王国北方、タナール丘陵地帯に築かれた、魔族の国と最も近い砦の一つ。
魔族の侵入を防ぐ国防の要の砦である。
何度も人間と魔族の間で奪い奪われを繰り返しており、ある時は人間の砦、ある時は魔族の砦という風に一進一退が続いている。
魔族に奪われた場合などは、中にいる女騎士や兵士などは彼らに囚われることとなるだろう。
人間に敗北した魔族も同様である。魔族とて無敵というわけではない。
人間が奪い返した時や、魔族に奪われた際などはその内装や罠の仕掛けなどが変わることが多い。
※魔族との戦いの主戦場になります。戦闘ロールなどをしたい場合はここでどうぞ。
奪い奪われ、という砦なので、入室者が現在、砦はどちらのものになっているのかその都度決めて構いません。
敗北して敵に捕らわれるなどの展開もご自由にどうぞ。
●この部屋には固定パスワードが設定されています。
参加者(0):ROM(1)
Time:00:42:48 更新
ご案内:「タナール砦」からカザンさんが去りました。
ご案内:「タナール砦」からアマツキさんが去りました。
■アマツキ >
パン、と自らの膝を叩く音が響き渡る
それはカザンの返した答えに何か、打たれるものがあったのだろう
「うむっ。鬼はそうでなくては!
八卦の山にもお主のような雄が居ればのー」
肩をすくめるようにして、言葉を零す
この鬼もまた、強者との闘争を求め国を跨いだのだ
決して不敗などではなく幾度も土をつけられたことはありながら、それでも闘争を、強くなることをやめられぬ
故に、カザンのより闘争を求めるためという返答には至極納得がいった
「構うものか。どうせ砦を落とそうという者も夜闇に紛れて大軍団というわけにはいくまいて」
無論、それはそれで大歓迎ではるのだが
「好し!! ならば勝負じゃ!
酒の量がちと心もとないが…なに、なんならば砦の中に祝勝用の酒もいくらかはあろうよ♪」
握り込んだ徳利を突き合わせるように差し向け、再びの闘争がはじまる
それは先立ってのものと違って暴風を巻き起こすようなものではないが、それこど言葉通り朝日が昇るまで…そう勝負はつかず
再び陽の光が照らす頃には、砦にある程度保管されていた兵士用の酒は根こそぎ空になっていたという──
この酒勝負、どちらが勝ったのかは──闘争を求める鬼二匹のみぞ知ることで
■カザン > 「ハハ、窮屈か。
それはあるが…後はなァ……」
傷ついた臓腑に酒が染みる
そして若干悩んだ後
「せっかく、お前のような強い雌と出会えたのだ。
2度の喧嘩で潰してしまっては、勿体ないだろう。
以前より拳の冴えが増しておったし、俺も鍛え直し…まだまだやり合いたいと、そう願ってしまったのだ」
確かに、全てを暴力に注ぎこめば勝てはするだろう、とある程度感覚がある
けれどその後は、また鬼にとっては退屈な日々が延々と続くようになってしまう
貴重な相手だからこそもっと、もっと、と望んでしまったのも理由であった
何と女々しいことか、と内心湧いた感情に自分で驚きながら酒を煽る
「ああ、だからつまらぬ。…しかし、良き酒精だ。
そうだな。飲み比べなら…俺は、次の朝日が昇っても終わらんぞ?」
挑戦的に笑ったその顔で徳利を大きく傾けていく
いつもは戦争が繰り返される砦に、鬼の呵々大笑が響くだろう
■アマツキ >
「理性的だのう。儂なぞはそれも構わぬというか、それはそれで別の面白さも在ろうとしてしまうのだが
そのようなデカいナリをしておって、窮屈ではないのか?」
闘争欲求に呑まれ、理性を失い、荒ぶる鬼神となろうともそれはそれで鬼の本質の一部であろう、と
すべてを解放したならばこの雄は恐らく、自分よりも強い鬼であろうとなんとなしには見えている
そこを理性的に抑え込んでしまうのは少々勿体なさを感じるものだが
武人として見て取るならば、カザンの言うことはまこと然り、理解も出来る
徳利を呷り、ぶはぁ、と上品さの欠片もない息を吐いて
「山の澱でぶっちめた盗賊が色々持っておってな。麓の町で交換してきた。
お主の作る酒も美味かったが、この国の流通する酒はこれまた美味い。シェンヤンとはまた違う味わいだの」
米とは違う、果実を蒸留して作った酒は独特の渋みと肥えた樽の芳い
酔いのまわりについては良い勝負だろう
「お主の本気も見て見たくはあるが、それが詰らぬというならば仕方ない。…こちらの勝負も、強かろう?」
たぷん、と揺らす大徳利
にやりと牙を光らせ嗤う雌鬼はまだまだ勝負足りぬといった様相で…
■カザン > 芯まで届く拳を受ければ、肉体には深い損傷が刻まれた
けれど、戦えるかと言われれば応、ではある。しかし――…
「あァ、その通りだ。次はああなったら組むとしよう
…何、正気を失うのは簡単だが、それでは…お前のような鬼と戦い、勝った高揚も味わえん
…美酒も不味くなろう」
正気を失う寸前ではあったが、まさしく目の覚めるような一撃に揺さぶられ
火の山のように荒れ狂い続ける事態にはならなかった
もしそれで勝ったとしても、止まらずにすべてを奪い取り…その腰の美酒すら、泥に堕としていただろう
この相手と戦うなら、意思のまま全てをぶつけたいと思ったから敗けを認めたのもある
「ハハ、その肉をこれだけひしゃげさせておいてよく言う
……ん。…美味い。良い酒だ」
よくよく見れば腕も若干妙な形に歪んでいたりするが
痛みを臆面も出さずに、放り投げられた徳利を受け取り…ぐい、と傾けた
■アマツキ >
再びの手応えアリ
大人と子供以上の体格の差の開きでありながら、その目方といえば女鬼のほうに軍配が上がる
それだけの膂力を凝縮した肉体、全体重を乗せ突き上げた一撃は無事巨鬼の肉体、その芯へと届き──その背を突き抜ける程の衝撃を、闇落ちる砦の空へと誇らしげに迸らせる
「───」
唇を尖らせ、細く息を衝く
女鬼の浮かべていた表情はどこか憮然としたものだったが、それはほんの瞬く間
「ふはは!今宵は儂の勝ちであろう!!
