2023/06/25 のログ
ご案内:「無名遺跡」にイリーナさんが現れました。
イリーナ > 九頭竜山脈の麓に位置する無名の遺跡。
冒険者ともなれば通いなれた名もなき遺跡は、訪れるたびにその姿を変えている。

本日は浅めの階層で活動を行っているためか、足取りは軽い。
この程度の階層で出くわす魔物やトラップなど、ある程度の経験を重ねていればどうとでもなるものだからだ。

「ん、んー……成果も上々ってところかしら、ね。」

あとは来た道を戻るだけ。

慣れ、油断、経験から来る余裕、帰り道が分かるからか、途切れた緊張感。

その心の隙を、鋭く突き破る物はあるだろうか。
たとえば、こんな浅い階層に相応しくない獣。
あるいは、一体ではかなわないなら、複数で襲ってくる魔物。
もしくは、帰り道だからこそ反応する迷宮の罠か。
それとも、表に親切な仮面を張り付けた同業者の類だろうか。

……果たして――。

ご案内:「無名遺跡」にサイエーガ・パラサイトさんが現れました。
サイエーガ・パラサイト > そんな遺跡内での不運な出会い――女冒険者の気が緩んだ隙を狙うかのように、光が届かぬ小脇の通路から投げ込まれる煙玉。
転がったそれが女冒険者の足先へと辿り着けば、勢いよく煙が吹き出し――辺りを覆い隠す。

目隠しが如く、暗がりの遺跡内に立ちこめる煙は周囲を覆い隠していき…その煙に乗じるかのように複数の気配が滲みでてくる。

尤もそれは陽動のようなもの。
意識がそちらに取られ、煙の中に居続ければ…女冒険者の手足に痺れにも似たそれが生じでる。
気がついた時には遅く――抜けだそうと駆けようにも足がもつれるような感覚さえ覚えるか。

イリーナ > コートの腰止めに今日の成果をまとめた袋にまとめ、向かうは出口。
頭の中で待ちに戻ってからの予定を考えて頬が緩んだ。

「――な、!?」

足元、違和感を追った視線が下がりその視界を塞ぐように噴き出される煙。
咄嗟にコートの袖を口元にあてるが、勢いよく噴き出された煙は隙間から女の鼻から、口から体内に取り込まれる。

一歩、二歩と駆け出そうとするが――その足が、もつれた。
硬い迷宮の床に転がってしまい、力が籠らないまま少しでも出口に近づこうと這いずる、が……。

女のまわりを複数の気配が囲い込む。

煙が晴れるころには、女も、囲い込む複数の気配もなくなり――迷宮はいつものような静寂を取り戻すことになるだろう。

サイエーガ・パラサイト > 足をもつれさせ、床に倒れ込んだ女冒険者を取り囲む複数の気配――出で立ちこそ同業者ではあるが、その目にあるのは獲物を、牝を見つけて仄暗い欲望を孕んだ牡のもの。

「おいおい、逃げるなって。
 俺たちと楽しいことをするだけなんだからよ――」

下品な男達の声と、笑い声。
女冒険者へと手を伸す―― 煙が晴れたころには何も残ってはいなくて。

サイエーガ・パラサイト > 【移動落ちです。】
ご案内:「無名遺跡」からサイエーガ・パラサイトさんが去りました。
ご案内:「無名遺跡」からイリーナさんが去りました。
ご案内:「無名遺跡」にマグゴブリンさんが現れました。
マグゴブリン > 九頭龍山脈の麓に数多く点在する有史以前の遺跡群。
かつての魔導機械文明の痕跡とされる遺跡からは古代の財宝や、
文明の名前の由来ともなった貴重な魔導機械が発掘される。
しかも、発見された遺跡は全体の一割、二割に過ぎないとも言われており、
未盗掘の儘で現存する遺跡の数も多く、一獲千金を狙う冒険者や遺跡探索者は後を絶たない。

だが、この遺跡に利用価値を見い出しているのは何も人間のみに限らない。
この地域に棲息している魔族や魔物にとっても迷宮と化した遺跡は隠れ家に都合が良く、
謂わば、先住者として遺跡にて住まう者達が存在していた。

今、此処、名もなき遺跡の中でも小規模な遺跡に暮らしている小鬼達も御多分に漏れず。
遺跡を住居と定めた彼等は機械文明の遺産を活用しながら防犯用の罠を張り巡らせて、
迷い込んだ冒険者や探索者、近隣の住人を捕獲して、或いは、他所から連れ込んだ雌も含めて、
自分達の仔を孕ませる為の、繁殖用の牧場施設を築いていた。

迷宮奥の一室、合言葉を告げねば開かぬ扉の内側にて、人間やミレー族を始め、
魔物めいた者も加えた多くの雌が、檻で区切られた部屋で足枷を付けられた状態にて囚われており。
彼女達は水や食事の提供を受ける代わりに、日がな代わる代わる訪れる小鬼達にその肉体を玩ばれ、
胎内に吐き出される胤にて仔を孕み、産み落とし、更には、成長した自身の仔に孫を孕まされるという
いつ途切れるとも分からない悲劇のサイクルを延々と繰り返していた。

ご案内:「無名遺跡」からマグゴブリンさんが去りました。
ご案内:「無名遺跡」にドラゴン・ジーンさんが現れました。
ドラゴン・ジーン > 昼夜の関係も無い、閉ざされた無名遺跡の底にてそれは潜んでいる。朗々と照らし付けて来るのは何者かが敷設した魔力照明の灯火だ。延々とひた続く回廊の彼処において悍ましい怪物達が跋扈しているのをその気配から感じとる事が出来るだろう。焼き締めた魔法煉瓦が壁や床、それに天井までをも埋め尽くし、そこに補強として建てられた梁には入り込んだ蜘蛛のかけた白い巣がカーテンのように下がっている。
その廊下に面した一室の中にそれは潜んでいた。何の変哲もないベッドが幾つかに食料や水の入った棚。椅子やテーブルが設けられ、良くみれば竈らしきものまで備わっている小部屋だ。入口にたてられた木製の門戸に刻み付けられた魔法陣はまだ活性化しており、白々と放たれる発光は即ち邪な者達を寄せ付けない結界の一種だ。この遺跡に元々在ったものではなく、遺跡を攻略する冒険者が一時的なセーフルームを拵える為にかけた魔術の賜物となる。

「………」

今も入口周囲から壁や床にまでぎちぎちに走った魔法文字の放つ力によって、その御蔭で此処には怪物達も容易には立ち入れないという訳だ。しかしながらにおいて封鎖されているのは入口の門戸だけであって、それ以外の場所からならば容易に此処に忍び込む事も可能であった。
即ちにおいては敷き詰められた煉瓦のモルタルの欠けた僅かな隙間を経由してスライムのような不定形ならば此処に入り込める。
元々は竜の形を形成しているその怪物は今は黒いコールタールのような形状として、今は眠る者の居ないベッド下の物陰に平らに伏せるようにして潜伏している。
休眠状態ではないその証に、時折に頭部から伸びている触角が炯々と光を湛え、うねるようにして周囲の暗がりを照らし出す

ご案内:「無名遺跡」からドラゴン・ジーンさんが去りました。