2023/05/31 のログ
ご案内:「無名遺跡」にシアンさんが現れました。
■シアン >
石造りの、天井、石造りの、壁、石畳の道――
横幅は馬車が三台並走できる程度はある。
縦幅も馬車が三つは積み重ねられそうだ。
壁面には等間隔に並べられた灯りが燃えて、視界も良好。
魔物にしろ破落戸にしろ何か誰かとばったり遭遇戦だろうがアンブッシュだろううが不意打ちだろうがどうとでも対処出来るような、“やりやすい”場所。なのだが、その肝心の魔物どころか人っ子一人も見当たらず、死骸どころか苔も塵も一つたりとも見当たらないのが逆に不気味な、無名遺跡の一角。
「……ふぅん?」
そこを、物珍しそうにも見回しながら歩く一人の男。
背には得物らしい長柄を背負い、手にはこのあたりのマップ、ではなく。人相書きが幾つか持たれている。
「……無駄だとは思うがねぇ」
そこには、ここで行方不明になった若い冒険者の顔が並んでいる。
何でも遺跡探索に乗り気で将来有望な若者たち、らしく……
何度か遺跡探索に行ってはきちんとある程度の戦果も持って帰ってきていたがある日行方不明に。
で、ギルドの方から探索依頼。暇してたら指名されてしまって仕方な~く、やってきているのだ。
■シアン >
彼等の遺品一つでも見つかれば、重畳、死体でも見つかったら、僥倖。
生きて見つかることなんてまずあるまいと思っているから無駄と独りごちる。
「大体ここぁ俺も普通に危ねぇっつーの何かあったらどうしてくれんだ……」
仕事に意義がないとまでは言わない。指定された要救助者以外の者も見つかるかもしれないし掘り出し物を探し当てられる可能性もある。が、できれば、立ち入りたくはなかったのも本音だ、どうにも不満が口を突いて出てしまうし溜息も多くなるが、気を抜いているわけではない。体躯にある程度の緊張を残し視線も一点に留めず周囲を警戒するのも忘れていない。
ご案内:「無名遺跡」からシアンさんが去りました。