布陣は、3・3・1―――否、向きを見ると、何だか自分以外の別の方向に戦力分散しているのか。
皆が皆足を止めて暫し出方を待った中、気にもせずその足を進めた。
こちらを向いていようとも構わず足を進める。
悠々と野次馬で来そうな場所へと。その足は真っ直ぐ進んだ。
手にもった獲物をわざとらしく数度機関を鳴らせば威嚇にもなろう。

「暇潰しに入ったは良いのだけれど、どいつもこいつも薄汚い男ばっかりでねぇ…、あー、でも。」

つか、つか、とその身は未だに真っ直ぐ、下手すれば全員に囲まれかねない位置にまで直進。
その場に集まった面子の顔をチラチラと見遣る。

「やっぱり、可愛い子も居るものねぇ。」

この戦況をあんまり理解していないのか、嗜虐性の片鱗を孕んだ、
何処かズレた笑みで、少女と言うのに相応しい子供の外見の人物を見て呟いた。
非常に悠長な、大凡戦場であるとも思えない程間延びした言葉。

ルシエラ > 煩い音のせいで少々声が聴き取り辛いが、どうやらやってきた女性は味方っぽいか?と取れる。
いやまあ、敵の敵が味方とは限らないんだけどねー…とか思っていると、その音が近付いてきているように聞こえる。
いや、ようにじゃない、近付いて来てた。
無造作に前に進み出た女性が自分からこちらに見える範囲内へとやってきたようだ。

「おやまあ、また変わった物を持ったのが来たねー…何、君は敵さん?それとも敵の敵で味方さんかなー?」

敵だったらもう面倒だしこの際さっさととんずらしてしまおうか、味方だったら…なんかこっちもやる気満々っぽそうだし任せてしまおう。
とりあえず声をかけ、女性の返答次第で行動を起こそうと考える…
兵士?ああ、うん、そういえばそんなものが居たねー?二人に挟まれるようにして身構えている相手に対してはそんなものである。

ヨゾラ > 「あ、やっぱりこれ珍しいのね…?
面倒くさい事は嫌いだから全員敵でいいんじゃない?…ええと。逆に聞くけれど貴方何者?」

滅茶苦茶な理論だった。一応は確認をって事で聞いてはおく。
種族的に言えば味方なんだろうが、生憎どちらに付くつもりもない。
答える声色は割かし満更でもなさそうだ。

「まぁ、あれよ。何しに来たってわけでもないんだけれど。
どうしたものか、あんまり面白い子もいなくってね。兎も角暇だったわけ。」

多分全員が全員見えている状況なのだろう。
そんな事も気にせず悠長に愚痴半分な話を始めた。

「で、まぁ、何。暇潰しに来たらもうね、嫌よねー、人間って。」

後半から誰に言っているのやらと言った感じ。
その辺の人間にも笑いかけながら、その足は止めず真っ直ぐ真っ直ぐ進む。

ルシエラ > 「そうじゃないのー?まあ、私は武器とかあんまり興味ないから実際にどうなの?って言われると分からないけどねー…って、私はほら、あれだよ、あっちにある魔族の国ってのを見に来ただけの何の害も無い冒険者だよー」

ひらりひらりと手を振りながら答える少女、そろそろ無視され続けて文句の一つも出てきそうな真ん中の人間達はすでに答えに含まれないほどの扱い、可哀想なものである。

「おー…うん、まさにそれだねー。この辺り、面白い相手も居なくて暇で暇でしょうがないったらありゃしなくてねー」

わざとらしく、はふーっと深い溜息。
いい加減に無視をし続けるのも可哀想かと、ちょいちょいとそちらを指差して、次の言葉を紡いだ。

「で、君としてはそろそろ始末しちゃうの?」

ヨゾラ > 「んんー、いやね。この間もあんまり見ないって言われて。…ふぅん。女の子なのに。
あら、奇遇ね。私も、この砦からあっち側にある魔族の国へ向かう道を覚えに来たり、
暇をつぶしに来たりしただけ。ま、無害ならそれで良し。…好きねぇ、貴方も。魔族の国に何か何しに行くんだか。」

何か人間たちの空気が凍っている。が、気にしない。気にする必要もない。
自分の事は棚に上げて、ついでに行く目的を半笑いながら聞く。

「あら、それも奇遇ね。私も凄く暇していたの。何ならお相手して下さってもいいのよ?いやだろうけれど。」

少しだけ期待の色がにじんだ目を向ける。
一体何のお相手させられるか分かったもんじゃない含みのある言い方。

「ん?…ああ、そうねぇ。面倒くさいけれど。増えられてもアレだしね。
どうしましょうか。」

その気になれば何時でも始末できると言いたげな、非常に慢心的な答えだった。
少女に群がり襲いかかった人間…概ね醜い男連中の集まりだとは思うが、その顔ぶれや如何に。