2023/07/11 のログ
ご案内:「無名遺跡」にケストレルさんが現れました。
■ケストレル > 小さな足音を響かせながら、カンテラを片手に岩肌に囲まれた通路を進む
本日のケストレルは真面目に依頼を遂行中だ
依頼内容は無名遺跡内でパーティから逸れた冒険者や、迷い込んでしまった人の救助である
縦横無尽に広がった遺跡はその遺構内に潜んだ魔物や、数々の罠によって冒険者が分断されたりといった事案が頻発する
「俺も冒険者なりたての頃は危うく純潔を失いかけたっけ……」
過去に嵌った罠の事を思い出しながら、深く深く溜息を溢す
あんな思いは二度と御免だ、と思うと同時に他の冒険者があのような目に遭うのも出来れば避けさせてやりたいと思う
だからこうして、独りで遺跡内を進んでいる、というわけだった
■ケストレル > 既に外からの光は届かない程度の深さまで潜って来ている筈で、周囲の確認は一層慎重にならざるを得ない
陽が入らない事で冷え切った空気が岩肌にぶつかって結露となって足元を濡らす
濡れて滑りやすくなった洞窟内はたとえ罠が無かったとしても危険だ
「俺だったら初心者パーティに向けてそう説明しとくもんだが」
世の中には敢えて危険を教えず、初心者を窮地に陥れる悪辣な輩も居るらしい
何を目的としてそのような悪行を働くのかは分からない――理解しない様にしているが、現に遺跡に潜り命からがら還って来る、あるいは還って来ない冒険者も少なくはない
考えてたら苛立ちを覚え、小さく舌打ちを溢すケストレル
「……ま、お国柄って奴かねえ」
こればっかりは自分にはどうしようもない
ささやかな無力感を振り払いながら、今はただ進行方向に注意して遺跡を潜って行く
いつ何時、要救助者か魔物や罠が現れるか分かったもんじゃないからだ
■ケストレル > 「――おっと、何か居るな」
カンテラの灯りが照らし出す範囲の外、ちょうどT字路の様に行く手が左右に分かれていた
どちらに進んだとしても何らかの気配を通路の先に感じ、静かに身構えるケストレル
背に括りつける様に背負っていた杖を手に取ると、いつでも魔術を展開出来るように魔力を練り始める
「はてさて鬼が出るか蛇が出るか……出来りゃカワイ子ちゃんが良いんだが」
どうやらそう上手くはいかない様で、闇の中の気配に対し肌寒いくらいの洞窟内で汗が一筋、頬を垂れる
分かれ道の先を左右それぞれ確認した後は、意を決し先へと進んで行き―――
ご案内:「無名遺跡」からケストレルさんが去りました。