いかんなー、小兵を相手に懐にそう容易く入れさせては!」
楽しげに牙を見せ、誇らしげに嗤う
そして雄と同じ様に、砦の地べたへ腰を落とし胡座をかいて
「~♪ これで麓で手に入れた酒が勝利の美酒に早変わりという寸法よ。
しかしお主、やろうと思えばまだやれるのではないかえ?」
早速と、酒を呷りはじめる雌鬼だったが、血を吐きつつも倒れなかった巨鬼を前に怪訝そうにそう尋ねて
「さて、煮るなり焼くなりというてもお主の肉は硬くて喰えそうにはないの」
ならば酒にでも付き合ってもらうか、ともう一本、大徳利を取り出して放り投げた
■カザン > 例え山頂から転がり落ちても無傷であろう肉に傷が刻まれていく
最初の鉄塊の跡、拳、足の跡…
それら、男鬼にとっては血を滾らせる傷跡は、無数に
ただし、戦いはいつまでも続かない。どのような戦いにも何かしらの決着はある――
「―――――ッッ!!!!」
放った拳は、直前の衝撃によって僅かにぶれ、女鬼の側頭を掠めて空を叩く
拳が外れた衝撃で砦の壁、その一角が崩れ落ち
代わりに突き刺さった女鬼の拳によって1歩、後ろに下がる
「ぐ、ぅ…。はぁ…!此度は、俺の負けだ。相変わらず、見惚れるほどに強い」
倒れはしないまま、足に力を入れてゆっくりとあぐらを掻いて座る
血を吐き、至る所に濃い打擲跡が残っているが、鬼だ。そう簡単に死にはしない
「煮るなり焼くなり好きにしろ。以前は、俺が好きにしたのだしな」
は、ぁああああああ…、と深い息を吐けば座ってもまだ巨大な体、その視線で女鬼を見よう
■アマツキ >
全力で唯只管拳を撃ち込んでも壊れぬ、倒れぬ
「呵呵、魔族の国の巨木とてこうも頑丈ではなかったぞ──」
楽気に嗤う鬼の一撃が巨躯を揺らがせる
その拳に遺るは重く強固な鉄にも似た、されど靭やかな肉の感触か
確かな手応え、降りかかる血の匂いに、より鬼の闘争本能は滾り満ちる
以前に貰った一太刀は返した、なれば次は勝ちを貰うぞ、と
己の体躯の二倍はゆうにあろうその巨躯から打ち下ろされる拳を意に介することもなく
端から守る思考などない、振りかぶったその胴体、防禦を捨てたその肉体に追撃を加えんと、両脚の筋肉が隆起する
打ち下ろしに対するは、打ち上げ
その名に対しては皮肉めいた、噴火が如く荒ぶる鬼の掌底がブ厚く肉の詰まった雄の腹を目掛け、放たれる
打ち下ろされる拳の行方など見てもおらぬ
存分に殴り合い均衡が崩れたのなら、放つは文字通り雌雄を決する一撃のみ──
■カザン > それこそ木っ端であれば、良くて半身圧壊で即死
防御すら間に合わなければただの地面のシミになりかねない一撃
この女鬼相手以外では味わえない威力を受け止めた後、反撃すれば…やはり隻腕をものともしない頭突きによるカウンター
最も硬い額、しかも尋常ならざる膂力を持った女鬼の頭突きで受け止められれば拳にも罅が返ってくる
「あァ。靄が晴れるようだ!!、オォォオッッ!!」
平和に生きている中でも、その性質は変えられない
平時は穏やかであっても、煮えたぎれば全てを呑み込む火の山
その名前を表すように、鋼の雨霰のような乱打を受け止める
辺りは豪風が吹き荒れ、傷ついた砦が軋み、傾く
男鬼は防御など考えず…一発一発が砲弾よりも強力な手足の打擲を受け、よろけては打ち返す
段々と鬼の体の赤が濃くなり、理性を吹き飛ばしてただ闘争を求めて殴り合う
だが、今回は―――
「ガッ……」
一際強く撃ちこんだ返し…女鬼の乱打の内の一撃が腹部に深く入り
その巨体を浮かせ、人間5人分ほど吹き飛んで着地する
赤黒い血を吐けば、膝をつかないまでも一時動きを止めて
「ガ、ァ、全く!止まっている場合ではないな…!」
真っ赤な思考に目をぎらつかせながら、再び襲い掛かる
大きく上から振りかぶる、隕石のような打ち下ろし
逆に胴体は大きく空くが、鬼の思考には最初からそのような小さな考えはない
ただこの最高の相手と戦いたい、その意欲のまま拳を放つ…!
