2023/07/22 のログ
ご案内:「無名遺跡」にルルーサさんが現れました。
■ルルーサ > 「そろそろ、引き返すべきかしらね。」
トーチを手にクモの巣を払いながら歩みを進める冒険者の一人。さて、と肩を回して吐息をつく。持ってきた食糧にはまだ余裕はあるが、一人で来ているからには、余裕をもって引き返す勇気が必要だ。
短い槍をくるりと手の中で回して、その場にひとまず腰を下ろし。
「………ここまでは問題なし。罠も子供だましレベル、と。」
取り出したMAPにここまでの歩みを記載する。
少しずつ記載して、次に来るときはもっと奥にまで足を踏み入れる。冒険者の基本だ。
■ルルーサ > 「ふん。」
途中で出会った冒険者の一団のことを思い出して、鼻を鳴らす。
変な視線を受けて、ぎろりと睨んで追い払った。
………彼女は、一人で旅をするのだ。仲間なんていらない、と心に決めている。
若い女性の一人旅、危ないことばかりではあるが。
「………目印だけつけていこうかしら。」
短い槍を振って、カリカリ、カリ、と壁にマークを刻む。ここまでやってきた、という証だ。
■ルルーサ > 「よし。」
小さくうなずく。艶やかな雰囲気をまとった女戦士は、す、っと来た道を引き返していく。
ご案内:「無名遺跡」からルルーサさんが去りました。
ご案内:「無名遺跡」にドラゴン・ジーンさんが現れました。
■ドラゴン・ジーン > 昼夜の関係も無い、閉ざされた無名遺跡の底にてそれは潜んでいる。朗々と照らし付けて来るのは何者かが敷設した魔力照明の灯火だ。延々とひた続く回廊の彼処において悍ましい怪物達が跋扈しているのをその気配から感じとる事が出来るだろう。焼き締めた魔法煉瓦が壁や床、それに天井までをも埋め尽くし、そこに補強として建てられた梁には入り込んだ蜘蛛のかけた白い巣がカーテンのように下がっている。
その廊下に面した一室の中にそれは潜んでいた。何の変哲もないベッドが幾つかに食料や水の入った棚。椅子やテーブルが設けられ、良くみれば竈らしきものまで備わっている小部屋だ。入口にたてられた木製の門戸に刻み付けられた魔法陣はまだ活性化しており、白々と放たれる発光は即ち邪な者達を寄せ付けない結界の一種だ。この遺跡に元々在ったものではなく、遺跡を攻略する冒険者が一時的なセーフルームを拵える為にかけた魔術の賜物となる。
「………」
今も入口周囲から壁や床にまでぎちぎちに走った魔法文字の放つ力によって、その御蔭で此処には怪物達も容易には立ち入れないという訳だ。しかしながらにおいて封鎖されているのは入口の門戸だけであって、それ以外の場所からならば容易に此処に忍び込む事も可能であった。
即ちにおいては敷き詰められた煉瓦のモルタルの欠けた僅かな隙間を経由してスライムのような不定形ならば此処に入り込める。
元々は竜の形を形成しているその怪物は今は黒いコールタールのような形状として、今は眠る者の居ないベッド下の物陰に平らに伏せるようにして潜伏している。
休眠状態ではないその証に、時折に頭部から伸びている触角が炯々と光を湛え、うねるようにして周囲の暗がりを照らし出す
ご案内:「無名遺跡」からドラゴン・ジーンさんが去りました。