■アマツキ >
竜の首をも跳ね飛ばす一刀が、その巨躯に阻まれる
まさに鋼、まさに鋼鉄
そんな手応えをの隻腕に感じ、女鬼は更に笑みを深める
奮われる巨拳に、、最早得物すらも無粋であるかと
「むぅッッ!!」
牙を期しませ、奮われた己の数倍はあろうかという拳に、自身の額を徐ろに叩きつけた
猛烈な衝突音が鳴り響き、衝撃波が互いの着衣を靡かせる
隻腕の都合、得物を握っていて初動が遅れるというのもあったが
よもやの頭突き、ある意味強固な鬼の肉体の中でももっとも硬質な、角の生えた額を以て拳を止める
当然ノーダメージとはいかぬまでも
「──くく、良き醒ましよ」
酔いもお陰で吹き飛んだと、ゴキリと首を鳴らし嗤う
そして、無駄口を叩くは野暮であるかと体勢を一瞬で立て直し、得物は投げ捨てその左腕を両脚に漲らせた力を、目の前に巨躯へと解放する
打ち据えるは拳に、蹴りに
素早くも重い、見た目にそぐわぬ重量を存分に載せ、怪力を存分に迸らせて息もつかせぬ程に乱打を見舞う──
■カザン > 戸惑うなどと無粋なことはしない
気配を晒し、顔を晒し、声もかけたのだ
血が滾った鬼同士が出会ってしまえば仕掛け、仕掛けられるのは当然と言える
「ああ、全く全く!」
言葉も短く
退屈していたのは自分もだと獰猛に笑えば、当然避けること、無駄に防御することはせず
正面から、振るわれる鉄塊を盛り上がった片方の肩でまともに受ける
大抵の斬撃、打撃であれば逆に打った方が傷つく男鬼の肉体が激しく軋み、体の芯に届くほどの衝撃が与えられる
その凄まじさに大地が震え戦火に見舞われた砦の地面が陥没し
「が、ぁあああああっ!!!」
鋼のような鬼の骨にも損傷が入っているが、その程度で…女鬼の気迫によって呼び覚まされた闘争本能は止まらない
砦の周囲の木々が震える雄たけびと共に…
鉄球のような握り拳を乱雑に振るい、相手の胴体へ放つ
■アマツキ >
「──おぉ、久しいの」
悠々と迫る一本角
その巨躯を見紛う筈も無く
大鉈に背を凭れ酒を煽っていたが此れ幸いと立ち上がり
「呵呵。今日こそ吹けば飛ぶ木端であったが、時には面白い巡りも在る──!!」
そう、この悠然と巨躯を聳える鬼の様に
待てば福は来たれリものかと、女鬼もまたその口角を吊り上げていた
そんな挨拶もかくや、不躾に女は背なを凭れていた大鉈を引き抜き
瞬間、滾る欲求を抑えられぬと言わんばかり、隻腕が鉄塊を振り被り、大鬼に向かい一直線、突っ走り振り下ろしていた
■カザン > 争いが途絶えるという珍しい事態が起きたタナール砦
そこから酒の匂いが漂ってくれば、それに惹かれるモノもある
「―――イイ気配がするかと思えば、暴れたようだなぁ」
のっしのっしと、やはり山の方から歩いてきたのは巨躯の鬼である
黒い一本角を揺らしながら普段は近づかない砦にやってきた
いつもの散歩のつもりだったが、争いと久しぶりの気配を感じて降りてきたのだ
当然目に入るのは、退屈そうに酒を煽る鬼の姿
幾分か前に本気で殴り合い、両腕であったなら、と密かに思った相手だ
この鬼相手に、並の人間や魔物が相手ではこの有様もわかるというもの
破損した砦の穴から中を覗き、中央まで歩いてくれば、少し離れたところで止まる
「久しぶりだな。木っ端相手ではその腕も泣くだろう」
普段は争いを好まない鬼だが、それは人間や魔物相手の話
同等以上の力を持つと判断した相手には、やはり血が疼いてしまう
男鬼には珍しく、少し凶悪に口角を上げて声をかける
ご案内:「タナール砦」にカザンさんが現れました。